陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

秋のカタログ

2011-09-19 | 読書論・出版・本と雑誌の感想
秋だというのに何かと落ち着かないお天気が続きますね。
例年、すこし涼しくなるこの時節に、なにかと取り留めもないことを書きたくなります。きょうもささいな日常のことを。

今年の初夏から晩夏にかけて、ご近所・親戚で訃報が重なり、お悔やみ申し上げる機会が増えました。といっても、家としてのお付き合いで、私個人はまったくお会いしたこともない、下手すると名前を伺うのも初めてという方もいらして。

そのせいか、カタログを眺めることが多くなったわけですね。
最近の香典返しといいますのは、カタログを送付して相手方から商品を選んでもらうというタイプになっているわけです。たしかに、自分の趣味ではないデザインタオルやら、すでに何枚もあってかさばるだけの毛布やらシーツやら、陶器やらを頂きますよりは、自分の責任で選べるこのシステム、なんともありがたい。送る側にしましても選ぶ手間が省けますし一石二鳥というものですね。

ところが、このカタログというものが、なかなか侮れない。
通販カタログやチラシの写真と実物が異なるなんていうのはしょっちゅうとはいえ、じっさいに届きましたものを開きましてがっかりすることが多々あります。たとえば、包丁のセットは刃が薄く、スイカを切るにしても折れそうでなんとも心もとない。柄もすぐに錆ついてしまうほど。そして、写真では優雅に皿に盛られたクッキーのセットは、そこらのスーパーの贈答品売場で見かけるものより包装が悪く、しかも緩衝剤でかさ上げして中身の少ないことこのうえない。さもしいことを申し上げますが、実際、カタログ代を差し引いているので、商品の値段は香典の半分相当よりもお安くなってしまうのです。

ですので、さすがに今年、三冊目、いや四冊目かもしれないカタログを開いている今となって、いったいどれにしようかしらと判断に迷うわけです。後腐れのないものは食料品であるけれど、その画像に騙されてはなるまいぞ、といういじきない警戒心が先に立ってしまいます。

とはいえ、これとは別に、カタログというのは読んでいて楽しいものですね。
つくりがおしゃれなものは、なんどもめくりたくなりますし、眺めているだけで物欲が充たされてしまうこともあります。財布の紐を開くにも、いちいちショップの店員の顔いろや態度に左右されなくていいところが。

ちなみに、香典返し用のカタログで珍しかったのは、ファッション誌などの有名雑誌の購読半年分セット。私のおねだりは家族の反対にあってあえなく却下されました。



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