陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

ホームラン王ベーブ・ルースの名言

2023-09-19 | フィギュアスケート・スポーツ

2023年も甲子園は大熱闘。
春の甲子園ではなんと進学校なので野球に恵まれなかったはずの、あの我が母校が部員数少数の初出場でメディアを湧かせました。夏では私の身内の母校が出場、初戦では優勝候補相手にエースが好投をみせ活躍しました。おしくも二回戦敗退とのこと。

野球といえば、メジャーでの両刀つかいこと大谷選手の活躍目覚ましい現在。
2012年の夏ごろは、米国大リーグ、シアトルマリナーズのイチロー選手が、ニューヨークヤンキースへ電撃移籍しました。そのときに書いた日記がみつかったので、加筆修正して掲載します。


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ヤンキースといえば、誰もが思い出すのは、伝説の野球の神様ことベーブ・ルースですね。ルース少年は母を亡くし、家が貧しかったので、子ども時代は手のつけられない悪童でした。不良とはいえ、大津市中学生の事件のように、一人を複数がよってたかっていじめたり、殴る蹴るの暴行をくわえるような卑怯者ではなかったのかもしれませんが。彼を野球人生へと導くための素地をつくったのは、矯正学校の教官であったある神父であったそうです。仕立て屋になるための職業訓練を受けていたルースは、野球のスカウトがなければ、腕のいいテーラーになっていたかもしれません。

アメリカどころか全世界の球界史に偉大な足跡をのこしたベーブルースの名言はよく知られているところ。「あきらめない奴には誰にも勝てない」「簡単ではないこともあるが、君にはできる。世界は君のものなのだから」。すばらしい戦績をのこしたスポーツ選手はしばしばこのような名言を生み出していますが、それが実感をもたせるのは、彼らがなした仕事が誰にもたどりつけないところにあるものだからです。衰える肉体をコントロールしながらも、スコアを更新するのは並大抵のことではありません。

とはいえ、ベーブがまったく聖人君子かとされるとそうではなく、しばしばスキャンダルもあったようですが、彼がいまでも人気をかこつ理由は、大の子ども好きだったということにありますね。

すぐれたスポーツ選手や芸能界のアイドル、各界のリーダーがいることは、子どもたちに夢をあたえるものではないでしょうか。たとえ身近な大人たちが人生のお手本にはならなくても、努力をしたヒーローこそが活躍できる時代だからこそ、子どもは憧れの大人に近づこうとする。しかし、現在は大人が子どもに早くから天才児であろうとすることを強いるばかりに、子どもが子どもらしく過ごせる期間が短くなり、未熟な倫理観のままうっかり権力をいだいてしまった大人が世の中をおかしくしているような気がしてなりません。就職活動でも、中高年世代が新卒入社時には求められていないようなことまで、現在の学生に押しつけているのと同じで。

多数派である世代が動かないことを知っているから、若年世代に「あきらめた方が楽」「どうせなにをやっても変わらない」という頽廃ムードが生まれてしまっているのですね。そして、そうした鬱屈したストレスが、自分よりも弱い者をスケープゴートにしているのです。自分を表現すべき手段を持っている人、自信のある人は他人の弱点をつこうとは思わないものですよね。夢や希望をもって生きる大人が多い世界でないと、子どもたちは幸せに暮らせないのです。


(2023/08/19)







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