農民戸籍の人が居なくなったら、今度は都市部の経済が成り立たなくなってしまうので、地方出身者にだって一定の「自身の地元より条件の良い」需要はある。
ただ、単純労働で満足出来る所得を得るのは難しくなっているとは思う。
今は「どの街で働くか」より「どんな仕事をするか」がより重要になっている。
地方と都市の給与格差が是正されつつある。
そして地方都市の単純労働以外の雇用が増えてきている。
この辺りの事実が、相対的に農民工の都市部での生活の価値を低くしている。
それと共産党政府も低所得層の農民工を地元に帰らせようとしている。
近年は農民工が好んで住む家賃の安い(上海なのに一部屋300元≒5000円/月なんてのもあった)スラムの様なエリアを徹底的に破壊・撤去している。
また、法制上も、都市部に出稼ぎに行っている子供達がなかなか帰省しない場合、親が子を訴える事が出来るなんてのもある。
中国はヨーロッパより広いわけで、これは都市部国家の移民締め出しの様にも思える。
ただ、都市部の人間は単純労働の仕事には就きたがらないので、農民工が元々の都市部住民の雇用を奪っているという図式は成り立たないと思う。
逆に都市部の人が今までの生活を保つためにも農民工の皆さんは必要だ。
上海で生活していると、飲食店のスタッフなんかでは、なかなか上海人には合わない。
東京のコンビニで日本人が少ないのより更に率が低いと思う。
実態は政府の思惑より進行しているんだと思う。