今日は国際出願法第2条を見てみましょう。
【条文】
第2条(国際出願)
日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあつては、営業所)を有する外国人(以下「日本国民等」という。)は、特許庁長官に条約第2条(ⅶ)の国際出願(以下「国際出願」という。)をすることができる。日本国民等と日本国民等以外の者が共同して国際出願をするときも、同様とする。
まあ、この条文は、管轄受理官庁としてわが国特許庁に国際出願をする場合の主体的要件を規定しています。PCT9条(出願人)、PCT10条(受理官庁)、規則18(出願人)、規則19(管轄受理官庁)の各規定に基づくものですね。このあたりは単発の知識で十分なので簡単です。
本規定は、具体的には、特許庁長官に国際出願をすることができるのは、日本国民又は国内居住外国人であると規定しており、「日本国民」なので、外国に居住する日本国民であっても、法2条の適用を受けることができます。
ちなみに、今年の短答の問題はここから出ましたね。
【問題】 日本国内に住所又は居所(法人にあっては、営業所)を有しない外国人と日本国民が共同して国際出願をする場合、日本国民が代表者であるか又は筆頭出願人でなければ、特許庁長官に対し国際出願することは認められない。
→解答としては、代表者であるか又は筆頭出願人でなければ・・・認められない、ということはないので誤りということになります。H28〔条約06〕(イ)の問題でした。「代表者であるか又は筆頭出願人でなければ」のような限定はどこにもないので、何のためにこのような限定をつけているのか不思議に思う人がいるかもしれませんが、これを解くカギは、以下の青本の記載ということになるでしょう。
青本国願法2条『なお、本法律制定時、2人以上の出願人がある場合について、日本国民等が出願人の代表者であるか、又は筆頭出願人でなければ、特許庁長官に対し国際出願することは認められず、その条件はPCT規則19.2に規定されていたことから、本条後段において、日本国民等と日本国民等以外の者が共同して国際出願ができる場合として、「日本国民等を代表者とするときその他経済産業省令で定める要件に該当する」場合を規定していたが、PCT規則19.2が前述のような規定に改正されたことに伴い、平成15年の一部改正において、これを整理したものである。』
さかのぼること16年前には以下の問題が出題されています。
【問題】 国際出願を日本国においてすることができるのは日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあっては営業所)を有する外国人(以下「日本国民等」という。)であるが、日本国民等以外の者であってこの条約の締約国に住所又は居所を有する者は、日本国民等を代表者としない場合であっても、日本国民等と共同して国際出願を日本国においてすることができる。
→日本国民等を代表者としない場合であっても、という限定がある点が今年の問題とそっくりですね。出題当時は、「代表者としない場合であっても、筆頭出願人とすればできる」という方向性で考える問題だったものが、今では、今年の問題と変わるところはないですね。
改正前の条文の条件を入れておいて、改正後の条文で解かせるという問題は、よく見られる手法ですね。
【条文】
第2条(国際出願)
日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあつては、営業所)を有する外国人(以下「日本国民等」という。)は、特許庁長官に条約第2条(ⅶ)の国際出願(以下「国際出願」という。)をすることができる。日本国民等と日本国民等以外の者が共同して国際出願をするときも、同様とする。
まあ、この条文は、管轄受理官庁としてわが国特許庁に国際出願をする場合の主体的要件を規定しています。PCT9条(出願人)、PCT10条(受理官庁)、規則18(出願人)、規則19(管轄受理官庁)の各規定に基づくものですね。このあたりは単発の知識で十分なので簡単です。
本規定は、具体的には、特許庁長官に国際出願をすることができるのは、日本国民又は国内居住外国人であると規定しており、「日本国民」なので、外国に居住する日本国民であっても、法2条の適用を受けることができます。
ちなみに、今年の短答の問題はここから出ましたね。
【問題】 日本国内に住所又は居所(法人にあっては、営業所)を有しない外国人と日本国民が共同して国際出願をする場合、日本国民が代表者であるか又は筆頭出願人でなければ、特許庁長官に対し国際出願することは認められない。
→解答としては、代表者であるか又は筆頭出願人でなければ・・・認められない、ということはないので誤りということになります。H28〔条約06〕(イ)の問題でした。「代表者であるか又は筆頭出願人でなければ」のような限定はどこにもないので、何のためにこのような限定をつけているのか不思議に思う人がいるかもしれませんが、これを解くカギは、以下の青本の記載ということになるでしょう。
青本国願法2条『なお、本法律制定時、2人以上の出願人がある場合について、日本国民等が出願人の代表者であるか、又は筆頭出願人でなければ、特許庁長官に対し国際出願することは認められず、その条件はPCT規則19.2に規定されていたことから、本条後段において、日本国民等と日本国民等以外の者が共同して国際出願ができる場合として、「日本国民等を代表者とするときその他経済産業省令で定める要件に該当する」場合を規定していたが、PCT規則19.2が前述のような規定に改正されたことに伴い、平成15年の一部改正において、これを整理したものである。』
さかのぼること16年前には以下の問題が出題されています。
【問題】 国際出願を日本国においてすることができるのは日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあっては営業所)を有する外国人(以下「日本国民等」という。)であるが、日本国民等以外の者であってこの条約の締約国に住所又は居所を有する者は、日本国民等を代表者としない場合であっても、日本国民等と共同して国際出願を日本国においてすることができる。
→日本国民等を代表者としない場合であっても、という限定がある点が今年の問題とそっくりですね。出題当時は、「代表者としない場合であっても、筆頭出願人とすればできる」という方向性で考える問題だったものが、今では、今年の問題と変わるところはないですね。
改正前の条文の条件を入れておいて、改正後の条文で解かせるという問題は、よく見られる手法ですね。
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