金曜ロードーショーで予告されて楽しみにしていたルパン三世映画第一作。
1978年作。いまから三〇年以上も前なんですね。おそらく宮崎駿ブームのせいで「カリオストロの城」のほうが今となってはかなり有名なのですが、興行的にはこちらのほうが成功を収めています。
期待を裏切らない出来でした。これがいままで地上波放映されなかったのが惜しまれるくらい。やはり、アダルトなシーンがあるからかな?
クローン技術を悪用する敵方というのは、いくらもとりあげられたテーマなので目新しさはないにせよ。たとえ、いつものお約束なシーンが多いにせよ、やはり楽しめますね、これは。
映画公開の年は、じっさい英国でも試験管ベビー=体外受精児が誕生し、クローン人間が話題になった年でもある。
あいかわらず、不二子ちゃんに騙されちゃうルパン。あいかわらず、女に甘い相棒に愛想を尽かしつつ、けっきょく手助けしちゃう次元。あいかわらず、時代錯誤がかったストイックな五右衛門。あいかわらず、欲に目がくらんで闇の組織に顔つっこんでルパン一味を巻き添えにしちゃうトラブルメーカー、不二子。そして、あいかわらず、怪盗ルパンを地の果てまでも追いつづける執念の銭形警部。
そんな彼らが敵に回すのも、あいかわらず最後まで勝ち目がなさそうに見えてしまう謎の男、マモー。
そういや、ウッチャンがむかし番組で変装してたのって、これだったのかな?
線の描き方などかなり古くささを感じさせますが、演出はかなり斬新。とくに冒頭部分は前衛的で、目を奪われます。
アニメならではの、ありえない動きもしちゃいますが、ご愛嬌。妙にリアリティだけ追求した最近のアニメよりは、新鮮に映ります。
あと、台詞もかなり凝ってますね。クラシック映画を見てるよう。
とちゅう、シュルレアリスムの画家、ポール・デルボーや、ダリ、デ・キリコ、あるいはエッシャーの有名絵画を挿入し、なかなか粋な画面づくり。
なんといっても、よかったのはこれが今は亡き、山田康雄の吹き替えだったこと。クリカンだと、あの笑い声が微妙に違います。
銭形のとっつぁんや、不二子の声もまだ若々しかったですね。最近作は失礼ながら顔は二、三〇代なのに、おじいさん、おばあさんの声なのですごくギャップが…。それが気になって楽しめないです。
今回の映画、マモー役はあの水戸黄門でおなじみの西村晃氏でしたが、他にも豪華なキャスティング。三波春夫や、漫画家の赤塚不二夫、梶原一騎が特別出演してました。物故者の声が聞けたのも嬉しいですね。
ところで、銭形警部って子持ちだったんだね。娘もあんな割れた顎ですか?(んなバカな)
(〇九年六月十九日)
1978年作。いまから三〇年以上も前なんですね。おそらく宮崎駿ブームのせいで「カリオストロの城」のほうが今となってはかなり有名なのですが、興行的にはこちらのほうが成功を収めています。
期待を裏切らない出来でした。これがいままで地上波放映されなかったのが惜しまれるくらい。やはり、アダルトなシーンがあるからかな?
クローン技術を悪用する敵方というのは、いくらもとりあげられたテーマなので目新しさはないにせよ。たとえ、いつものお約束なシーンが多いにせよ、やはり楽しめますね、これは。
映画公開の年は、じっさい英国でも試験管ベビー=体外受精児が誕生し、クローン人間が話題になった年でもある。
あいかわらず、不二子ちゃんに騙されちゃうルパン。あいかわらず、女に甘い相棒に愛想を尽かしつつ、けっきょく手助けしちゃう次元。あいかわらず、時代錯誤がかったストイックな五右衛門。あいかわらず、欲に目がくらんで闇の組織に顔つっこんでルパン一味を巻き添えにしちゃうトラブルメーカー、不二子。そして、あいかわらず、怪盗ルパンを地の果てまでも追いつづける執念の銭形警部。
そんな彼らが敵に回すのも、あいかわらず最後まで勝ち目がなさそうに見えてしまう謎の男、マモー。
そういや、ウッチャンがむかし番組で変装してたのって、これだったのかな?
線の描き方などかなり古くささを感じさせますが、演出はかなり斬新。とくに冒頭部分は前衛的で、目を奪われます。
アニメならではの、ありえない動きもしちゃいますが、ご愛嬌。妙にリアリティだけ追求した最近のアニメよりは、新鮮に映ります。
あと、台詞もかなり凝ってますね。クラシック映画を見てるよう。
とちゅう、シュルレアリスムの画家、ポール・デルボーや、ダリ、デ・キリコ、あるいはエッシャーの有名絵画を挿入し、なかなか粋な画面づくり。
なんといっても、よかったのはこれが今は亡き、山田康雄の吹き替えだったこと。クリカンだと、あの笑い声が微妙に違います。
銭形のとっつぁんや、不二子の声もまだ若々しかったですね。最近作は失礼ながら顔は二、三〇代なのに、おじいさん、おばあさんの声なのですごくギャップが…。それが気になって楽しめないです。
今回の映画、マモー役はあの水戸黄門でおなじみの西村晃氏でしたが、他にも豪華なキャスティング。三波春夫や、漫画家の赤塚不二夫、梶原一騎が特別出演してました。物故者の声が聞けたのも嬉しいですね。
ところで、銭形警部って子持ちだったんだね。娘もあんな割れた顎ですか?(んなバカな)
(〇九年六月十九日)
ミニマルアート(60年代に流行った色彩や形を極度に単純化した芸術作品の傾向)的な抽象化があって。当時の製作陣は、芸術に造詣が深いと見えました。
途中でダレるシーンもあったけど、二時間が退屈せずに楽しめました。最近のTVスペシャルだともう三十分ぐらいで敵の正体がつかめちゃうのでおもしろみがなかったりするけど。
劇場版一作めということで、初々しさもありましたね。ほら、これお約束でしょ、といういかにもこれみよがしなファンサービスらしさがなかったのもよくて。
長編アニメの映画としては当時類をみなかったので、いろいろ実験的だったのかなぁと。
いまのアニメを観て育ってアニメをつくってる世代(自分も同時代ですが)には、出せない味わいだと思います。
しかし、あの頃のコンピュータは、あんな大がかりなものだったんですよね。現代のルパンが携帯電話やノートPCを使ってるのを見ると違和感を覚えます。