詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

よつかど短歌会作品集

2019-04-25 09:07:00 | 短歌情報



山中もとひ(短歌人)の短歌グループ「よつかど短歌会」の作品集が届いた。
8名の作品が収載されている。発足して丸三年を迎えるそうだ。

山中もとひとの縁は何年前だったか、とうに
忘れてしまったが、福岡は博多在住の山中と
私を出合わせたのはまさに短歌そのもの。
彼女の第一歌集『<理想語辞典>』(現代短歌社)の跋に詳しい。

作品を一首ずつ紹介したい。

花蓮の直ぐと立つとき葉は風にそよぐばかりの梅雨入(ついり)となりぬ (瓜生恭子)
ひさびさに走る車窓の右ひだり今浦島になりて眺むる (髙木照代)
山の端も谷もありけり生垣の峰に降りくる雲はあらずや (髙松裕己子)
ただ一度夫婦で行きし写真館顔を寄せあう気恥ずかしさよ(西村和子)
夜の海のモンガラカワハギ唇をつき出しうたふ 辺野古の沖に (星野満寿子)
刈茅とふ秋の名を持つ女くるタンクトップの白き腕(ただむき)(諸岡史子)
湧くごとき木香薔薇の金いろの花むら時を今し留めよ (山中もとひ)

どれもいいうた。わたしごのみ。



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