妖異譚は好物

こんにちは。

エルです。

森見登美彦『きつねのはなし』読了。

連作短編(中編？)集なのですが、表題作以外は書き下ろしとなっています。

京都の骨董屋でアルバイトをしている大学生が主人公。

骨董屋、骨董品、妖怪というのは親和性があるのか最近よく見かけるような気がしますが、

そういった話というわけではなく(う～ん、無くもないけれど)、

表題作が凄く気に入りました。

この人の本は、主人公がどこか頼りなげな所も魅力という気がしますが

やはり文章が美しい。

温度や匂い、湿度など、京都の空気が感じられます。

表題作には逃れられない怖さが漂っていて、読みながら登場人物たちを案じましたが、それだけ読ませる作家なんだなあと思いました。

狐のお面が怖くなりました。

他の連作の方の「きつね」は飯綱遣いのクダギツネのような(民間伝承で、そういうものを遣って生計をたてる人々もいたらしい)感じかな？と思いましたが

ちょっと分からない。

表題作とリンクはしているけれど、そうそう繋がらない。

禍々しいものが現れて、人に憑依もする。

でもそれが何なのか分からないまま、

という感じでした。

エルのアタマでは分かりませんでした。

今日の良いこと・邪魔されたりもしましたが、なんとか録画していたドラマをひとつ見終わることが出来ました。ささやか。

皆様に幸運を！