Heart Forest

日常生活の中でちいさな楽しみを探して行きます。

現し世の歩き方

2018-10-20 10:21:55 | 読書
おはようございます。エルです。


面白いけれど読み終えるのが勿体無いような気がして、でも読んでしまった。
山白朝子『エムブリヲ奇譚』


読む前から、有名な別名義が他にあることを知って図書館から借りた本です。
表紙は漫画家の石田スイ。


だいたい奇譚というものは、私の大好物なのかもしれません。

どこか、口伝の趣があってするすると読んでいってしまう。

この本のなかでは、表題作と、最後の「さあ、行こうと少年は言った」が好き。

結構、陰惨というか、人間の業を描いているなかにも、この2作は救いを感じる。

さあ、行こうと言われると、私なぞは昔のアニメ『宝島』のオープニングを思い出します。

勇壮な曲にも耐えられるほどの心の筋肉?が昔はあったのだと思う。

『エムブリヲ奇譚』を読んだ後に、同じ作者の『死者のための音楽』を読んでいて、これももう終わりそう。

しずかで悲しく侘しいようなお話が続いていますが、
ハッピーエンドだけではこの世は生きていくのが難しく思えます。


最近は昭和を懐かしむことが多いな。
一方的に叱られるだけの子供時代の豊穣さには、ずっと後になってからしか気がつけないのでしょうか?

あの頃は夜の闇のなかに化け物がいて、
大人になるとそれは、白昼に顕れてくる。悲しいことに鏡のなかにさえも。


山白朝子名義とあと二つ、自分は時々彼等?の本を読むのでしょう。



今日の良いこと・寒い部屋で頭痛を抱えて布団のなか。何故か至福。



皆様に幸運を!

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