ぷら~~ん 、 ぷらぁ~~~~ん。
「ゼミであった時も思ったけどさ、パワーアップしてね?」
オレと同じように目を丸くさせている、傍らの男に聞いてみた。
「・・・・かも」
ぷら~~ん 、 ぷらら~~~ぁん。
そいつが歩くたびに、揺れる。
ぷら~~ん。
「結構、良いひょころに住んでまふね~(*○w○)」
器用なもので、口に物を咥えたままでも聞き取りやすい。
ぷらぷら~ん。
ちょっと違うかもしれないが、
首根っこを摑まれるとはこういう事なのかも知れない。
「・・・いい加減。放しなよ、それ」
ぷら~~ん。
「えっ? やっひゃ、ダメですかね?」
ぷら~~ん。 ぴたっ。
「にぃやあ~~~~ん」
そいつの口元で、小さくそれは鳴いた。
ぎっしぃ。
前の席が軋む。
教室全体が、無音に近い状態になる。
真逆に腰掛けた黒衣の男が、オレを見る。
サングラスを着けてはいるが、オレは知っている。多分間違えない。
「オウ。坊主。 ちょっといいか?」
低い声で黒衣の男は言った。
「破壊神」
オレはうれしさを隠し切れずに小さくそう呼んだ。
傍から見たら、さぞかし奇異な光景だろう。
ソレ系の人に、脅されている学生にしか見えない。
事実、他のゼミの奴等もチラ見するだけで、無関心を装っている。
ここのゼミの奴等は、みんな馬鹿だ。
破壊神は、極めて真っ当なのに。
可笑しさを噛殺してさらに小さく訊いた。
「そんな格好でどっから入ってきたの?
ここのトイレの窓は格子が付いてるのに」
「これさえ取れば、私だってここに来てる学生とそんなに変わらないですよ。
実際そんな年齢ですしヽ(*○w○)ノ
堂々と玄関から入ってきましたよ。もちろんこれは着けてなかったですが」
破壊神はサングラスをちょっと下げて小さく答えた。
「あ、あのぅ!? そこ僕の席なんでちょっと良いでしょうか?」
上ずった声が破壊神の後ろから聞こえる。
「んあ? あぁ~・・・ここは兄ちゃんの席かい?」
少しだけサングラスをずり下げて、
多分ものすごい勇気を振り絞ったであろう34番の席の主を見上げる。
もちろん椅子にしっかりと座ったままである。
沈黙、約5秒。
おもむろにサングラスを定位置に戻し、立ち上がり。
「いいかぁ?坊主。遅れんじゃねぇぞ・・・」
と、俺に向かってゆっくり言った。
「わるかったな~。兄ちゃん」
34番の席の主にすれ違い様にそういって、教室から出て行った。
数秒後に戻る、学生らしい喧騒。
34番の席の主は、オレをチラ見しただけで何も言わなかった。
オレは満面の笑みを浮かべて、鞄にノートを突っ込んだ。
こんなことしている場合じゃない。
あの人のいる世界はもっと面白い。
外に出ると皆が、破壊神が、
待っていた。
破壊神はサングラスをかけていないだけで、極めて普通に見える。
とりあえず、社長ん家に行くことになった。
社長ん家のドアを開ける。
誰よりも先に反応したのは破壊神だった。
「にゃんこだ!! にゃんこがいますよ!!!」
誰かがそれに対するセリフを吐く前に、
破壊神を除く全ての人類はその場で動けなくなった。
目が点になる。
ものすごい勢いで、白黒の猫に近づき、
「にゃんこです・・・んぁ」
口を開け、
首筋に、
噛み付いた。
ぷら~~ん 、 ぷらら~~ん。
「ゼミであった時も思ったけどさ、パワーアップしてね?」
オレと同じように目を丸くさせている、傍らの男に聞いてみた。
「・・・・かも」
ぷら~~ん 、 ぷらら~~~ぁん。
そいつが歩くたびに、揺れる。
ぷら~~ん。
「結構、良いひょころに住んでまふね~(*○w○)」
器用なもので、口に物を咥えたままでも聞き取りやすい。
ぷらぷら~ん。
ちょっと違うかもしれないが、
首根っこを摑まれるとはこういう事なのかも知れない。
「・・・いい加減。放しなよ、それ」
ぷら~~ん。
「えっ? やっひゃ、ダメですかね?」
ぷら~~ん。 ぴたっ。
「にぃやあ~~~~ん」
そいつの口元で、小さくそれは鳴いた。
ぎっしぃ。
前の席が軋む。
教室全体が、無音に近い状態になる。
真逆に腰掛けた黒衣の男が、オレを見る。
サングラスを着けてはいるが、オレは知っている。多分間違えない。
「オウ。坊主。 ちょっといいか?」
低い声で黒衣の男は言った。
「破壊神」
オレはうれしさを隠し切れずに小さくそう呼んだ。
傍から見たら、さぞかし奇異な光景だろう。
ソレ系の人に、脅されている学生にしか見えない。
事実、他のゼミの奴等もチラ見するだけで、無関心を装っている。
ここのゼミの奴等は、みんな馬鹿だ。
破壊神は、極めて真っ当なのに。
可笑しさを噛殺してさらに小さく訊いた。
「そんな格好でどっから入ってきたの?
ここのトイレの窓は格子が付いてるのに」
「これさえ取れば、私だってここに来てる学生とそんなに変わらないですよ。
実際そんな年齢ですしヽ(*○w○)ノ
堂々と玄関から入ってきましたよ。もちろんこれは着けてなかったですが」
破壊神はサングラスをちょっと下げて小さく答えた。
「あ、あのぅ!? そこ僕の席なんでちょっと良いでしょうか?」
上ずった声が破壊神の後ろから聞こえる。
「んあ? あぁ~・・・ここは兄ちゃんの席かい?」
少しだけサングラスをずり下げて、
多分ものすごい勇気を振り絞ったであろう34番の席の主を見上げる。
もちろん椅子にしっかりと座ったままである。
沈黙、約5秒。
おもむろにサングラスを定位置に戻し、立ち上がり。
「いいかぁ?坊主。遅れんじゃねぇぞ・・・」
と、俺に向かってゆっくり言った。
「わるかったな~。兄ちゃん」
34番の席の主にすれ違い様にそういって、教室から出て行った。
数秒後に戻る、学生らしい喧騒。
34番の席の主は、オレをチラ見しただけで何も言わなかった。
オレは満面の笑みを浮かべて、鞄にノートを突っ込んだ。
こんなことしている場合じゃない。
あの人のいる世界はもっと面白い。
外に出ると皆が、破壊神が、
待っていた。
破壊神はサングラスをかけていないだけで、極めて普通に見える。
とりあえず、社長ん家に行くことになった。
社長ん家のドアを開ける。
誰よりも先に反応したのは破壊神だった。
「にゃんこだ!! にゃんこがいますよ!!!」
誰かがそれに対するセリフを吐く前に、
破壊神を除く全ての人類はその場で動けなくなった。
目が点になる。
ものすごい勢いで、白黒の猫に近づき、
「にゃんこです・・・んぁ」
口を開け、
首筋に、
噛み付いた。
ぷら~~ん 、 ぷらら~~ん。