お多福 満腹 大福帳

金沢でお芝居にかかわっています。
今かかわっている舞台などの情報や、お芝居についての思いなど書いていきます

「土田英生戯曲講座」第三回報告レポート 1日目

2007年03月25日 | 戯曲講座
これまで体験したことのないような大きな地震がありましたが、
ここをご覧の地元の皆さんは大丈夫でしたか?
私は、幸い何も被害もケガもなく無事でした。

遠方の知人や、東京の演劇関係の皆さんから、
たくさんお見舞いメールやお電話をいただきました。
とても心強かったです。
夫が講師をつとめている中島高校では、校舎や体育館に被害があったようでした。
能登の皆さんが、一日も早く通常の生活に戻れることをお祈りしています。


さて、戯曲講座の報告レポートです。
第3回目となる講座は、24日(土)7時~芸術村 里山の家で行われました。
箱書きの課題提出がぎりぎりだったり、
欠席が多い方のことについて、
土田さんのほうから軽く喝が入りました。

せっかくの機会なので、どうせ参加するなら積極的に、
前向きにやっていきましょうということで、
今後のあり方などについて再確認がありました。

講義のほうは、「戯曲のタイトルについて」でした。
このタイトルというのが、なかなか難しく、
私も苦戦していたところです。
土田さんは、ご自分の作品のタイトルを例に出して、
面白いタイトル、失敗したタイトル、ちょっとイタイタイトルなどについて、
具体的にお話をすすめました。

これまで耳にしたタイトルで自分が格好いいと感じたもの、
ダサイ、さむいと感じたものをあげてみるということもしました。

そしてそれがなぜなのか、考えてみました。

土田さん自信、英語のタイトルを付けたことが初期の作品ではいくつかあったようですが、
そのことについて、
「とりあえず、英語のタイトルは格好いいと思うことをやめてみましょう」
ということでした。
どうしてもその言葉でないと表現しきれないというもの以外は、
日本語でなんとかならないかちょっと踏ん張って考えてみようと。

たしかに、英語で何かを表現すると格好いいという刷り込みがされている部分はあります。

そのあと、具体的にタイトルをつけてみようということになり、
前回2回目の講座で、
みんなで考えた摸擬プロット
の芝居に
自分なりに思いつきでタイトルをつけていきました。

あまり考える時間も与えられないまま、順に指名されるままに
タイトルを言っていきます。
指名は2周して、ひとり2つづつ提案しました。

「ベリーダンスを深夜2時」
「ベリーダンスをあなたと」
「宅配と2時」
「その花は誰のため」
「砂」
「あしおと」
「おやじの誤算」
「スロープの先」
「はなをすすりあげる」
「自販機の寝息」
「明日のその先」
「最期のうそ」
「水をむすぶ」
「殺虫灯」
「父と花屋と兄妹と」
「命日」

などがあげられました。
そして、そのあとみんなで、いいなと思うタイトルに挙手をして、
なぜいいと思うのか、なぜだめだと思うのかを話し合っていきます。

タイトルには大きくわけて3種類あるそうです。
①作品の設定がわかるもの
②テーマに沿ったもの
③作者の意気込み、ねらいが分かるもの
だいたいこの3つに大別されるそうです。

そして、その上で漢字とひらがなのバランス、
ねらいすぎてわかりにくくなっていないか、
いかにもそれっぽいものは逆にだめ、
などと自分のなかでよく吟味し、
できれば思いつく事全てを書き出してトーナメント戦にしていくといい
とのことでした。

そういう本来ひとりでやる作業を、全員でやってみた結果、
最終的に「おやじの誤算」は「父の誤算」に変えた上で、
「自販機の寝息」との一騎打ちになりました。
ちなみに「おやじの誤算」は私のアイディアでした。
面白いことに最終的な投票になった際、
男性は全員「自販機の寝息」に、女性は全員(といっても3名ですが)は、
「父の誤算」に挙手していました。
感性の違いでしょうか。
それはちょっと面白い現象でした。

土田さんはいつものように、ご自身のことを自虐ネタにして笑いをとりながらも、
分かりやすく解説していってくれました。

馴染みのない単語を使うことの居心地の悪さや、
長文のタイトルは文学的な香りはするが、
ばしっと決まってくると比較的短いものになっていく
というような内容のお話もあったと思います。
う~ん、どなたかフォローを…。

この日は、9時半頃まで講座があり、
そのあと土田さんとの交流会に池田町バルバールへと繰り出しました。
そこでの興味深いお話や、
2次会の広坂ハイボールでのもっともっと興味深いお話に関しては、
ちょっとここに書くのははばかられる内容もありましたので、
聞きたい方は私にこっそり聞いてください。
お話できる範囲でお話いたします。

私は飲み会では、受講生というより、
すっかり土田戯曲の一ファンという立場でいろいろお話を伺えたので、
とても楽しかったです。


2日目の様子についてはまた後日記事にします。