陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「スウェプト・アウェイ」

2009-08-01 | 映画──社会派・青春・恋愛
上流階級の婦人と下男との身分違いの恋とその後の憎悪劇といえば、エミリ・ブロンテの小説『嵐が丘』が想起される(たしか映画も観たことあった)私です。02年のアメリカ・イタリアの合作映画「スウェプト・アウェイ」(公式サイトはこちら)もそんな貧富の差をこえた男女の愛憎劇です。ただし、前者と違い、いがみあった二人が苦楽を共にして急速に愛し合うというお気楽な筋書き。とても、エンターテインメントらしくつくられた一作といえます。

以下、ねたばれあり。

スウェプト・アウェイ [DVD]スウェプト・アウェイ [DVD]ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2009-01-23売り上げランキング : 38874おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools



大手製薬会社の重役の夫、その仲間たちとバカンスで地中海を訪れていた中年女性のアンバー。彼女はとても高慢ちきな女性で金にあかせて、クルーザーの船員たちをいたぶっては楽しんでいます。特にその矛先が向けられたのは、イタリア人の漁師あがりで働きにきた青年ジュゼッペ。
ある日、癇癪をおこしたアンバーをおいて、他のメンバーは泳ぎにいってしまう。アンバーはジュゼッペを伴ってボートで仲間を追おうとするも、運悪く海上で遭難。ふたりは無人島に漂着する。

船上では鼻持ちならない貴婦人にこきつかわれ、ののしられて我慢しどおしだったジュゼッペ。この無人島の生活力では、あきらかに彼に有利。立場が逆転したアンバーは、ジュゼッペに奴隷のように扱われてしまいます。
不和はつづくも、ふたりだけの生活のなかで次第に愛情を深めていく男女。アンバーはもはや彼なしでは生きられなくなり、救助の船を海に見かけても、あえて見過ごしてしまう。

だが一箇月後。
ふたりは航海中の客船に発見される。ジュゼッペはアンバーからの変わらぬ愛を信じ、アンバーも駆け落ちを願うほどだが、勘づいた夫がふたりを引き裂いてしまう。

主演のマドンナの売り出し映画と揶揄されてもしかたないほど。
途中、二回ほど話の筋には関係ないダンスシーンが唐突にあったり。そしてまた、当時マスコミにもさんざん叩かれましたが、やはり異常に二の腕が鍛えられていて女性らしさのない中年婦人が脱ぐのはどうも…と思う。
むりやり手篭めにされたら愛が芽生えるって、それどんな同人誌レベルの都合のいいラヴシチュエーションなのかと。
あと、無人島での漁師の青年の俺様ぶりが鼻持ちならなかったです。

マドンナって地声は、和田アキ子みたいにハスキーボイスなんですね。吹き替えの声との落差がありすぎて、それもショックだったよ(苦笑)

地中海の海の青さはすばらしかったです。見どころはそれだけかも。

(〇九年五月二十三日)

スウェプト・アウェイ(2002) - goo 映画

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 魔法少女リリカルなのはA’s P... | TOP | 日本映画「ゲゲゲの鬼太郎 ... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 映画──社会派・青春・恋愛