陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

災害時、SNSでSOSできるか

2017-09-22 | PC・通信・情報・メディア・SNS
シルバーウイークの日本列島を襲った台風18号は、さしたる大被害もなくて(一部、死傷者は出たようですが)、安堵しましたね。ここのところ、豪雨や洪水、はては雹(ひょう)などの自然災害が相次いでいますから、心配になります。地震や噴火が日常と隣り合わせの日本、イザというときの備えについて考えさせられます。

8月25日付の読売新聞朝刊に、「災害時 SNS活用するには」という記事がありました。
災害時の情報伝達としてのSNS普及を促したのは、2011年発生の東日本大震災から。いまや、政府公認で各地方自治体に積極的にSNS活用を推進。

ただし、誰でも情報発信できるSNSには課題があります。
発信したからといって、かならずしも、防災担当者に届いているとは限らない。避難指示や対策会議、電話応対でお役所やレスキュー現場はてんてこまい。ツイッターを眺める余裕もない。まともにお仕事をしている人は、のんびりスマホばかり眺めていたり、一日に何回も呟く余裕はないでしょうから。

この記事には、ツイッターで救助を求める際の注意事項があります。
まず第一に、110番もしくは119番での救助要請をしてほしいこと。電話優先ですね。どうしても、つながらなければツイッターを。
ツイッター投稿時には、検索しやすいように「#救助」をつけること。場所や人数は具体的に書く。できれば写真を添える。
また傍観者は、投稿を拡散するのはよいけれど、頑張ってなどの応援投稿をしないこと。救助のサインが埋もれる可能性があります。また、投稿者は救助されたら自分の投稿は消すこと。ということは、リツイートした人もきちんとアフタフォローで消さないと駄目ですよね。

ツイッターも含めて、ネット上ではデマや誤報のフェイクニュースが多いもの。
個人的には、ツイッターを活用するよりも、災害時伝言掲示板のように、市町村か政府省庁の専用掲示板などに、個人のID付きで書き込めるほうが信憑性は増すのではないかなと思うのですが。

そういえば、最近、ネット上でのコンサートのチケット転売をめぐって、警察が誤認逮捕したケースがありましたね。冤罪で不当に拘留させられた方はお気の毒で警察の失態ではあるのですが、真犯人にはなんと女子中学生がなりすまし犯だったというのが驚き。ツイッター上でチケットの個人売買を嗅ぎ付け、売り手(冤罪の被害者)になりすましてヤフーのオークションを利用して、代金とチケットをだまし取ったという巧妙な手口。お金が欲しかったから、が動機だそうで。ネット上で安易に金もうけを謳ったサイトやバナーを見れば、子どもが働く努力しないで、楽に稼ぎたいと勘違いするのも無理はありません。十代の男の子がウイルスを販売していたという事件もありましたし、SNSをふくめたネット犯罪について、公機関の対応が遅れるのが気になります。いっそ、ネットの利用権は、無線や自動車のように免許制にして個人登録したほうがいいのではないか、とまで思ってしまいますが。

ちなみに、私は普段はスマホよりも携帯電話(ネットに接続していない)を持ち歩く方が多いですから、万が一のことがあっても慌ててツイッター投稿したりすることはないでしょう、たぶん。地図検索はしたことあるけれど、写真を撮ってスマホからネット公開したこともないですし。自分だけが目撃する事件(たとえば、ひき逃げとか)の証拠としての写真や動画は、個人情報を侵さない範囲で残すのは悪くないとは思いますが、まずはともあれ、救助活動が先ですよね。いざというとき、どうからだが動くかは事が起こってからの検索では遅いかもしれませんので、日頃から心得として胸にとどめておいたほうがいいのかも。人間の経験値や勘は、ネットで拾い出せるようでいて、そうでないような気がするのです。


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