今日の記事は、「夢二」の公演報告をお休みして
北九州芸術劇場で上演されたMONOの公演「地獄でございます」の
観劇レポートです。
MONOは、私が受講している戯曲講座の講師、
土田英生さんが作・演出をつとめる
1991年に旗揚げした(その前身B級プラクティスは1988年旗揚げ)、
京都を拠点に活躍する劇団です。
私は数年前、スカパー!のシアターチャンネルで初めて公演を観てから、
かなりはまっていました。
夫のほうは映像をいっさい見ず、戯曲を読みふけりはまっていました。
戯曲講座も、平田オリザさん、鐘下辰男さん、松田正隆さん、マキノノゾミさん、
と豪華な顔ぶれが続きました。
松田さん、マキノさんはおふたりとも京都の方。
なんとか今度は土田さんに来ていただけたらと思っていたところ、
運良く土田さんが講師を引きうけてくださったため、
私としては本当にうれしいことでした。
前回の戯曲講座の際に、この「地獄でございます」のお話を伺い、
ぜひ見に行きたい!と思った市川ディレクターと、
スケジュールを調整し北九州へに観劇旅行のはこびとなりました。
本来なら、大阪公演に行くほうが近いのですが、
その時期はちょうど「夢二」の稽古の真っ最中。
大阪公演のほうには、戯曲講座の聴講をしてすっかり土田さんファンになった人が
見に行ったそうです。
その人から、「ほんっとに面白かった」という感想を聞いていたので、
自分の目で観る日を楽しみにしていました。
結局北九州へは、もうひとり戯曲講座の受講生ハッチさんも加わり、
女3人での旅となりました。
観劇だけではなく、観光も!という楽しい旅行になりましたが、
そちらのほうのお話はまた別の機会に。
北九州芸術劇場の小ホールは、キャパが200名ほどの、
横長の客席の、使い勝手のよさそうなホールでした。
かなりリアルに精密に作られた、サウナのロビーのセット。
開演すると、上手上部に作られたドアが開いて、
いきなり裸の男が入ってきます。
階段の手すりのところに磨りガラスのようなものが取り付けられているため、
下半身は客席からは見えないようになっていますが、
全裸であることはわかります。
メモを片手、ぶつぶつつぶやきながら移動する男。
そして次々と全裸の男たちが現れます。
もうはじまりから、なぞだらけです。
登場人物はMONOのメンバー男性5人のみ。
閉じられた空間での、5人の会話劇。
会社の出張で一緒にやってきた同僚3人と、
他者との会話ができない15年間引きこもりだったオタク田村、
やたら爽やかぶる自分語りが大好きなはなもちならない男成田。
同僚3人のうちひとりを土田さんが演じています。
恐がりで、小心者、ちょっと小ずるいサラリーマン園川。
そのサラリーマンとは大学時代からの友人で、
豪放磊落といえば豪放磊落、無神経といえば無神経、
自分なりの価値観で常識では計り知れない言動をとる明神。
その後輩でなんとなく3人のバランスをとる、
家族思いで、まじめできちんとしている坂上。
5人はなぜか無性にサウナに入りたくなり、
吸い寄せられるようにそこに来たようですが、
サウナの温度が熱すぎて入れないので、店のものを探しますが誰もいません。
店から出ようとしても、外へ出ることもできません。
あれこれ、5人で会話するうち自分たちがすでに死んでいることに気がつきます。
そして、そのサウナのロビーだと思っていたところが、
地獄の入り口であることに気づき…
というストーリーです。
とにかく上演時間1時間半の間、笑いの絶えない舞台でした。
5人のキャラクターがはっきり際だち、
時に立場の上下がめまぐるしく入れ替わり、
少しづつ明かされていくそれぞれが抱える真実。
張られていた伏線が、みごとに繋がるつくり。
なんだ、こいつ?
みたいな困った奴や、不気味な奴が、
本当は一番真っ当だったり、
ちゃんとして見えた奴が実は…ということがあったり、
気持ちのいい裏切り方をしてくれます。
そして、それぞれみんなどこか可愛げがあり、
どうしようもないなぁ~と思いつつも
なんとなく許せてしまうかんじです。
もしも自分がその立場にいたら…と考えて、
はじめは優等生的な答えを思い浮かべていたけれど、
観ていくうちに自分自身のなかにある本質に気がつき、
舞台上で右往左往する人物たちに
いつのまにかそれぞれ共感する部分を見つけていました。
これ、そのうちDVDになると思います。
生の舞台にはかなわないけど、ぜひたくさんの人に観てもらいたいものです。
MONOの次回公演は、来年の2月~3月だそうです。
これは、絶対次回も見逃せない!と思った私でした。
北九州まで観に行った甲斐がありました。
戯曲講座の今月の課題は、一応提出済みですが、
こんなに面白い舞台を見たあとで、
自分の戯曲の箱書きを読み返すと、穴があったら入りたい気持ちになります。
でも、なんとかとりあえず1本ちゃんと書き下ろしてみたいという
そんな気持ちになりました。
頑張るぞ!
北九州芸術劇場で上演されたMONOの公演「地獄でございます」の
観劇レポートです。
MONOは、私が受講している戯曲講座の講師、
土田英生さんが作・演出をつとめる
1991年に旗揚げした(その前身B級プラクティスは1988年旗揚げ)、
京都を拠点に活躍する劇団です。
私は数年前、スカパー!のシアターチャンネルで初めて公演を観てから、
かなりはまっていました。
夫のほうは映像をいっさい見ず、戯曲を読みふけりはまっていました。
戯曲講座も、平田オリザさん、鐘下辰男さん、松田正隆さん、マキノノゾミさん、
と豪華な顔ぶれが続きました。
松田さん、マキノさんはおふたりとも京都の方。
なんとか今度は土田さんに来ていただけたらと思っていたところ、
運良く土田さんが講師を引きうけてくださったため、
私としては本当にうれしいことでした。
前回の戯曲講座の際に、この「地獄でございます」のお話を伺い、
ぜひ見に行きたい!と思った市川ディレクターと、
スケジュールを調整し北九州へに観劇旅行のはこびとなりました。
本来なら、大阪公演に行くほうが近いのですが、
その時期はちょうど「夢二」の稽古の真っ最中。
大阪公演のほうには、戯曲講座の聴講をしてすっかり土田さんファンになった人が
見に行ったそうです。
その人から、「ほんっとに面白かった」という感想を聞いていたので、
自分の目で観る日を楽しみにしていました。
結局北九州へは、もうひとり戯曲講座の受講生ハッチさんも加わり、
女3人での旅となりました。
観劇だけではなく、観光も!という楽しい旅行になりましたが、
そちらのほうのお話はまた別の機会に。
北九州芸術劇場の小ホールは、キャパが200名ほどの、
横長の客席の、使い勝手のよさそうなホールでした。
かなりリアルに精密に作られた、サウナのロビーのセット。
開演すると、上手上部に作られたドアが開いて、
いきなり裸の男が入ってきます。
階段の手すりのところに磨りガラスのようなものが取り付けられているため、
下半身は客席からは見えないようになっていますが、
全裸であることはわかります。
メモを片手、ぶつぶつつぶやきながら移動する男。
そして次々と全裸の男たちが現れます。
もうはじまりから、なぞだらけです。
登場人物はMONOのメンバー男性5人のみ。
閉じられた空間での、5人の会話劇。
会社の出張で一緒にやってきた同僚3人と、
他者との会話ができない15年間引きこもりだったオタク田村、
やたら爽やかぶる自分語りが大好きなはなもちならない男成田。
同僚3人のうちひとりを土田さんが演じています。
恐がりで、小心者、ちょっと小ずるいサラリーマン園川。
そのサラリーマンとは大学時代からの友人で、
豪放磊落といえば豪放磊落、無神経といえば無神経、
自分なりの価値観で常識では計り知れない言動をとる明神。
その後輩でなんとなく3人のバランスをとる、
家族思いで、まじめできちんとしている坂上。
5人はなぜか無性にサウナに入りたくなり、
吸い寄せられるようにそこに来たようですが、
サウナの温度が熱すぎて入れないので、店のものを探しますが誰もいません。
店から出ようとしても、外へ出ることもできません。
あれこれ、5人で会話するうち自分たちがすでに死んでいることに気がつきます。
そして、そのサウナのロビーだと思っていたところが、
地獄の入り口であることに気づき…
というストーリーです。
とにかく上演時間1時間半の間、笑いの絶えない舞台でした。
5人のキャラクターがはっきり際だち、
時に立場の上下がめまぐるしく入れ替わり、
少しづつ明かされていくそれぞれが抱える真実。
張られていた伏線が、みごとに繋がるつくり。
なんだ、こいつ?
みたいな困った奴や、不気味な奴が、
本当は一番真っ当だったり、
ちゃんとして見えた奴が実は…ということがあったり、
気持ちのいい裏切り方をしてくれます。
そして、それぞれみんなどこか可愛げがあり、
どうしようもないなぁ~と思いつつも
なんとなく許せてしまうかんじです。
もしも自分がその立場にいたら…と考えて、
はじめは優等生的な答えを思い浮かべていたけれど、
観ていくうちに自分自身のなかにある本質に気がつき、
舞台上で右往左往する人物たちに
いつのまにかそれぞれ共感する部分を見つけていました。
これ、そのうちDVDになると思います。
生の舞台にはかなわないけど、ぜひたくさんの人に観てもらいたいものです。
MONOの次回公演は、来年の2月~3月だそうです。
これは、絶対次回も見逃せない!と思った私でした。
北九州まで観に行った甲斐がありました。
戯曲講座の今月の課題は、一応提出済みですが、
こんなに面白い舞台を見たあとで、
自分の戯曲の箱書きを読み返すと、穴があったら入りたい気持ちになります。
でも、なんとかとりあえず1本ちゃんと書き下ろしてみたいという
そんな気持ちになりました。
頑張るぞ!