陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

日曜写真館 十二枚目 「ファースト・フルムーン」

2009-01-16 | 芸術・文化・科学・歴史
三日ほど前の写真日記でうっかり、この時期の禁句をつかってしまったことを気づかずにいた管理人です。ここ、意外と受験生にも覗かれているのでしょうかね?すみませんでした(汗)

画像は今月十二日夜九時ごろに撮影した満月。今年はじめて見た満月です。
映画「どろろ」のTV放映が観たくてあわてて買い物帰りしていたのですが、あまりの月の美しさに立ち止ってみること数分。そして、デジカメを携えてふたたび外出して、シャッターを切ること数分。もしかしたら、あの映画の視聴後感がよかったのは、こんなにきれいな月が拝めたせいかもしれません。

初日の出を今年見ることもできなければ、初月の出も拝めませんでした。一日あたりは新月かと思いきや、この元日の夜の月は三日月であったようです。十二日にこんなにすっきりと美しい満月なのですから、中日にはもう猫の瞳の月になっているのでしょう。

この画像、なんだかそらぞらしい青い闇をしておりますが、じつは加工しております。露出をへんにいじったためか、月のまわりに紅い照り隈ができてしまって、うまく消えません。

映した元画像は例によって移りが悪く、黒い空に月が白い点となって浮かんでいるもの。
実際の空は、月の発光が強かったせいで冴え冴えとした青い闇をしていました。雲はさざなみのごとく大気を波立たせ、まるで海に浮かんだように月は昇っています。映したのは家の近くの小径から、電柱をはさんで。

これとおなじような「夜の青空」(〇八年七月三日の日記)を見たことがありました。冬の夜九時はまだ月の出はじめなのか、空の高みを極めていなかったのでしょう。とても、月の光りを近くに感じました。

街のどこを巡り歩いても、月は逃げることなく、かといって追いかけても近づいてもくれません。
自分から遠いものほど、その全容はよくみえる。では、自分からゼロ距離、もしくはマイナス距離にあるものは、いたって見えない。
しかし、部屋の姿見よりは、あんなに遠い光りを鏡にしたくなるのはなぜなのでしょうね。よく磨かれたミラーよりも、月を眺めているときのほうが自分の本性を覗けるような気がします。去年は夜の月を眺めながらいろんな夢想に耽ったものですが、今年もさて…。




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