陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

若書きの二次創作物に反吐が出そうになったことがある

2024-03-23 | 二次創作論・オタクの位相



卒業式シーズンです。
皆さんは、何をやめましたか? それとも、やめられないですか?
やめたほうがいいのに、続けてしまったことってありますよね。それがヲタクの性分というものです。

なんとも夢のないことを申し上げますが。
ヲタクが熱意が失えば、老化現象がはじまっています。よく言いかえれば老成、なのでしょうが。ブログ歴が長いと、過去記事をリメイクして再掲載することはあります。二次創作物もそのひとつ。

さて、コロナ禍で暇(…だったわけではないが、やる気がなかった)なので、過去の二次創作を見直してみたりなどして。そして、私は過去の妄想の産物に唖然としたことがあります。

ややこしいレトリックの多用、詩情の裏にある自己陶酔感、長文書きにありがちな謎の達成感、原作物に求められていない私情まじえたキャラ改変。誤字脱字の数々や、てにをはのおかしさ。

…書き出したら、キリがありませんが。

書いているときは、そらもう、楽しかったに違いないでしょう。
でも、醒めてみて、時間をおいてみたら、なんとなくわかってしまう。自作のアラ、あら、粗が。多くの本職の作家さんは、こうした自作への羞恥心を平然と乗り越えて進んでいらっしゃるのでしょうが。なまじ、アマチュアだけに、恥ずかしさもひとしおです。

とりあえず、文体の仰々しさはいいとしましょう。
それはスタイルだから。技能向上中(?)だから。

でも、若いからこそありがちな、恋愛妄想の部分。
これがもう、穴があったら入りたいぐらいの、どうしようもないぐらいの、恥ずかしさです。なんでこんな色ボケなのか、とか、ここでこの言動おかしいだろ、とかひとりツッコミ大会がはじまります。なんで書いている間に気づかないのでしょうか。

学生時代に執筆していた論文でも、あとから読み返すと、至らない部分は多々あったにせよ。
二次創作物というのは、なんとまあ、自己本位なものなんでしょうか。

私は人生のどこで、客観性を捨ててきたのでしょうか。
たぶん、それがあれば、これまでの人生でももっと楽に生きられたのかもしれませんが。

文章だけならいいですが。
私の場合、画像加工などもうっかり調子に乗ってやってしまって。それが、今から振り返ると、画像データの形式のせいもあるのでしょうが、とにかく、ダサださに見えます。なんで、もっと、シンプルに作らなかったのでしょうか。いや、そもそも、加工しちゃだめですが。

載せる場所の問題もありますよね。
どっか別の、二次創作をよく載せているプラットフォームでしたら。飽きたら通わなくなるので、ずっと、昔の残骸が残ったままになります。私は、いつか、二次創作やらヲタク活動やらはやめてしまうことを想定して、ごちゃまぜブログにしていましたが、これがよかったのかもしれません。あくまで運営者としての話で、読者さんからしたら読みづらいのでしょうけれど。

まだ、現在でも活用できているブログだからいいものの。
これがうっかりホームページだったら、全面改装などをしなくてはならず、膨大な時間を奪われそうです。ブログですと、テンプレートデザインがどの頁でも同じなので、迷う必要がないです。私のようなものぐさでも扱いやすい、gooのブログサービスが健全に続いてくれているのでありがたいです。

二次創作物を再読する、再見するときに辛いのは。
その創作した当時をふりかえって、いろいろ蘇ってくるものがあるからなのでしょう。ゲーテ曰く「涙の味とともにパンを食べたことがなければ、人生の味はわからない」(うろ覚え)だそうですが、苦々しい想いを抱えながら創作したものでなければ、その醍醐味もわかりません。(なんだか偉そうに語ってみた)

問題は、完成させているものはいいとして、未完成のもの。
情熱が昔ほど湧きあがってこないものは、なかなか仕上がらないものです。情熱というよりも、時間管理の問題で。中年ともなりますと、諸事いろいろな問題解決を迫られます。他原作ジャンルに転んだですまされないのが、同ジャンルを長く続けているものにありがちな、しがらみやこだわり。長編になると、書き出しの頃とは方向性が変わってきますので、それに応じられるかですね。

ちまちま文句を垂れ流しましたが。
稚拙だと思っているのに消さないのは、その時間の想い出を大事にしているからなのかもしれません。自作の二次創作の最大の読者は、もはや自分しかいないと思っていますので。それにしても、ぶつくさ言いながらもすでに十数年は続けていますので、飽き性の自分としてはかなり長い趣味です。

(2022/03/07)


【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。


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