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陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

二次創作はリメイクすれば、いくらでも楽しめてしまう

2025-07-08 | 二次創作論・オタクの位相

少年ジャンプの往年の人気漫画「るろうに剣心」の続編北海道編のコミックスカバー裏著者近況で、作者の和月先生がデジタルイラストはいつまでも修正してしまう、と書かれていた覚えがあります。

二次創作にはオンとオフがある。
オフラインは主に紙媒体のサークル同人誌。オンラインはデジタル、個人サイトやSNSなどでの発表のみ。大ざっぱにそう区別したことがあります。頒布とはいうがお金をいただくか、個人の趣味の範囲で公開するか。そんな区別ともいえますが、ここ近年は、デジタル上でも電子書籍で販売されたり、ウェブ上の有償リクエストで描いたりするケースも増えていますので、このオンとオフという二分法はもはや意味がないのかもしれませんね。

それはともかく、筆のおきどころがわからなくなるのがオンライン二次活。なにせ、締切がないわけです。
キャラの生誕祭や作品のウン十周年あるいはバレンタイン、クリスマスなどの記念日にあわせてのデッドラインはありますが、そうでなければ、いつまでに仕上げるというハードルがありません。

したがって、締切がないからといって、いくらでも修正し放題。
紙の本と違って、発表した後も、延々と加筆修正したくなるもの。この欲望は際限なく広がります。

私は原則として最終話のオチを決めてから、二次創作小説をブログ上で発表することが多いのですが。それでも連載途中でふとアイデアが降りてきてしまい、書き直したくなったりすることがしばしば。

そしてさらには、完結してすでに何年も経つのに、いじりたくなります。
すでに掲載中のものでも、十数話で終わるはずの中編を何章もある長編に組み替えるためにタイトルを変えたりします。

最近とくに熱中しているのが、目次を再構成してリメイクする作業。
これは、かつてはgooブログはPCモードで閲覧しかなくて。各記事の小見出し表示で15話単位でまとめて一覧にできたので、各話のサブタイトルを昇順に見せるためのもの。

ところが数年前からのスマホモードではこの表示形式が意味をなさないことが判明。やはり全話のリンクがある目次頁があったほうがよい、ということになり、現在も少しづつ作成中です。

この目次頁作成作業、各話のリンクだけをつくるのなら早いのですが。
ついでに中身のチェックもしてみようということで読み直したりもする、そこで誤字脱字を発見したり、こっ恥ずかしい表現に出会って頭を抱えたくなったり、いろいろ葛藤がありますので、なかなか進んでいないというのが実情。

なのに、これをやる楽しみはひとつ。
若い頃の青くさい出来栄えに一喜一憂しつつも、当時を懐かしむため。それだけに他なりません。

目次再構成をしましたよというお知らせついでに、原作ジャンル萌えが再熱したり、新発見があったりもするのです。読者さんからしたら、なにやってんだろう、この人は、と冷ややか目線があるのも承知の上で。

私は二次小説やネタコラ画像を含め、ほとんどのブログでの二次創作物はデータを保管していますが、惜しいのは、とくに二次小説で作成した期間やブログ上での掲載時期を詳細に記録しておかなかったことです。この作品は完結までにどれぐらいかかったのかもわかりますし、当時、どんな状況で書いていたのかを思い出すこともできます。

出版物ならば入稿日や刊行日は明らかですが、自分だけが気軽に発表できるオンライン専門だからこそ、期日をわかるようにしておきたい。
もちろん、SNS上の掲載であれば、投稿日が明白なので便利なのですが…ブログは記事の日付を自在に変更することができるからこその悩みなんですよね。

データだと書き換えて保存した時点での日付になっちゃいますから、過去の二次創作データをいじったときは、以前の最後に開いた日を記録しておくようにしています。この習慣、二次創作だけではなくて、雑記などの一般記事もランダムに予約投稿しているので、なるべく執筆日を残すようにしています。

絵師さんでも、昔の絵をリメイクして掲載をする方も多く見かけます。
最近だと自分の絵柄をAIに学習させて微修正だけする、という噂も聞きますが。絵描きだと字書きよりも作風の変化が顕著なので、年数がたってからリメイクすると面白い味わいが出る絵になることもありますよね。その場合、過去の絵とは別名保存しておかれたほうが比較できていいのかもしれませんね。

私もリメイクして極端に別ものになったような作品は、(過去作を下敷きにしたことは明らかにしたうえで)区別して新タイトルで掲載したことがあります。

ただし、感度の高い二次創作者さんはだいたい旬ジャンルに移動していくものなので、すでに鮮度の落ちた原作ジャンルの二次創作をいまさら改良しようとはなさらないのかもしれません。

なんども手を入れて修正したくなるのは、その作品にひときわ愛着があるから。レオナルド・ダ・ヴィンチが終生手離したがらなかったという名画モナ・リザのような境地。逆にいえば、優柔不断で、いつまでも終わらない物語を抱えた創作の隘路から一向に抜け出させないというべきなのかもしれません。はたして、それは幸か不幸か、さて…?



【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。






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