初恋の味にもコクが出る？

憧れの恋の相手は陳式太極拳。

恋に恋してるような未熟な私だった頃の映像は
もう何と言うか、いじらしい。
一生懸命さは伝わってくるけど
滑稽な程にはじけてました。
恋してることがうれしくてうれしくて
恋の対象のことまでは
よく見えてなかったんでしょうね。
あははって感じです。

恋の熱気もやがては平熱へと戻ります。
現実が見え始め、
新たな恋の悩みを抱え出した頃の映像は
恋なんてちっとも楽しくなんかないじゃない。
私には恋は向いてないのかも。はあ……
深いため息まじりのつぶやきが聞こえてきそう。
内へ内へと閉じて行く気持ちを
無理やり外へと引っ張り出そうとしてるような
不自然さが硬さとなって現れてました。

少しずつ陳式と距離を置き始めたのは
自然の流れだったのでしょう。
ちょうど教室の短期套路講習などで
楊式や孫式、器械などを改めて練習したり
あるいは推手練習があったりと
気分転換にもなったのかもしれません。
楊式や孫式を練習してても
ああ、これは陳式の○○と似た体感があるなあとか
そんなことを思うこともあったりして。
三つ子の魂なんとやら。


あるとき楊式の練習中に
自分のなかで深く得心できることがあり
それを境にしていろいろなものが
いままでと変わって見えるようになりました。

それは初恋の対象についても同じでした。
なんか久しぶりにつきあってみたいなと思いました。
すこしは大人になったでしょ？って
きいてみたい気もするのですが、
たぶん聞こえないふりでもされそうで…。
でも、それはそれでちょっと嬉しかったりもする。
初恋でも時を経れば
それなりの味わいが出てくるものなんですかねぇ