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松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

練習メモ(集体)

2014-01-07 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
恒例の2月の大会に向けた練習が
年末から始まっています。
朋昌会としては初参加ですが
練習自体はとくに変わったことはありません。
ある意味いちばん変わったのは
意識面かもしれないですね。
誰の為でもなく自分の為、
自分達の為にやろうという気持ち。
いままでとはまたひと味違うような気が
個人的にはしています。



太極拳導引の鍛錬は
健身、養生をめざす手段、方法であるから
本来は各自で行うもの。
自分の一生を愉快に楽しく
できるだけ満足して過ごすためにも
心身の健やかな状態を手に入れて
維持する必要がある。
その実現のための健身養生の術を学び
身につけるために練習している。
したがって表演練習については
通常練習内容とは少し異なり
表演に要求されることが優先されることもある。

通常練習では
各々の内なる協調を求めて
各自で練習を重ねている。
一方の集体は個の集まりであるから
それぞれが部となった上で
一体感のある動きで
一様な世界観のようなものを
表現するものかと。
それは他者の存在を意識せずには
できないことだろう。
そこに自他との関係性がうまれ
自己内外の協調と調和をめざすことになる。


これまでの集体練習では
外形が揃って見えることを目指して
練習し表演してきたのだけれど、
今回はもう少し掘り下げて(複雑にして?)
みようとしている。
結果的に一体感のある表演を目指すことは
変わらないのだけれど、
動作を揃えるまでの過程に目を向けているのだ。
内面の意識を共有させる過程で
これまで練習してきた要求のひとつひとつを
皆で確認しあいながら応用できないかと考えている。

表面的な動きを真似て揃える段階から
内なる意識を共有することで
動きの一体感はどうなるのだろうか。
個人練習では感じ得ない何かを
味わうことはあるのだろうか。
そんなひと手間を加えることに
チャレンジしようとしている。
たとえば、主・従が入れ替わる現象ひとつにしても
意識の切り替えや自他との関わりのなかで
主と従の関係性の理解が深まるのかとか。
ちょっと欲張ってみたりしている。

動作構成を決め流れを確認する。
動作の流れと体の向きを決める足の運び。
それぞれ微妙に違ったりするのもおもしろい。
本人さえ気づかないクセが見つかったり
無意識だったことが
改めて意識し直されて行く。
太極拳導引的な考え方に立てば
評価はせずに味わうことに尽きるのだが。
強いて正しさの基準があるとすれば
おそらくは松、静、自然の状態に近いかどうか
ということかと。
そのためには時々刻々と変化する心身の状態を
感じたり気づくことが大切なのではないかな。

部となる個人それぞれが
その状態を満たせるような動き方が
今回チャレンジしている集体表演なのかもしれない。
それを探る検証が始まったところかな。
もしかしたら収拾がつかなくなることも
あるかもしれない。
でもまあ、そのときはそのときで。
集体経験者ばかりだから
そのあたりはいかようにもなるし。
練習再開が楽しみ。