
毎年、年明けすぐに成人式だの、入試だので、若者の試練もしくは騒動が取沙汰されるのが恒例になっています。しかし、今年はどちらかといいますと若者が迷惑をこうむっているのではないかとも思わざるを得ない。
大学入試センター試験にかわり本年から導入された共通テスト。
今年は16日、17日の二日間。新聞で試験内容を確かめることができないものの、聞き及ぶところによれば、暗記だけでは太刀打ちできない、複数の資料を読み解き、情報を裁き、柔軟な思考力が問われるものであったとのことです。受験生の皆様には、コロナ禍のなかお疲れ様でした。
毎年、試験会場での不備だとか、不正行為だとかが報道されるのですが。
今年はとくにマスク必着で感染対策にも神経を尖らせる態勢で。とくに緊急事態宣言が出た都市にあっては、ひとかたならぬストレスがあったはずです。しかも、それを逆なでするような事態があったとか。
とある東京の会場で、受験生がマスク内に鼻を収めなかったため、失格処分となりました。社会、国語、外国語の成績無効。マスクで呼吸が苦しくなるケースも多く、これには無慈悲だという批難の声もありました。ところが…。
その後の報道では、この受験生は40代。
鼻出しマスクはカンニングの恐れもあるので不正行為にあたると、6回に渡り警告したものの無視。試験官をスマホ撮影したり、暴れたとのこと。周囲の受験生の方が部屋を移動せねばならず。さらに7回目の警告で失格を告げられるやトイレに立てこもり、警察が退去を促すという騒ぎであったとか。
そもそも、マスクが合わないので外して受験することも、事前申請で可能であったようです。報道によれば、音を出して妨害をしたという情報もあり、受験資格を失って当然でしょう。眼鏡が曇るならば、曇り止め剤を塗るなどの対策をしておけばいい。
年齢からいいまして、就職氷河期世代なのでしょうか。
リカレント教育が叫ばれていますし、芸人やタレントでも大学入学する時代ですので珍しくはない。しかし、自身の子どもと言ってもいいような若者に迷惑をかけるのは、あまりに大人げないとしか。人生が上手くいかないから、急に海外留学したり、さらに高い学歴を得ようとしたりするのはわからなくはないけれども、あまりにこれはひどい。周囲にいた他の受験生が可哀そうです。京都アニメーション社を放火した犯人と同じような幼稚さを感じます。
資格試験でもそうなのですが。
まず学力を計る前に、こうした迷惑行為者をはじき出すために、情緒というか精神状態が正常かどうかのテストを行ったほうがいいのではと感じざるを得ません。とくに推薦などですでに入学が決まっているひとがあからさまに嫌がらせをした場合には、入学資格を取り消すなどの対処をしてほしいですね。受験は人生の一大事ですし、業務妨害で刑事罰を与えてもいいくらいではないでしょうか。
そもそも、自分がまともな倫理観や社会道徳を持っているかを調査するようなテストは、国政調査のようなものとして国民に義務付けてもいいような気がしますけどね。メンタルヘルス対策としても。こんなことを言ったら、全体主義とか批判を浴びそうですけど、コロナ禍での不要不急な外出をしてしまう人とか、この機会に詐欺まがいで儲けようとするひととかをけん制するためにも。あるいは、火急の事態に正常な判断ができない政治家や経済人に襟を正してほしいためにも。