漫画『魔法戦記リリカルなのはForce』第二巻のレヴュー(原作:都筑真紀、作画:緋賀ゆかり、メカデザイン協力:黒銀)をお届けします。
発売されたのは2010年夏のはずですが、当時、行き着けの書店を回っても見当たりませんで、入手したのは雑誌『魔法少女リリカルなのはtype』とほぼ同時期の12月はじめ。仕事帰りにあわてて買いました(スーツ姿でこれをレジに運ぶのはやはり恥ずかし…)。
内容はずいぶんと急展開を迎えております。
原因不明の高熱にうなされて倒れてしまうトーマ。そこへ、EC因子適合者の確保をねらうフッケバインの一味女性剣士サイファーが。折しも、フッケバイン捜索任務にあたっていたシグナムとアギトのコンビもそこに居合わせてしまいます。
このシグナムVSサイファーの剣戟が、まず今回の大きな見どころでしょう。その結果はあえて明記しませんが、StrikerS最終話でほのめかされていたこのユニットシーンが拝めるのは旧来ファンには嬉しい収穫。
フッケバインの本拠地へ連行されたトーマたち。
そこで、トーマの肉体に起こった症状の正体、そしてその後の彼の行く末を聞かされます。フッケバインのメンバーも首領のカレンとやらを除いて、面が割れてきました。なかでも、いちばん気になるのが、いっけん優男ふうながら怪力をもつことがほのめかされている参謀役のフォルティス(『ぼくの地球を守って』という漫画に出てくる輪というか、シュウカイドウに似てるかも…)。三期でいうところの、納豆巻きメガネ娘の役どころになりそうな気はします。
いっぽう、はやて率いる特務六課チームも戦艦に乗って、フッケバインの飛行艇を迎撃することに。そこでなのは達が調整中という新装備が明らかになるのですが、なんかもうこれ魔法少女じゃないっしょ!(爆)ってな、ゴツいデザインです。描くのたいへんそう。
しかし、なのはやスバルの奮戦むなしく、巻末では双方に甚大な被害が及ぶことに。
あくまで、トーマを主役に据えた三人の物語なのですが、機動六課メンバーが健在で活躍してくれるところが嬉しいですね。
活躍にすらなっていない悲惨な方も極々一部にはいらっしゃいますが(苦笑)表紙であんなデカデカと扱われていただけに、これはいささかいただけないでしょう。都筑さんのキャラクターに対する愛情の配分をひしひしと感じます、あはは。もう、ファンに媚びないでどんどん突き進んでください。
トーマとスバルの出逢い(これは泣ける。そしてまさにこの関係こそが、アニメ第三期からSSXへの流れを匂わせていて旧シリーズファンには嬉しい)、そして悪気はないのに天然トラブルメーカー(ごめん)というべきリリィの正体、はてはエクリプスウイルスとはなんぞや、などなど小出しにではありますが、ちらほらと謎が明かされていきます。
今回、いい役回りをしているのが、お調子者のアイシス。
意外に友だち思いな彼女、驚きの変身シーンがあります。この子、何者なんでしょうねえ。ただのお節介焼きではすまなさそう。
謎と言えば、トーマが気にしている鉱山事故。
フォルティスはフッケバインの仕業ではないと断言しています。これが嘘ではないのだとしたら、そしてあの違法研究施設も無関係なのだとしたら、「トーマひとりだけが生き残っている」事実をかんがみて恐ろしい可能性が出てくるのですが…、まさか、そこまで主人公を追いこむことはしないでしょう…ね。
附録の魔導事典はキャラクターラフ画とおなじく、各話の幕間に挿入されておりましてとても読みやすいです。カタカナの用語ばっかりでちんぷんかんぷんですが、細かい設定にこだわれなければそこそこ楽しめますね。萌えだけではものたりない、ハードなストーリーが好きな方にはおすすめ。
自分ではどうにもならない事態に巻き込まれてしまった少年。
彼ははたして、この運命とどう向き合っていくのでしょうか。少年漫画でありえそうな王道を歩んでいそうだけれども、現実に考えたら、友だちを助けるために道を踏み外してしまって裏世界に入りかけている若者のお話なんです。管理局職員を公務員なんてさげずませているのも、なんとはなしにブラックユーモアを感じます。
続きが気になる第三巻は、今年3月下旬の発売。
ずいぶん遅いんですね。『ViVid』とともに、おまけつきで割高の限定版(設定資料集と、描き下ろしカバーと、人形がついてくるらしい)はすこし早めにリリースされるようです。さっすが、角川商法。人形はいらんので、設定資料集だけ別売りしてくれたほうがありがたいのですが。
【魔法戦記リリカルなのはForceレヴュー一覧】
発売されたのは2010年夏のはずですが、当時、行き着けの書店を回っても見当たりませんで、入手したのは雑誌『魔法少女リリカルなのはtype』とほぼ同時期の12月はじめ。仕事帰りにあわてて買いました(スーツ姿でこれをレジに運ぶのはやはり恥ずかし…)。
魔法戦記リリカルなのはForce (2) (角川コミックス・エース 247-4) | |
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内容はずいぶんと急展開を迎えております。
原因不明の高熱にうなされて倒れてしまうトーマ。そこへ、EC因子適合者の確保をねらうフッケバインの一味女性剣士サイファーが。折しも、フッケバイン捜索任務にあたっていたシグナムとアギトのコンビもそこに居合わせてしまいます。
このシグナムVSサイファーの剣戟が、まず今回の大きな見どころでしょう。その結果はあえて明記しませんが、StrikerS最終話でほのめかされていたこのユニットシーンが拝めるのは旧来ファンには嬉しい収穫。
フッケバインの本拠地へ連行されたトーマたち。
そこで、トーマの肉体に起こった症状の正体、そしてその後の彼の行く末を聞かされます。フッケバインのメンバーも首領のカレンとやらを除いて、面が割れてきました。なかでも、いちばん気になるのが、いっけん優男ふうながら怪力をもつことがほのめかされている参謀役のフォルティス(『ぼくの地球を守って』という漫画に出てくる輪というか、シュウカイドウに似てるかも…)。三期でいうところの、納豆巻きメガネ娘の役どころになりそうな気はします。
いっぽう、はやて率いる特務六課チームも戦艦に乗って、フッケバインの飛行艇を迎撃することに。そこでなのは達が調整中という新装備が明らかになるのですが、なんかもうこれ魔法少女じゃないっしょ!(爆)ってな、ゴツいデザインです。描くのたいへんそう。
しかし、なのはやスバルの奮戦むなしく、巻末では双方に甚大な被害が及ぶことに。
あくまで、トーマを主役に据えた三人の物語なのですが、機動六課メンバーが健在で活躍してくれるところが嬉しいですね。
活躍にすらなっていない悲惨な方も極々一部にはいらっしゃいますが(苦笑)表紙であんなデカデカと扱われていただけに、これはいささかいただけないでしょう。都筑さんのキャラクターに対する愛情の配分をひしひしと感じます、あはは。もう、ファンに媚びないでどんどん突き進んでください。
トーマとスバルの出逢い(これは泣ける。そしてまさにこの関係こそが、アニメ第三期からSSXへの流れを匂わせていて旧シリーズファンには嬉しい)、そして悪気はないのに天然トラブルメーカー(ごめん)というべきリリィの正体、はてはエクリプスウイルスとはなんぞや、などなど小出しにではありますが、ちらほらと謎が明かされていきます。
今回、いい役回りをしているのが、お調子者のアイシス。
意外に友だち思いな彼女、驚きの変身シーンがあります。この子、何者なんでしょうねえ。ただのお節介焼きではすまなさそう。
謎と言えば、トーマが気にしている鉱山事故。
フォルティスはフッケバインの仕業ではないと断言しています。これが嘘ではないのだとしたら、そしてあの違法研究施設も無関係なのだとしたら、「トーマひとりだけが生き残っている」事実をかんがみて恐ろしい可能性が出てくるのですが…、まさか、そこまで主人公を追いこむことはしないでしょう…ね。
附録の魔導事典はキャラクターラフ画とおなじく、各話の幕間に挿入されておりましてとても読みやすいです。カタカナの用語ばっかりでちんぷんかんぷんですが、細かい設定にこだわれなければそこそこ楽しめますね。萌えだけではものたりない、ハードなストーリーが好きな方にはおすすめ。
自分ではどうにもならない事態に巻き込まれてしまった少年。
彼ははたして、この運命とどう向き合っていくのでしょうか。少年漫画でありえそうな王道を歩んでいそうだけれども、現実に考えたら、友だちを助けるために道を踏み外してしまって裏世界に入りかけている若者のお話なんです。管理局職員を公務員なんてさげずませているのも、なんとはなしにブラックユーモアを感じます。
続きが気になる第三巻は、今年3月下旬の発売。
ずいぶん遅いんですね。『ViVid』とともに、おまけつきで割高の限定版(設定資料集と、描き下ろしカバーと、人形がついてくるらしい)はすこし早めにリリースされるようです。さっすが、角川商法。人形はいらんので、設定資料集だけ別売りしてくれたほうがありがたいのですが。
【魔法戦記リリカルなのはForceレヴュー一覧】