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日々ぼんやりと~ ヽ(*〇w〇)ノ

のんびり ゆっくり まったりと~♪

続THE二名様

2009年04月13日 | 我々をさらけ出せ
4月1日午前0時 都内某所


『結局、進級できないぞ~っていう初夢だったw』
「そこまでトラウマに・・・」
『数ヶ月に一回は見るねw決まって落第だ、どうしようってブルーになるwww』
「・・・・・・」
『で、しばらく経ってから、嗚呼そうだ。自分もう中年だから関係なかった(○_○;)』
「・・・・・・」
『で、一安心www』
「・・・・・・すまん」
『真面目に言われると引きますね~(´○w○)・・・キモイヨ』
「まったくの部外者だった破戒に頼りきりだった当時は無能さを憾んだもんさ」
『・・・私から言わせてもらえれば』
「・・・・・・」
『私がやりたい事やっている以上、誰にも文句は言わせない(`○w○)』
「・・・・・・スマン」
『あ、すいません~^^このチョコパフェみたいなの2つ^^はい~お願いします~♪』
「・・・・・・」
『何湿気た面してるんですか(´○w○)こんなのは笑い話の種ですよw』
「・・・・・・」
『大丈夫です?w酔ってます?w』
「いや、んなに酔ってねぇ。もうお前から俺の情報を引き出させる訳にはいかないw」
『寂しいのなら会いに行けばいいのに~♪』
「ハッ!今行ってどうするよw破戒が言った様に半殺しにしてポリス沙汰になるのがいいトコだろうよw」
『私も当時は思いましたけどね~。養子にしようとか^^』
「俺のほうが年上なんですけど・・・」
『法的にどうとか知らないよ?wお金さえあれば全員養子にしようと思ってたw』
「あのときのメンバーを?w10人居たぞwww」
『数は問題ではない(*○w○)あの子達にただ必要なのは、親かなと^^』
「18のガキが考えることじゃねーなwww」
『餓鬼だったからこそのつまらん妄想さね(*ノwノ)今だったら確実に動いてる』
「だったらアルを養子にしてやればよかったじゃねーか?」
『もう必要ないでしょう(´○w○)?こっちに帰って来た時に当時と状況が同じだったら養子にしようと決めてましたけどねw』
「20の税金払うようになったガキが考えることじゃねーぞwww」



『それにしても、あの子が総一郎に対してそんなことを考えているとは思いませんでしたね~』
「俺、結婚式にかなりご祝儀包んで行ったんだけどな~w一本包んだんだけどなー」
『なに文庫本包んできてんだ。このクソ野郎ぐらいに思ったんじゃないですかね^^?』
「お前が言うと洒落に聞こえねーwww」
『まぁ、よく説教っておきましたけどねwww説明もがっつりしてきましたよ!』
「マジデwだから数日後に謝りに来たのかwww」
『もうお母さんに付き纏わないでもらえますか?でしたもンね~^^』
「憎まれ役は買ってきたつもりで居たが、流石に軽口すら出なかったもんなー」
『私を笑いを堪えるのに必死でしたよwwwコイツ困ってやがる!キョドってやがる!でも、助けな~~い~♪』
「友のピンチは助けてwww」
『大体アレですよね~。普通の人から見たら私と貴方の接点が全く分かりませんからね~』
「破戒に累が及ばないようにしてきたのは俺だからなー。まぁ性がねーよなw」
『お互い苦労性ですね~、器用貧乏の方が的を得てるかな?w』
「破戒に言われてりゃ世話ねえぜ・・・」



THE2名様

2009年04月12日 | 我々をさらけ出せ
3月31日 都内某所


『すまん。金が無い!ナンカ喰わしてくれ!』
「・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・』
「・・・あいよ、行くか」


「まさか、破戒の方から頼ってくる日が来るとはな~」
『・・・すまん』
「いやいいけどw あ。俺お前と行きたいとこあんだけど?そこでいい?」
『・・・ラブホだったら、助手席側のドアを即もぎ取りますよ?』
「その前に俺が殺されらぁw」


「んで、仕事のほうはどうさね? あ、本業のほうねw」
『ま~ったくダメさねヽ(*○w○)ノ時給20円位?w』
「ハッ! ペーペーは辛いねー」
『まねー。即どうこう出来るとは思ってないよ。私は下手糞だ』
「ふ~ん・・・」
『・・・・・・・・・・・・』
「まぁ、定例事項だ。俺と仕事する気は無いか?」
『あ、すいませ~ん。カルボナーラ2皿追加で^^ はい~どうもです~♪』
「・・・・・・・」
『相変わらずタイミングの悪い男ですね~(´○w○)』
「勿論やる気もネーだろうがよw」
『当たり前です総一郎。私は貴方が後ろを向いている隙に、首スパーってする使命を持ってこの世界に降りてきてますからね!』
「・・・はいはい^^」
『もしくは我が主の病気に掛かった姫。陰陽師に診せた所、治療の為には生き胆が必要だと・・・。』
「・・・・・・」
『その為の生き胆を抜く為の人間ですからね!』
「・・・・・・」
『コレでも注意しないと、私を探しに来た姫から間違って生き胆を抜く可能性がありますからね~』
「・・・・・・」
『そして、悲しみと後悔の念からその街道には人喰鬼婆が出ると、そして伝説へ・・・』
「ねーよ。お前今日よく喋るなーw」
『別に今日は情報収集するために来たわけではないので(*○w○)』
「・・・俺は破戒が怖いよ」


「ほんとだったら、ショットバーでモルトでも舐めながらってのが様になんだけど・・・」
『そんな所で何か美味いもの食べられるんですか(´○w○)?』
「まぁ、そんなトコもあるけどさ」
『それに私はお酒呑みませんよ?』
「隣がカルピス原液がぶ飲みじゃ、様になんねーなーって・・・w」
『濃くしてもらってるだけです!・・・原液って頼んでみようか(○_○;)』
「やめてw俺がこれから来にくくなるからw」
『あ~ん?いいんデスよ(´○w○)? 私がここでいきなり全裸になって犯される!!って叫んだッていいんですよ?』
「やりそうwwwつか、ポリスがくんだろうがw」
『そこは私の迫真の演技で、全ての罪を貴方に被せますよ!』
「お前は世の中を知らないな破戒。どれだけ真っ黒でもな、金さえ積めば白になるんだよ!」
『くっそ~(○д○;) コレだからブルジョワジ~どもは!ブルジョワジ~どもは!!!』
「知ったことか!」
『チネ、チネ、無数にフォークで刺されて死ね(´○w○)Ψ』
「本当に刺すな!!!w」

ウェイター「城崎様。他のお客様にも迷惑になりますので、もう少しお静かにして貰えればと」

「・・・・・・・ああ、気をつけるよ・・・」
『・・・・・・・(´○д○)』
「てめえの声がでかくて怒られたじゃネーかよ。出入り禁止にさせるつもりかw」
『あーい、とぅいまてーん(´○д○)』
「・・・殺す」
『やるのなら、やりますか^^? まだあのときの決着がついていない・・・』
「本気でどつきあったら、確実にこの店は半壊するだろうがよ・・・」
『それは仕方ない・・・ですが、今の私では総一郎には勝てないでしょうよw』
「俺は腕を折られるだけじゃなくて、捥がれる気がする・・・」
『私に立ち向かってくる以上は捥ぎますよ。もぎもぎフルーツですよ。もぎもぎ~♪』
「あれ見ちゃってるからな~・・・はぁ~」
『それは白昼夢だった!それでも僕はやってない!』
「リアルグラップラーめ・・・」
『貴方だって今鍛えているでしょうが!』
「何にもやってねーよ」
『いや、この引き締まり方はスポーツジムではないです』
「何触ってんだよ!」
『この細さでこのしなやかさ。なにか中国系の武術を習っているでしょう?w』
「俺お前に話した事あったっけ?w」
『無いです^^ 貴方は私と一緒で努力は隠すタイプなので無いです(*○w○)』
「相変わらず、観察眼が冴えてんな~」


「昔、よく目を閉じてただろう?」
『見たいものがあったのでねw』
「まぁ、その話は詮索しないよ、トラウマを引き出すからw」
『もう、構わないですけどねw』
「まぁ、それは置いといてだ。俺が教えてもらってる先生がさー」
『目を閉じていても、見えているように動けると^^』
「そそ。あ~コレが破戒が言ってたやつか~って思ってもう5年ぐらい」
『つまり、死角からの攻撃すら避けられると(*☆w☆)』
「いや、無理だかr痛ッテ! 腿を刺すなよ」
『(´○w○)・・・』
「お前じゃねーんだから。一般人の俺に無理だろうよwww」
『(´○w○)・・・』
「刺すな、刺すな! 無言で刺すな!!」
『・・・ふぅ~つまらん男だ(´○w○)』
「むしろお前が弟子入りして来い・・・・・・刺すな、刺すな!!」

ウェイター「度々申し訳ございません城崎様。他のお客様にも迷惑になりますので、もう少しお静かにして頂ければと」

「・・・・・・スイマセン・・・」




アサルト

2009年01月21日 | 我々をさらけ出せ
「なっ、なんだてめぇーーー!!」

男がそう叫んだのは、ドアを開け身を乗り出した部下が、
一瞬の硬直の後にそのまま引きずられるようにドアの外に消え、
制服に身を包んだ人間が入り込んできたからだ。

それは僅か2秒間の出来事だった。


俺の顔は若干変形しているかもしれない。
視界の左上部が変にぼやけているように見えた。
ただ、その制服の「クラウンピザ」のロゴだけは、はっきりと見えた。
身を少しだけ捩ったからだろう、鈍い痛みが肩から滲み出す。


闖入者はドアにロックを掛けると、男の怒声が聞こえていないかのように、
手近にあった事務机をたった一つの出入り口にぴったりと押し当てた。
それに満足できなかったのか、
闖入者は二つ目の事務机を動かそうと身体を動かした。

「なんなんだ! テメェはッ!!」
一瞬呆気に取られていた男が、再び声を張り上げる。

二つ目の事務机に手をかけていた闖入者は、男に向き直り、
『スペシャルデリバリーで~す♥』
場違いなほどの明るく響く声。

だが、男からは見えたのだろうか?
キャップを目深にかぶった闖入者のその目。

(あの目だ・・・)
条件反射のように記憶が呼び覚まされ、
俺の身体はほんの少しだけ強張ったのだと思う。
体中に軋む様な痛みが走ったからだ。
あの目が俺の位置からは本当によく見えた。


そして、慣れた手つきでバッグの中から、
正方形の薄いピザトレイを取り出し、上蓋を開けて中を見せた。


本当にピザが入っているのか、俺には分からない。
何故なら俺は、両手首を後ろで縛られ、
床に這い蹲っていたからだ。
つい数十秒前まで、俺はここで面白半分にサンドバッグになっていた。
ただ、それだけの話。


トマトとチーズの焼けた匂いが鼻につく。
どうやら、本当にピザが入っていたようだ。
こんな状況なのに、いい匂いダナと俺は思った。
(まったく・・・この人は・・・)


『寺山修次様のご注文でゴザイマス~♥』
そう言うと、そのままふぅわりと男に向かってピザをトレイごと放った。


男からは何が見えていたのだろうか?

ゆるく弧を描きながら己に向かって飛んでくるピザトレイ。
無条件で腕を前に差し出している。
いや、寺山と言うサル山のボスの名前に反応したからかもしれない。
コレは何か大切なものだぞ。と・・・。
そして男は理解できないまま床に這い蹲る事になる。


俺に見えていたものは、
ピザトレイを放り投げた闖入者が、手近にあった事務椅子を掴み。
男に向かって投げつけた姿だった。
加減という言葉は、多分無いのだと思う。

ピザトレイを受け止めた男の顔に、事務椅子の足がめり込む。
そのまま後ろに倒れる男。
そして、その顎を蹴り上げる闖入者。
加減という言葉は、・・・多分知らないのだと思う。


散乱、とまではいかないが、床にぶちまけられたピザを一切れ摘む。
『うわ~、もったいね(´○w○)』
躊躇うことなく齧り付くと、俺に向かってこう言い放った。


『てっへ~w 来ちゃったw』

いつもと変わらぬ人を安心させるような笑顔。

この頭痛は、殴られ続けたせいか、
それとも全く違う要因か・・・。
俺は殴られ続けたせいだと、強引に自分を納得させた。

ボランティア inoti

2008年05月20日 | 我々をさらけ出せ
ドガッッシャーーー!!!

事務机に男が一人突っ込んでくる。
正確には殴られ、吹き飛ばされたと表現するべきか・・・。


事務机の上の書類やら、訳の分からない雑多なものが床にぶち撒けられる。
空を掴む様に右手の拳が握られる。
その手首に巻き付けられた包帯の白が、散乱した机の上で映える。

何やら呻き声を鳴らす男を見詰めながら、
「止めますか?」
私は斜め前に座っている男・・・。
正確には吹き飛ばされてきた男が突っ伏す事務机の前で、
眉一つ動かさずに座り続けるヘッドに尋ねた。

『生きている事を当たり前だと思うな!!』

ヘッドが返事をする前に事務所内にその声だけが響き渡る。

『さぁ来なよ!!
 生きている事を身を持って分からせてあげます!』

その声に反応するように男は呻いて、事務机に投げ出していた上半身を持ち上げる。
その目は私とヘッドを避ける様に、吹き飛ばした相手に向けられた。


「止めますか?」
私は再度、ヘッドにそう尋いた。
「お手並み拝見と行きましょう~」
そう歌うように呟いたヘッドは、実に楽しそうに見えた。

予想していた事とはいえ、この状況下で言われると流石に呆れてしまう。
小さく息を吐き、私は黙って男の背中を見詰める。

『どうしま~した~? 頭にきてるンでしょ~♪ hurry up guys~♪』

歌でも歌うように節をつけて挑発する相手・・・。
両手をだらりと下げた様は、全くの無防備だ。


いつのまに手にしていたのか、男は小振りの果物ナイフを握り締めている。
相手もそれを認識したようで、
『刃物を人に向けた以上は、命・・・とられる覚悟してくださいね^^?』
この張り詰めた場所に不釣合いにもほどがある程の明るく楽しげな声。

「うあぁぁぁーーーッ!」

男は吼えると、逆手に持ったナイフを振り上げ振り下ろした。

相手は顔を庇う様に左腕を掲げ、そこにナイフが突き刺さる。
・・・ように見えた。


カチャン


ナイフが床に落ちた。

そして男は腹部を押さえてうずくまると、嘔吐した。

何が起こったのか理解するのに数秒の時間を費やし、
どうするべきか思考が始まる前に声が耳に届く。

『その線は貴方を救ってくれましたか? ただ痛かっただけでしょうが。
 本当に救われたいのなら・・・。
 私と一緒にボランティアに来なさい!ヾ( ○w○)ノ 保育園の運動会の!』

私は男の手首の包帯を見ていた。

『あや~。綺麗に入りすぎちゃいましたね~(´○w○)』
なんとも申し訳無さそうな声でそう言うと、ナイフを摘み上げる。
うずくまる男をすり抜けて、ヘッドの前に歩いてくる。

そのままそれをヘッドの前に置くと・・・。

『アナタも来るんですよ!( ○w○)ノ』
「え~~~! 面倒臭いよ~~~」
『何言ってるんですか!
 大体止めさせなさいよ! 大の大人がアバレンジャーですよΣ(○ロ○lll)
 普通止めるでしょうが! 普通!』
「んだよアバレンジャーって! 大丈夫! ハタチ前は大人じゃない!」
『貴様は5,6回シネーーーーヾ( ○皿○)ノ』
「死ぬか! 男は女の上で腹上死って相場が決まってるんだよ!」
『女性の敵メ~~~! シネーーーーヾ( ○皿○)ノ』
「や~ら~せ~る~か~」


呆れた。
久しぶりに呆れ果てた。
貴一さんが頭が痛いと愚痴っていたのはこの事であろうか・・・?
私も頭痛を錯覚しながら、男に一瞥をくれる。
男はポカンと口を開けてそのやり取りを眺めていた。

強襲 namida

2008年01月30日 | 我々をさらけ出せ
救ってくれる神様なんて存在しない。
ずっとそう思って生きてきた。

男はみんな糞の詰まった肉の塊だと思って、自分を殺してきた。

だけど・・・。
あの人にあって、
私も光を望んでいいんだって。
そう思える事が出来た。


でも・・・。



「あなた馬鹿なんだから、馬鹿は馬鹿らしく豚の相手でもしていればいいんです」
蛇を思わせるような目付きが嫌い。
それがこの男の印象。
「そう簡単に禊ぎ出来るわけ無いでしょう? 顧客も付いてますし・・・」
やっぱり、これが現実。
もう、どうしたらいいのか・・・分からない。
私には分からない。
心に湧き出るこの感情も分からない。
悔しみ、怒り、諦め、悲しみ、分からない・・・。
それが誰に向けてのものなのかも分からない・・・。
けど。
泣きたくない。
そして・・・。


「お母さん・・・。助けて・・・お母さん・・・」
ただ、そう呟いていた。


『あン? なんだオマエた』
・・・ドサ。
薄い壁の向こうで音がする。
それが異変であると、取り巻きが気付く前にドアを開け、
滑り込むように三人の黒い人影が・・・

「・・・お母さん」

そのうちの一人は私が知っている人だった。
私はどんな顔をしているのだろう。
思考が麻痺してしまったのか、もう何も考えられない。
完全に立ち竦んでしまった。

「なんだテメェら!!」
取り巻きの一人がお母さんに掴みかかる。
そして、一度ビクリと体が震えたように私には見えた。
何をしたのか、私の位置からは見えなかったが、
そのまま取り巻きの一人は、その場に崩れ落ちた。ピクリとも動かない。

「は~じめまして~。赤の東条さ~ん。
 これ。なぁ~んだ?」
場違いな程のうれしそうな明るい声。
お母さんではない一人が、一枚の紙切れを摘み、頭上でヒラヒラさせている。
蛇のような目付きの男。東条の顔付きが明らかに変化した。
「ああ~。こっちも初めましてだね~。
 黒でヘッドやってますよん。今日は慈善事業のお話ですよん」

その後のことは、あっという間の出来事だった。
東条が取り巻きを慌てて部屋から全て出し。
紙切れをヒラヒラさせていた一人が何か言っているが、
無表情のまま私を見もしないお母さんが気になって、全く覚えていなかった。

東条が頬を引きつらせて、ペコペコしている。
馬鹿みたいだ。


・・・・・・


何も分からないまま、お母さん達と一緒に私も外に出た。
そのまま停めてあった車に乗る。


・・・・・・


『なんで、・・・なんで言ってくれなかったんですか!!』
いつものお母さんの顔。
でも、お母さんは泣いていた。
『もっと私達を頼りなさい』
ただ、それだけを言って静かに私を見つめている。

ごめんなさい。
なんて言葉も出てこない程、私は泣いた。


・・・・・・


「破戒の泣き顔なんざ、始めて見たぜー」
『レアですよ~ヽ(*○w○)ノ 拝観料取りますよ?w』
大胆不敵にニヤリと笑うと、グイと涙を拭った。
『ほら! ヽ(*○w○)ノ
 アナタもいつまでメソメソしてるんですか!
 もう後は好きにしなさい。
 で、私たちのことは綺麗さっぱり忘れなさいな^^
 ・・・その前に・・・』
再び大胆不敵にニヤリとすると、
『何か食べに行きましょ~うヽ(*○w○)ノ』
「近くにデザートが有名な店がありますが・・・?」
今まで一言も口を利かなかった、最後の一人が生真面目に答える。
『そこ行きましょう~Σ(○д○ノ)ノ 甘いの食べたいです~Σ(○皿○ノ)ノ』
「えー。酒飲みて~よ。さけー」
『黙れ外野(*○w○) ピカチュ~ってやるぞ~(*○w○)っд』
「ちょwあぶねwww 大体それどっから持って来たんだよw」
『死ねー(*○w○)っд』
「うっわ! なんかキタ今wちょっwあぶねwあぶねww」


助手席とその後ろの席でじゃれあう二人を見て、
私は泣きながら、心から笑った。

Breez :side Darkness of Darkness

2007年01月21日 | 我々をさらけ出せ
「そうか」
そう言って、静かに目を閉じる。
相変わらず必要最低限のモノしかない、とても簡素な部屋。
そこの主でもある黒衣の友に、私は全てを・・・。
否。
物語の結末を告げたのだった。

無言無言無言。

目を閉じたままの目の前の友は、黒い彫像のようだ。
だが彫像ではない証のよう僅かに肩が上下している。
私は冷め切ってしまった紅茶の入ったマグカップを両手の中で玩ぶ。
視線は外に向けた。
窓が開いている。世界は秋に染まっているようだ。
そりゃそうだ。声には出さなかったが一人納得し苦笑する。


「そうか」
一体どれほどまどろんでいたのか定かではないが、もう一度友はそう言った。

再び無言無言無言。

もしここに第三者がいたら、大変奇異に思うのかもしれない。
二人の人間が居て、面と向かい合っているのに、
会話は皆無。
一人は目を閉じ微動だにしない。
一人は完全に呆けている。
それでも私達は友達なのだ。他の誰よりも。
会話で繋がる友もありだろうと思う。でも、会話が全くなくても繋がる事もあるのだ。
マイナーかな?
そんな事も思う。
どうでもいいや。
とも思う。
私は気まぐれなのかもしれない。


「おまえが・・・」
そして友は目を開き、斯く語る。
「おまえが可笑しな事を言わなければ、私が動いていたのかもしれない」
でしょうね、私は声を発しない。
「止めた・・・だろうか?」
私への問い。
「止めないでしょうね」
私の答えは素っ気無い。
ほんの少しの間・・・・・・。
「何故?」
この問いは少々難解である。そもそも何に対しての『何故?』なのか前後の文脈が抜けている。
でも、私には理解できてしまうのだ。だから誰よりも友達なのだ。
「ポリースメ~ンに、おロープ頂戴は、イヤだったので・・・じゃ、ダメ?」

無言無言無言。

だが、目は見開かれたままだ。
出逢った頃よりも剣が取れているとは言え、まだまだ友の眼光は鋭い。
「正直分かりません」
私は苦笑しながら本心を素直に語る。
「何ででしょうね?あの時は絶対的な好条件でしたけどね~」
私は冷たい紅茶を一口啜る。
「ほんとに・・・何ででしょうね?絶対・・・絶対持って行こうと決めてたのにね」
悔恨、もしくは懺悔なのか?涙が出そうだ。
視界の端に何かが映る。
カーテンが風でふぅわりと立ち上がる。
私は窓の外を見た。
あたたかいな。自然とそう思った。
大丈夫。私は今ここに居る。
不意にそんな思いが湧き上がる。それでもまだ涙が出そうだった。
友に顔を向けると、目線が微妙に私を捉えていない・・・ように感じた。
それに気が付いたのか、すぐにいつもの鋭さに戻る。
ダメだ、泣きそう。
「じゃね。サイ」
短くそう言って席を立つ。
「さよなら。ディー」
友の返事も短かった。


外にでる。
今日は秋晴れ、天も高い。
その蒼の下。
私は声を殺して泣いた。

失くしたモノの代償は

2007年01月03日 | 我々をさらけ出せ
この世界にあの人が居ないのなら、
すべて壊れて無くなればいい。



何故まともなのか?
何故生きているのか?
何故壊れていないのか?
何故。
何故。
何故。

考えても仕方のない事を延々と、ただ繰り返す。
何故こうも平静で居られるのか?
何故受け入れる事が出来ないのか?
何故世界は何も変わらず今もあるのか?
何故。
何故。
何故。

あるとき、一つの考えに至った。

その時私はすでに。
狂っていたのかもしれない。
壊れていたのかもしれない。
死んでいたのかもしれない。




そして私は、黒衣の男の前に立ち。
最初で最後の望みを告げる。
男の予想を遙かに逸脱した望みに、
男は微かに右の眉を吊り上げた。
「もし俺があんただったら絶対止める」
私は、でしょうね。とありきたりな言葉を呟く。
男は静かに息を吐く。
「・・・鉄砲玉とかもあるけど?」
私は首を横に振る。
全てを語らずともこの男は全てを理解している。
その結末をも理解しているのであろうか?
心の中でだけ、私は男に賞賛を送る。
黙ってしまった男に、頼みましたよ。とだけ告げる。
私がドアノブに手を掛けるその時。
男は呟いた。
「なぁ。・・・それでいいわけ?」
最終確認。
いや、最終警告ともとれるか。
だけど私は変われない。
もう、決めてしまったのだから。
そうする事がいいような気がして、
振り返りもせずに私は答えになっていない答えを、
確りと呟いた。
「この世界にあの人が居ないのなら、
すべて壊れて無くなればいい。」
男は、
「そっか」
と、小さく呟いた。
私にはそれが、
小さな子どもが泣いているように感じた。

埠頭の倉庫 syusen

2006年08月13日 | 我々をさらけ出せ
完全に頭に血が上る。
オレが動く前に、誰かが先に動いた。
何か・・・真っ赤な丸い何かが放物線を描いて飛んでいく。
それはぐったりと椅子に座らされているうちの奴らに向かって・・・
ビシャーーーン!
水風船????
当たったそれはすぐに割れ、液体を撒き散らす。
オレは呆気に取られた。
それはむこうも同じだったようで、完全に呆けている。
続けて誰かが水風船を放る。
それらは全て、顔の腫れ上がった二人に命中した。
二人は水をかけられたからか、微かに身を捩る。
辺りに変な匂いが立ち込める。
これは・・・?まさかこの匂いは!?
「ヘッドは来ませんよ」
倉庫に声が響く。
いつの間にか馬鹿はサングラスを着けている。
よくとおる落ち着いた声。
全ての視線はこいつに注がれた。
その瞬間。
全てはこいつの世界に飲み込まれた。
「敵の手に落ちてしまうような弱い駒はうちには必要ありません。
 動けないようにして頂けるとは、全く手間が省けました」
何を言ってるんだ?こいつは??
「わたくし達は・・・なんといいますか・・・
 処理係です。・・・ゴミの始末に来ました。
 社会のゴミは・・・燃やさないとね?」
むこうもこの異様な雰囲気に飲まれている。
匂いに気が付いたのか、こいつの意味に気が付いたのか、
むこうもざわめき始めた。
この揮発性の匂いは・・・!
「関係のない方は帰ったほうが良いですよ
 危ないですから」
水風船を高く放りなげる。
かちゃん。
いつの間にか手にしていたジッポに火がともる。
水風船が落ちて・・・。
ジッポが低い放物線を描いて投げ込まれる。
水風船が落ちて、落ちて。地面に・・・。
そこに火が・・・。
ルゴァアオオオォォォォンンン!!!
火柱というものを始めて見た。
呆然とした。
頭が回らない。
紅が眼前を埋め尽くす。

気が付けば、ドクが水風船をむこうの奴らに投げつけている。
当たった奴は悲鳴を上げて逃げ回っている。
「さて、ダッシュで帰りますよ~ヽ(*○w○)ノ」
耳元で能天気な声がする。
「あ、??」
口が利けない。
紅い火柱を背にサングラスが立っている。
肩に担いでいるのは、捕まっていた一人なのか?
強引に腕を引っ張られる。
いつの間にか、ドクも一人担ぎ上げている。
オレ達は、すぐにその場をあとにした。


「あの火は迫力ありましたね~(*○w○)
 ほんとに、あんなリュックサック一個で消えるんですか~?
 確認したかったな~♪」
車中での会話は、そんな能天気なトーンで始まった。
「大丈夫だって!アレにはドライアイスの塊に硝酸メチ・・・」
「難しい話は結構です^^;
 じゃ、火事にはなりませんね~」
周防と呼ばれている奴の言葉を強引にさえぎって、こいつは笑った。
「何にもないところだもん。火だって上には届く訳もないし、
 燃えるもんは破壊神が投げたアレしかなかった訳だし」
周防はそう言って、それにしてもまるで別人だったよな~とオレに言った。
オレは今の言葉が気にかかり、
「ちょっと待て!?
 爆発したのはあそこだけか??
 皆殺しとかって!?
 じゃぁ、
 ドクがみんなにぶつけてたのは?」
「な~に言ってんの~!他のはみんな水!ちょっと匂いは入れたけどね♪
 破壊神が投げたのだけがガソリンとおいらの特殊ブレンドで~・・・」
「私さえ注意していれば危険なことは何もなかったんです^^」
周防の言葉を再び強引にさえぎり、こいつは言った。
「戦いの場において、イニシアチブとることは重要です^^
 さらに私の持論ですが、場を混乱させてしまえば、
 どんな軍であっても烏合の衆です^^
 実際火柱が上がったことにより、場が混乱し、
 始めに投げた水を、ガソリンと認識したことで、
 本当に殺しに来たと思わせることも出来ました。
 あとは、敵さんがわ~わ~しているうちに勝手に連れて来ちゃいました」
絶句した。
こいつが投げた物が人に当たっていれば、確実に死んでいる。
「それならそれで、なんで最初に全部説明してくれなかったんですか!」
こいつはしばらくみんなと顔を見合わせた後、
こう言った。
「だって、貴一さん。
 演技下手そうなんだもの^^;」
オレは激しい眩暈と頭痛に襲われた。

埠頭の倉庫 kaisen

2006年08月12日 | 我々をさらけ出せ
「まぁ、兎に角黙って見ていて下さい」
携帯ゲーム機から目を離しもせずにこいつはそう言った。
オレには、ヘッドが何を考えているのか分からない。
本当に役に立つのか?
いかにも平和ボケ。争い事とは無縁の普通の人間だ。
強そうにも見えない。いかにもひ弱そうでさえある。
「誰かジッポとサングラス持ってます~?」
誰にともなくこいつは言った。
ドクと呼ばれている男が黙って差し出した。
「さて~。速攻で行きますよ~ヽ(*○w○)ノ
 子ども達に戦いというものを教えてあげましょう~♪」
オレは頭痛がした。

カラーの間ではよくある話。
誰それがボコられて、誰それが報復。
今回もそういう話。
うちの下っ端が情けねー事にどっかの馬鹿に捕まって、
馬鹿共は何をとち狂ったのか、うちのヘッドに出て来いとかぬかしやがった。
連絡が入った事務所に何故か居合わせたのが、この莫迦だった。

埠頭の貸し倉庫。
在り来たりなそれっぽい場所。
「頭が悪い。まるで素人です」
車から降りた莫迦の一人言。
「簡単に帰れそうです^^ では手筈どおりに」
オレを除く三人がうなずいた。
オレ達は迷わず堂々と正面から入っていく。
ガランとした広い空間。
頭の悪そうな餓鬼共十数人以外は何も無い。
よく見れば、真ん中に顔の腫れ上がった見た事の在る奴が椅子に座らされていた。
気絶でもしているのだろうか?
動かない。いや動けないといったほうが良いのか?
「おい?話が違うんじゃね~の!?
 おまえ達のヘッドはどうした~? んん~??」
この中のリーダー格なのだろう、
見るからに頭の悪そうなのが、オレ達に向かって言った。
ッのやろ~~~・・・。ぶっ殺してやる。

サングラスに黒服 saikai

2006年08月06日 | 我々をさらけ出せ
ぷら~~ん 、 ぷらぁ~~~~ん。

「ゼミであった時も思ったけどさ、パワーアップしてね?」
オレと同じように目を丸くさせている、傍らの男に聞いてみた。
「・・・・かも」

ぷら~~ん 、 ぷらら~~~ぁん。

そいつが歩くたびに、揺れる。

ぷら~~ん。

「結構、良いひょころに住んでまふね~(*○w○)」
器用なもので、口に物を咥えたままでも聞き取りやすい。

ぷらぷら~ん。

ちょっと違うかもしれないが、
首根っこを摑まれるとはこういう事なのかも知れない。
「・・・いい加減。放しなよ、それ」

ぷら~~ん。

「えっ? やっひゃ、ダメですかね?」

ぷら~~ん。 ぴたっ。
「にぃやあ~~~~ん」
そいつの口元で、小さくそれは鳴いた。





ぎっしぃ。
前の席が軋む。
教室全体が、無音に近い状態になる。
真逆に腰掛けた黒衣の男が、オレを見る。
サングラスを着けてはいるが、オレは知っている。多分間違えない。
「オウ。坊主。 ちょっといいか?」
低い声で黒衣の男は言った。
「破壊神」
オレはうれしさを隠し切れずに小さくそう呼んだ。

傍から見たら、さぞかし奇異な光景だろう。
ソレ系の人に、脅されている学生にしか見えない。
事実、他のゼミの奴等もチラ見するだけで、無関心を装っている。
ここのゼミの奴等は、みんな馬鹿だ。
破壊神は、極めて真っ当なのに。
可笑しさを噛殺してさらに小さく訊いた。
「そんな格好でどっから入ってきたの? 
 ここのトイレの窓は格子が付いてるのに」
「これさえ取れば、私だってここに来てる学生とそんなに変わらないですよ。
 実際そんな年齢ですしヽ(*○w○)ノ
 堂々と玄関から入ってきましたよ。もちろんこれは着けてなかったですが」
破壊神はサングラスをちょっと下げて小さく答えた。

「あ、あのぅ!? そこ僕の席なんでちょっと良いでしょうか?」
上ずった声が破壊神の後ろから聞こえる。
「んあ? あぁ~・・・ここは兄ちゃんの席かい?」
少しだけサングラスをずり下げて、
多分ものすごい勇気を振り絞ったであろう34番の席の主を見上げる。
もちろん椅子にしっかりと座ったままである。
沈黙、約5秒。
おもむろにサングラスを定位置に戻し、立ち上がり。
「いいかぁ?坊主。遅れんじゃねぇぞ・・・」
と、俺に向かってゆっくり言った。
「わるかったな~。兄ちゃん」
34番の席の主にすれ違い様にそういって、教室から出て行った。

数秒後に戻る、学生らしい喧騒。
34番の席の主は、オレをチラ見しただけで何も言わなかった。
オレは満面の笑みを浮かべて、鞄にノートを突っ込んだ。
こんなことしている場合じゃない。
あの人のいる世界はもっと面白い。


外に出ると皆が、破壊神が、
待っていた。
破壊神はサングラスをかけていないだけで、極めて普通に見える。
とりあえず、社長ん家に行くことになった。

社長ん家のドアを開ける。
誰よりも先に反応したのは破壊神だった。
「にゃんこだ!! にゃんこがいますよ!!!」
誰かがそれに対するセリフを吐く前に、
破壊神を除く全ての人類はその場で動けなくなった。
目が点になる。

ものすごい勢いで、白黒の猫に近づき、
「にゃんこです・・・んぁ」
口を開け、

首筋に、

噛み付いた。

ぷら~~ん 、 ぷらら~~ん。