陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

姫子と千歌音の人生いろいろ、愛はもろもろ(後)

2020-10-17 | 感想・二次創作──神無月の巫女・京四郎と永遠の空・姫神の巫女

神無月の巫女シリーズだとか、ひめちかシリーズだとかを語られる場合。
一般的に「神無月の巫女」「京四郎と永遠の空」「絶対少女聖域アムネシアン」の3コンボが上がることが多いですね。前回の記事では、ひめちかの歴史を簡単に紹介しました。
しかし、おそらく2010年以降もしくは最近の「姫神の巫女」ブームから再燃した世代の方には、ご存じでないかもしれないひめちか組が存在します。

原作者の介錯先生の代表作のひとつ「円盤皇女ワるきゅーレ」。
数回にわたりテレビアニメ化やOAV化されました。神無月の巫女のアニメ監督・柳沢氏との縁ができたのも本作。脚本家の月村了衛氏はのちに小説家として活躍。また、主題歌ソングは平成アニソン大賞にも選ばれました。どちらかといえば、神無月の巫女よりも知名度が高いのはこちら。




ところで、この人気作に、なんと姫子と千歌音が客演しています。
この物語は、妹ともに温泉旅館を営む少年・和人のもとに現れた宇宙人の姫君ワルキューレとその一味などをまじえた、ドタバタラブコメディ。神無月の巫女のハード路線とは異なる雰囲気。



コミックス七巻では、主人公和人たちが鄙びた田舎の秘湯を訪れます。
そこの温泉旅館の仲居をしていたのが、一ノ宮千羽と二条雛子。なんと、神無月の巫女でいうところの前世の姫子と千歌音そっくりさん!!




このコンビ、和人の幼馴染で最強女子高生巫女である七村秋菜を慕っています。
巫女選手権では一回戦負けで、巫女としてはパワーが弱い。憧れの巫女をふくむ旅客のおもてなしに励むふたりでしたが…。





何やら、その村には、謎めいた信仰がある様子。
すっかり陽の巫女、月の巫女スタイルなふたり。祭壇を守るために、村人を鼓舞しています。どうも雰囲気が怪しすぎる。




このふたり、前世の巫女に激似とはいえ。どちらかといえば、千歌音ちゃんこと千羽のほうが腹黒い…? 祭壇に奉られた「はいだら様」に「羽人」を近づけないことが目的というが…。




しかし、かつて巫女たちに封印されたはずの神様は、メイドの真田さんはじめ体をのっとって復活。ついには、なんとワルキューレにも憑依。




「はいだら様」というのは、その地方の伝承による呼び名。九頭龍(ヒュドラ)のこと。
神無月の巫女でいうところの、ヤマタノオロチ伝説とのシンパシーがありますね。





ワルキューレに憑依のはいだら様を鎮めるために、現代の凄腕巫女八人が導かれるように集結。
和人の捨て身の作戦(毎回死ぬのがお約束の主人公て…w)などもあって、無事、封印に成功します。しかし、お騒がせな神様ですね。この八巫女のうちのひとり、既視感が…。「京四郎と永遠の空」の漫画版にいた加賀さんですよね。彼女も、他の作品からの流用キャラです。最近の百合作品、セラムンの天王はるかとかマリみての支倉令みたく、ボーイッシュな少女キャラ見かけなくなりましたね。

結局のところ、千羽と雛子は黒幕かと見えて、実は味方側。
しかし、あくまでも戦友の一部といった立ち位置でして、主だった活躍はしません。しかし、公式の雑誌に載せられた前世の姫子と千歌音っぽいものとしては、神無月の巫女の漫画よりははるかにコマが多いです。




巻末ページに8巫女のおまけ設定があります。
前世の巫女の外見だけれども、雛子はドジっ子で能力が高くないあたりが、神無月の巫女の現世の姫子のほうに近いのかも。このミニキャラ可愛い(惚)



「円盤皇女ワるきゅーレ」は神無月の巫女以前より雑誌連載がはじまり、神無月の巫女以後に終了しています。このエピソードが紙面掲載されたのは、2005年春ごろ、神無月の巫女の最終回が連載されたあたり。そして、この第七巻の刊行日は、2005年の10月という。




姫子と千歌音っぽく愛を語り合ったり、互いにいちゃくらという場面はないのですが、コメディ路線ながらシリアスな絵のときもあるので、ひめちか公式絵としては楽しめます。「円盤皇女ワるきゅーレ」は少年少女の恋物語ではあるのですが、たとえば京四郎と白鳥くうのようなひねくれた愛憎劇でもなく、あっさりしていて読みやすいですね。姫さまラブのネコミミメイド星人真田さんの一途さは、どこか乙羽さんを思わせて、なかなかおもしろいキャラです。


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温泉巫女
例の 姫子もどき と 千歌音ちゃんまがいがお目見えの巻。なぜか後半がアレな某侍女日記ふう(笑)

続・温泉巫女 
それはまたひとつ、ふたりで在所を得た、彼女たちの幸せな転生譚。

*漫画「絶対少女聖域アムネシアン」&ウェブノベル「姫神の巫女」、そのほか関連作レヴュー一覧*
漫画「絶対少女聖域アムネシアン」および、ウェブノベル「姫神の巫女」、そのほかの漫画などに関する記事です。

★★神無月の巫女&京四郎と永遠の空レビュー記事一覧★★
「神無月の巫女」と「京四郎と永遠の空」に関するレビュー記事の入口です。媒体ごとにジャンル分けしています。妄言多し。







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