ドガッッシャーーー!!!
事務机に男が一人突っ込んでくる。
正確には殴られ、吹き飛ばされたと表現するべきか・・・。
事務机の上の書類やら、訳の分からない雑多なものが床にぶち撒けられる。
空を掴む様に右手の拳が握られる。
その手首に巻き付けられた包帯の白が、散乱した机の上で映える。
何やら呻き声を鳴らす男を見詰めながら、
「止めますか?」
私は斜め前に座っている男・・・。
正確には吹き飛ばされてきた男が突っ伏す事務机の前で、
眉一つ動かさずに座り続けるヘッドに尋ねた。
『生きている事を当たり前だと思うな!!』
ヘッドが返事をする前に事務所内にその声だけが響き渡る。
『さぁ来なよ!!
生きている事を身を持って分からせてあげます!』
その声に反応するように男は呻いて、事務机に投げ出していた上半身を持ち上げる。
その目は私とヘッドを避ける様に、吹き飛ばした相手に向けられた。
「止めますか?」
私は再度、ヘッドにそう尋いた。
「お手並み拝見と行きましょう~」
そう歌うように呟いたヘッドは、実に楽しそうに見えた。
予想していた事とはいえ、この状況下で言われると流石に呆れてしまう。
小さく息を吐き、私は黙って男の背中を見詰める。
『どうしま~した~? 頭にきてるンでしょ~♪ hurry up guys~♪』
歌でも歌うように節をつけて挑発する相手・・・。
両手をだらりと下げた様は、全くの無防備だ。
いつのまに手にしていたのか、男は小振りの果物ナイフを握り締めている。
相手もそれを認識したようで、
『刃物を人に向けた以上は、命・・・とられる覚悟してくださいね^^?』
この張り詰めた場所に不釣合いにもほどがある程の明るく楽しげな声。
「うあぁぁぁーーーッ!」
男は吼えると、逆手に持ったナイフを振り上げ振り下ろした。
相手は顔を庇う様に左腕を掲げ、そこにナイフが突き刺さる。
・・・ように見えた。
カチャン
ナイフが床に落ちた。
そして男は腹部を押さえてうずくまると、嘔吐した。
何が起こったのか理解するのに数秒の時間を費やし、
どうするべきか思考が始まる前に声が耳に届く。
『その線は貴方を救ってくれましたか? ただ痛かっただけでしょうが。
本当に救われたいのなら・・・。
私と一緒にボランティアに来なさい!ヾ( ○w○)ノ 保育園の運動会の!』
私は男の手首の包帯を見ていた。
『あや~。綺麗に入りすぎちゃいましたね~(´○w○)』
なんとも申し訳無さそうな声でそう言うと、ナイフを摘み上げる。
うずくまる男をすり抜けて、ヘッドの前に歩いてくる。
そのままそれをヘッドの前に置くと・・・。
『アナタも来るんですよ!( ○w○)ノ』
「え~~~! 面倒臭いよ~~~」
『何言ってるんですか!
大体止めさせなさいよ! 大の大人がアバレンジャーですよΣ(○ロ○lll)
普通止めるでしょうが! 普通!』
「んだよアバレンジャーって! 大丈夫! ハタチ前は大人じゃない!」
『貴様は5,6回シネーーーーヾ( ○皿○)ノ』
「死ぬか! 男は女の上で腹上死って相場が決まってるんだよ!」
『女性の敵メ~~~! シネーーーーヾ( ○皿○)ノ』
「や~ら~せ~る~か~」
呆れた。
久しぶりに呆れ果てた。
貴一さんが頭が痛いと愚痴っていたのはこの事であろうか・・・?
私も頭痛を錯覚しながら、男に一瞥をくれる。
男はポカンと口を開けてそのやり取りを眺めていた。
事務机に男が一人突っ込んでくる。
正確には殴られ、吹き飛ばされたと表現するべきか・・・。
事務机の上の書類やら、訳の分からない雑多なものが床にぶち撒けられる。
空を掴む様に右手の拳が握られる。
その手首に巻き付けられた包帯の白が、散乱した机の上で映える。
何やら呻き声を鳴らす男を見詰めながら、
「止めますか?」
私は斜め前に座っている男・・・。
正確には吹き飛ばされてきた男が突っ伏す事務机の前で、
眉一つ動かさずに座り続けるヘッドに尋ねた。
『生きている事を当たり前だと思うな!!』
ヘッドが返事をする前に事務所内にその声だけが響き渡る。
『さぁ来なよ!!
生きている事を身を持って分からせてあげます!』
その声に反応するように男は呻いて、事務机に投げ出していた上半身を持ち上げる。
その目は私とヘッドを避ける様に、吹き飛ばした相手に向けられた。
「止めますか?」
私は再度、ヘッドにそう尋いた。
「お手並み拝見と行きましょう~」
そう歌うように呟いたヘッドは、実に楽しそうに見えた。
予想していた事とはいえ、この状況下で言われると流石に呆れてしまう。
小さく息を吐き、私は黙って男の背中を見詰める。
『どうしま~した~? 頭にきてるンでしょ~♪ hurry up guys~♪』
歌でも歌うように節をつけて挑発する相手・・・。
両手をだらりと下げた様は、全くの無防備だ。
いつのまに手にしていたのか、男は小振りの果物ナイフを握り締めている。
相手もそれを認識したようで、
『刃物を人に向けた以上は、命・・・とられる覚悟してくださいね^^?』
この張り詰めた場所に不釣合いにもほどがある程の明るく楽しげな声。
「うあぁぁぁーーーッ!」
男は吼えると、逆手に持ったナイフを振り上げ振り下ろした。
相手は顔を庇う様に左腕を掲げ、そこにナイフが突き刺さる。
・・・ように見えた。
カチャン
ナイフが床に落ちた。
そして男は腹部を押さえてうずくまると、嘔吐した。
何が起こったのか理解するのに数秒の時間を費やし、
どうするべきか思考が始まる前に声が耳に届く。
『その線は貴方を救ってくれましたか? ただ痛かっただけでしょうが。
本当に救われたいのなら・・・。
私と一緒にボランティアに来なさい!ヾ( ○w○)ノ 保育園の運動会の!』
私は男の手首の包帯を見ていた。
『あや~。綺麗に入りすぎちゃいましたね~(´○w○)』
なんとも申し訳無さそうな声でそう言うと、ナイフを摘み上げる。
うずくまる男をすり抜けて、ヘッドの前に歩いてくる。
そのままそれをヘッドの前に置くと・・・。
『アナタも来るんですよ!( ○w○)ノ』
「え~~~! 面倒臭いよ~~~」
『何言ってるんですか!
大体止めさせなさいよ! 大の大人がアバレンジャーですよΣ(○ロ○lll)
普通止めるでしょうが! 普通!』
「んだよアバレンジャーって! 大丈夫! ハタチ前は大人じゃない!」
『貴様は5,6回シネーーーーヾ( ○皿○)ノ』
「死ぬか! 男は女の上で腹上死って相場が決まってるんだよ!」
『女性の敵メ~~~! シネーーーーヾ( ○皿○)ノ』
「や~ら~せ~る~か~」
呆れた。
久しぶりに呆れ果てた。
貴一さんが頭が痛いと愚痴っていたのはこの事であろうか・・・?
私も頭痛を錯覚しながら、男に一瞥をくれる。
男はポカンと口を開けてそのやり取りを眺めていた。