陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

ドラマスペシャル「必殺仕事人2010」

2010-07-11 | テレビドラマ・アニメ
「必殺仕事人2010」を視聴しました。
シリーズの顔、中村主水役の藤田まこと氏が今作準備中に亡くなったとのことで、彼を悼むような演出が随所にほどこされていましたね。物語上は江戸を離れたことにされています。

時代劇というのは、悪玉と善玉が二分していて筋書きも分かりやすいので、ワンパターンでもけっこうハマってしまいます。
「必殺」の場合は、たいがい、善良な二人(男女の場合が多い)が犠牲となって、その恨みを果たすべく四人の「仕事人」たちが暗躍する。したがって始末されてしまう敵はおよそ四人。
「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」でおなじみの、大勢入り組んでのチャンバラ劇とはひとあじ違うおもしろさがあります。ただ、よくよく考えると、こんな武器で殺せるの?とツッコミたくなる部分もなきにしもあらず。

今回のスペシャルのお題は、ずばり事業仕分け。
小澤征悦演ずる若き勘定吟味役の風間が、税制改革の立役者として手腕を振るういっぽうで、働き口を奪われた人びとの生活は苦しくなるばかり。裏では利権を握りたい改革反対派たちがなにか策を打っている模様。今回の犠牲者はこの人かと思いきや、意外な展開が…。


黒幕かと思われた津川雅彦演じる老中があっさり死んでしまったのは、仕事人による無残な最期を大俳優に与えない配慮なんでしょうね。

今後シリーズを背負うのは、東山紀之演じる渡辺小五郎になりそう。でも、東山の三枚目ぶりって無理があるような気がします。この人もある意味、現代の社会悪ではありますよね。やる気のない公務員で、少子化向上に貢献しないという…。

障子屋の松岡昌宏はインパクトがありますが、毎回お陀仏シーンにでてくるあのレントゲン写真て、ゲストのものなんでしょうか?
仕立て屋の田中聖は2009年シリーズからの途中参加。時代劇ではありえないいでたちで目立つことこの上ないですが、今回なぜかラップダンスを披露。

和久井映見は、あまり着物が似合わないかも。
今回から仕事人入りした内藤剛志が、藤田にかわる年輩者の貫禄を見せそうですね、今後は。
あいかわらず圧力をかける野際陽子と中越典子母子コンビもおかしい。

なにはともかく、あのBGMがいいですよね。

庶民のための改革を標榜しておきながら、権力者の座についたとたん変貌してしまう。どこぞの政治家連中を諷刺したスペシャルドラマ、まさに参議院議員選挙前にはうってつけ。刀は握れぬ平和主義の現代ならば、一票で見返してやればよいのですが…。



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