陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

温泉巫女

2007-08-11 | 感想・二次創作──神無月の巫女・京四郎と永遠の空・姫神の巫女
読者の皆様、ごきげんよう。
本日はお待ちかね(誰も待ってなど、いない)先日購入したアレのレヴューです。ちなみに、ここで云うところの先日がじつは一箇月も半年も前だったりするのは仕様です。うちのブログの一日は、現実界の144日に相当しますから(嘘八百)

さて、アレといいましても樹脂人形であったり小冊子のふたりではございません。
温泉まではあっているけれど、DVD特典話でもない。
…とすれば?

もったいぶりやがってと、読者様に飽きられそうなので、もうバラしたちゃいましょう。

『円盤皇女ワるきゅーレ』第七巻 (ガンガンコミックス・2005年10月)

そう、例の 姫子もどき千歌音ちゃんまがい (その言い草やめれ)がお目見えの巻ですね。この巻が、『神無月の巫女』第一巻初版の一年後、まさしく神無月に刊行されたということに、因縁めいたものを感じます。狙ってやったのかな?

管理人は以前、この漫画についてはさわり程度にしか触れていませんでした。当時絶大な人気のあった某錬金術師アニメの原作と、この姫千歌登場回めあてで、『少年ガンガン』誌を二箇月分立ち読みしただけでしたので。つづきが読みたくて、ずっとコミックスを入手したかったのですが、近所の本屋になぜかこの巻だけおいてないことが多く。今回偶然にも、古書店でめぐりあえてよかったです。

まず、『ワるきゅーレ』第七巻の構成について簡単に。
第37話から42話までの6話分が収録されています。最初の2話は読み切りですが、私のお気に入りは38話の「真田さんメモリアル」。ヴァルハラ星の皇女ワるきゅーレ付きの猫耳侍女長、真田さん(推定年齢22歳らしい、誕生日も猫の日?)と、ワるきゅーレとの出会いが描かれたお話。話の出来としてはありきたりといえばそうなのだけれど、私はこの巻でむしろ一押しに好きなエピソードです。真田さんが介錯作品では、千歌音ちゃんの次に人気のキャラなのも頷けますね。ひと一倍忠誠心に厚く、なにをおいてもお姫様大事な真田さんの、思い込みの激しさでまきおこる騒動は笑いのツボなのです。そのドタバタコメディとは一線を画すものの、『神無月』の愛すべき侍女、如月乙羽の原点はここにあるといっていいでしょう。

そして乙羽さんならこう言いそうです。
「ネコなのに飼い主に忠実とはこれいかに?一炊の聖恩を片時も忘れず、千日万事主人のために身を捧げるその奉仕精神、見上げたものです。まさにメイド・オブ・メイド。メイドの鑑なのでございますッ!そして、やはり猫!猫です!猫は可愛いものでございますね。足音と埃をたてない、しなやかな身のこなし。愛くるしさのなかにも気品があって、つねに身ぎれいにしているところなどが。それにくらべ、尻尾ふりふり潤み眼の犬っころなど、真実ダメなのでございます。どこぞの夢の空をぐるぐる廻るお小言の多いハムスターも絶対願い下げです。ええ、それはもう。メイド服にはやはり猫耳、そしてメイドキャップの右側に愛らしくチリリと小粋な音を奏でる小鈴なぞ飾れば、もう完璧なのでございますよ。やはりメイドたる者、基本は猫です!猫なのでございますッ!しかし真田様。正直言いまして、いくら人手が足りぬからといって、そこたしの年頃の小娘どもを手当たり次第猫耳光線銃でメイド化させてしまうのはどうかと思いますが(苦笑)」
(↑いったい、どこのえせ乙羽さんですか)

さて、残り四話が姫千歌もどきが登場する「八人の巫女」編。
四話とはいえ数カ月連載なので、作者曰く「長編」なのでしょうが、数年連載つづけても数日しか時間がすすんでいない猛者のシリーズ長編なんかいくらでもあるので(『マ〇みて』とか、『マ〇みて』とか、『マ〇みて』とか(苦笑))驚くには値しません。

ところで、羽衣町って全国各地に実在するんですね。
かくいう管理人も行ったことがあります。姫子と千歌音ちゃんが笑顔で迎えてくれる温泉旅館だったら、もう私毎日でも通いますよっ!!


【真田さん語りでタイムアウトなので、次回につづく(え゛っ)】

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2 Comments

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ごめんなさい、私、介錯同人誌のことはよくわからないけれど(以下略) (万葉樹)
2007-08-12 17:28:00
ごきげんよう、SS様。

>彼等の妄想力、読者へのエアリード機能は半端ではない…

エアリード。そう呼ぶにふさわしいかもしれない。作家の生々しい息づかいまで聞こえてきそうな声を載せ、大衆の意見をくみあげる。彼らのオープンマインドな姿勢には好感がもてます。しかしあの学園喋り場、ブラウザが対応していないので最近は覗いてません。

>キャラを作ってそれを多くの作品で別世界で活躍するシステム

スターシステムですね。そもそも自作の架空人物を複数世界に散見させる手法は、昔の小説でもあったので、これ自体を採用していることが珍しいわけではないけれど。ただ私は(出版社の事情などあるのでしょうが)短命に終わらせるよりは、一度じっくりと長丁場でキャラが育っていく物語が読んでみたいなと思います。
アニメ『京四郎』はいくぶんスターシステムの悪癖が露呈してしまった気がしますね。
同じ顔なのに性格が極端に塗りかえられたひとを観るのが、悲しかったり。いい子ちゃんの鉄腕アトムが、『ブラック・ジャック』で、きかん気の旺盛な少年患者で顔出ししたとしても、いっこう、この浅はかな胸は痛みませんが、『京四郎』の黒髪の美少女には虚しさが残る。別のモノとして楽しんでおけばよいのでしょうけれど。あのふたりが、あの日のままのふたりではもはやありえないことに、刻の流れを感じてしまいます。

>京四郎ではメインキャラを食った脇役を作り出してしまったり…!

たとえるならば、新人を主役級に据えつつ、話題づくりに往年の看板女優をひっぱってきたキャスティングが裏目にでてしまった(笑)と。物語世界を二度三度とさすらってキャラの深みを重ねてきたかおひみ、ソウジロウ、もしくはカズヤやミカ(モチーフを『神無月』に求めれば)、それらの背負ってきた背景と豊かな個性とに、初舞台をふむ三人は太刀打ちできなかったのでしょう。スターシステムを多重に用いてなかったら、『京四郎』はどうなっていたのでしょう?白鳥空はアクのつよいキャラでフレッシュな求心力はあったので、もしや違った感動を与えられたかもしれないですね。この三人、また先例に倣って、後年生まれ変わってリヴェンジを果たすのか。『神無月』はしちめんどくさい裏設定なんかがなくシンプルに楽しめたので、やはり好きです。

>まー自分の作品のエロ同人書き上げる猛者は、そう地上にいないでしょう…

名の知られた文筆家が、世間の反目をおそれて偽名もしくは匿名で、猥褻小説を極秘出版する事例ならば知っているのですが…漫画家は、そんな稀なことなんですかね?同人誌をあまり買ったことがないし、『神無月』『京四郎』以外の作品については肩入れしていないので、よくわからないです。ただ、公的な出版ルートにのっている版権キャラを、そのまま別の出版社にもっていくには問題があるだろうから、やはり個人の同人誌しか発表の場がないのでしょうかね。介錯キャラが次々に、その名とすこしだけのかたちを変えて、寄る辺なき世界をさすらってゆくのは、単に遊び心なのか、現実の制約からのがれての延命措置なのか。あくまで素人の憶測をでないものですが。
しかし、介錯先生の場合、同人どころか一般商業誌で堂々と『神無月の巫女』の禁忌シーンを発表したあたりがなんとも(微苦笑)
で、あれでまだ描き足りないと、そういうことですか、先生。
自作といいますか、商業作家なのに他者の版権作品のパロを盛大にやってらっしゃるところなんかも。エロスが正攻法で描きたいなら、いっそのことファンタジー路線を一歩社会派ドラマに押し進めて青年誌に移行したらどうかと思うのですが。やはり特定の出版社の持ち味にそめられて振り回されたくないのだろうな、とレーコ先生のエピソード聴くたびに思いますね。

>真田さんは偉大です

偉大といいますか、被害甚大といいますか、妄想誇大といいますか。あの女主人にしてこの飼い猫あり。千歌音ちゃんとおなじくらい危険人物ですね(笑)
では、コメントありがとうございました。
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…こ…これは…! (SS)
2007-08-12 01:31:37
…介錯なら間違いなく確信犯です
彼等の妄想力、読者へのエアリード機能は半端ではない…
やりたいことを全てブチ込んだ神無月記念
この時期が偶然であろうか?いや 無い(断言

手塚治様が作り上げたあの、なんだっけ キャラを作ってそれを多くの作品で別世界で活躍させるシステム!
コレのお陰でネタ的なものはおろか京四郎ではメインキャラを食った脇役を作り出してしまったり…!

まー自分の作品のエロ同人書き上げる猛者は、そう地上にいないでしょう…
全く…敵わない…!!

ふう…思わず介錯について語ってしまった…
今日はこの辺で では~





あ、最後に

真田さんは偉大です
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