陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

二次創作者は褒め殺しをすると図に乗ってしまう生きもの

2019-09-29 | 二次創作論・オタクの位相

ツイッターやピクシブなどのSNSでは、日々、多くの二次創作物があふれています。とくにツイッターは検索をかけると、好きな作品の感想やイラスト、もしくは妄想切れ端などが読めるので、便利なツールですよね。

こうしたSNSでの二次創作の利点は、反応が瞬時にわかるところです。
いいねボタンがありますし、ピクシブにはスタンプや、短文ですがコメントを寄せることもできるようです。ちなみに、私はいいね押しはしていますが、SNS上であからさまにコメントを書いたことはありません。感想のつもりだったのに、ただの原作押しの自説の主張にもなってしまいがち。

二次創作物に対するコメント、難しくないですか?
絵師さんに対して「美麗」とか「好きです」とか定型フレーズのように使ってしまうのだけど、例えば、その同じ言葉を、まったく別のタイプの絵柄の人に向けたら、なんだかその言い回しが安っぽくなってしまいます。うっかり、ここの色具合がいいとか、ここの線描が…と細かいことを言いだすと気味悪がられそうだし、なにを評論家ぶりやがってとなります。

小説を書く人が同じく書き手(字書きとかSS書きとか言うらしい)に対して感想を述べるのも、なおさらためらわれますよね。
妙に凝った褒めかたをしたりすると、感想文という体裁で自己表現をしているようにも思えて暑苦しいんです。だから、ツイッターやピクシブのいいねボタンって、簡潔でいいですよね。いいね!の一言だけで終わった方が、相手に負担もかからないですし。自分の存在感を濃厚に相手にアピールしなくても済みますから。単に、見たぞ程度で押していたりもしますけどね。

二次創作者が別の二次創作者さんのところへ日参してコメントを送り続けると、励ましのつもりでも、重荷になることがあります。律儀な人でしたら、コメント返ししなけりゃと思って、その人ほんらいの創作が止まってしまう。第三者の読者からしたら、二次創作者どうしが慣れあっているようにも見えたりします。下手すると、自己喧伝のために、利用していると勘違いされることもあります。二次創作者が同志のもとへコメントする場合は、なるべく自作語りなどは控えたほうがよさそうですね。とくに、同人誌出している方が、オンライン活動だけの人に、〇〇(二次創作物とはまったく無関係な原作の)で同人誌出したことあります、は完全にアウトですね。他人の創作の場を、自己利益のために、踏み台にしているだけですから。

貰ってうれしいご感想、嬉しくないご感想。
読み手の熱意は書き手に伝わらず、書き手の誠意は読み手に誤解されることもあるのかもしれませんね…。でも、こういう感想があると嬉しい、というのがはっきりしている人は、それをアピールするのは自由なんじゃないかなと思います。紋切り型みたいに、同じような感想が続々届いたら、それはそれで飽きませんか?

そういえば、昔、個人サイト様などでは拍手ボタンとかメッセージ欄が特設されていて。押したり投稿すると、違った絵が見られたりする仕掛けでしたよね。あれと同じで、いいねボタンも個々人で多少アレンジ出来たらいいのかもしれませんね。スタンプ絵がそれなのでしょうけれど。


【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。




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