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新聞の定期購読をやめてすでに二年になります。
コロナ禍での収入減もあり、また、読む時間も惜しいので、やめてよかったとは思いつつ。毎週土曜には日経新聞をコンビニで購入。それも特集がイマイチのときもありますので、見合わせるときもあります。
新聞の定期購読で浮いた経費を充てようと当初もくろんだのが、メジャーなビジネス雑誌の定期購読でした。だが、しかし。これも週一や隔週とは言いながら情報量が多くて、とても読みこなせません。過去に書店でつまみ買いした保管バックナンバーも古くなったので処分したところ。
そのかわりに、私がこの4月から定期購読しているのが農業新聞です。
私自身は農家ではありませんが、空き家の近隣には農家が多く、お付き合い先ももちろん代々の農業者。兼業の方もいれば、助成金を活用したり、最先端のITを駆使した特許技術を用いて、法人経営レベルの収益をあげている農家もいます。もちろん、えげつない方もいますが(苦笑)
そうした方々とお付き合いするにあたり、また私自身も空き地を管理していることもあり、農地に詳しくあらねばならないと、購読するようになりました。
きっかけは、この農業新聞の発行を手掛ける団体の職員さんに以前お世話になったことです。
この農業新聞、週一で届く8頁だけの薄いもの。
月額600円で半年ごとのまとめ払いです。しかし、書かれてある情報はなかなか読み応えがあり、ほんとうに購読してよかったと思っています。
たとえば、最近、問題になっております耕作放棄地問題。
所有者不明土地の増加が問題視されたことから、相続登記を義務付ける法改正がなされました(2021年3月の不動産登記法改正など)。田舎に親を残して都会や海外に居住する子も、相続にあたっては地方の家土地の管理に責任を持たねばなりません。また、とくに農地は農地法上の転用許可が厳しく、かってに売買したり、貸借できないので、ご実家もしくは配偶者のお里、親族に農業者がいるという方は要注意です。山林もふくめ、固定資産の適切な管理と各種届出の精通が必須となるでしょう。知らなかったではすまされないのです。
農地も農業委員会の農地と適正な利活用をめざした法改正がすすみ、衛星通信経由の地積情報のデータ活用などの推進がすすんでいます。
耕作放棄地や倒壊しかけた空き家の管理放棄は、行政からの処分が厳しくなっています。生前贈与でお金だけもらって、便利な場所に逃げたら責任を負わなくていいではすまされないのですよ。田舎から人は減っていますが、コロナ禍以後に地方移住して就農したいという希望者もわずかに増えつつあり、希望が見えています。女性の担い手も紹介されていますね。
農業新聞でよいところは、新規商品開発をする農業者の取り組み、新規就農者への支援策の拡充、担い手確保などの施策、農業経営上の労務管理などの課題などなど、私が欲しいと思っていた情報がもれなく手に入るところ。最近ではロシア侵攻による食料品や農産物高騰の価格状況も伝えられています。
行政書士有資格者として気になったのは、法定相続情報証明制度のことです。
各金融機関に出す戸籍謄本の束がA4用紙一枚だけですむという手続き。農家のみならず、事業継承者や一般人でも知っておくとよいことではありますね。戸籍の取得は原則本人で、代理人ならば委任状が必要だったりもしますから。
農業者ではなくとも、農薬の扱い方や緑肥、資材の情報、果樹の育て方や作付けコラムもありますので、家庭菜園程度に農作業や庭仕事を嗜む方にもおススメです。週末だけ田舎で過ごしたい、あるいは将来的なUターン志望者も読んで損はないでしょう。地方の生活基盤を維持するためにどれだけの苦労と課題があるのか、そこに住んでいない方でも、ぜひとも知っていただきたいものです。ネット上の世界だけではわからないことが、この世界には山積みなのです。
自然相手のビジネスは苦労がつきまといます。
私たちの食材をつくり、国土を保全してくださる農林水産業従事者の方については感謝を忘れないようにしたいものですよね。ご飯を無駄に棄てたりせず、作った方の苦労を噛みしめながら味わうことを肝に銘じています。
個人的には、この新聞、義務教育や図書館などに置いておいて、教材に使用してもらったり、一般人にもひろく閲覧してほしいところですね。
(2022/06/12)