陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

まぼろしの「あさきゆめみし」

2008-11-14 | テレビドラマ・アニメ

初音ミクに扮したキックボクサーの勝利に笑いを禁じえない管理人です。むかし獣神なんとかやらタイガーマスクのレスラーいたけど、弱かったですよね。彼はリリカルなのは好きらしいので、つぎはぜひ、なのはさんのコスチュームでお願いします。まちがっても、フェイトちゃんのソニックフォーム(拙ブログ命名金太郎フォーム)はなしの方向で。

さて、きょうはアニメの話題です。
以前の記事にて、大和和紀の『あさきゆめみし』がアニメ化することをお伝えしましたが、残念なことに企画倒れになったようです。

といいましても、原作者の看板を外すだけで、源氏物語じたいを原作としたオリジナルアニメ「源氏物語千年紀Genji」として制作中。しかし、来年一月の放映にむけてほぼ二箇月前の方針変更ですから、現場の混乱は避けられないかも。

あの名作漫画がアニメにならなかったのは残念といえば残念。
とはいえ、名監督出崎統が采配するのですから、それはそれで楽しみですね。ある意味、原作漫画から乖離しすぎて大和和紀ファンを裏切らずにすむという良心の英断ともいえそうです。

でも、ちょっと気になるのが、その企画中止理由。監督の意向を優先したいということなのですが、要するに大和先生と出崎氏との解釈の相違ですよね。アニメイトTVのウェブニュースではこんな発言が。

「全11話という中でどう源氏をつかまえてゆくか、僕自身楽しみながら作っていきたい。源氏の男らしさ、すがすがしさを描いてゆければと思います」

源氏物語というのは世界最古の現存するラブストーリーであり王朝文学の最高傑作ですが、ありていにいいますと戦前谷崎潤一郎の現代語訳版が発禁処分にされたくらい艶本であり、また不倫あり禁忌の愛あり、衆道ありの問題作。
大和版の『あさきゆめみし』は一部をのぞき、紫式部の原作五十四帖をほぼ忠実に再現していますので、受験予備校が古典の参考書としてすすめるほどです。少女漫画ですから色事などはあいまいにぼかされてまして、源氏君の男っぷりの良さよりは、源氏に愛されたヒロインたちの悲哀のほうが色濃く出ていたように思われますね。

出崎氏自体もほんらいは漫画家志望で絵も描ける人ですから、やはり原作漫画におもねって表現を制限されることに不満を感じたのでしょう。『ベルサイユのばら』『エースをねらえ』など数々の少女漫画バイブルのアニメをヒットさせた氏ですが、彼の演出家としての真骨頂はどちらかというと『明日のジョー』や『宝島』『ブラックジャック』などの熱い男の描写にあったのではないかと思えるのです。
『ベルばら』とか『おにいさまへ…』のアニメを断片的に観て違和感を覚えたのは、原作ではあまり気にならなかった男臭さが野太く感じられてしまうことでしょうか。そういえば池田理代子先生って、アニメ全編ご覧になっていないそうですね。七、八〇年代の女性の表現者としての雰囲気を、アニメでは表現しきれなかった部分があるように思えますね。

今回の件も骨太なヒーローとして源氏を扱いたい、女性をエロスに昇華したい出崎氏と、繊細な王子様像として源氏を描いた女性漫画家との確執があったように思われますね。私はいまはやりの男の子に都合のいいハーレムアニメで女性の顔がみんな類型化してるのでなければ、いいのですが。とりあえずマリみて第四期と同様に、年明けの楽しみとしています。

それより、キャストを早く発表してほしいですね。源氏の君は子安武人さんか、小杉十郎太さんを希望。

ところで、まったく関係ないんですが、ベルばら関係でこんなMADを拾ってしまいした(大爆笑)




池田先生が三国志描いたら、こんな感じかもしれませんね、ウフフ♥(んなわけないだろ!)



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