陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「フライトプラン」

2010-05-22 | 映画───サスペンス・ホラー
金曜ロードショーでジョディ・フォスター主演作を観たのは、久しぶりでした。
本日の映画は2005年作の「フライトプラン」(原題 : FLIGHTPLAN)
飛行中のジャンボジェット機内で、我が子を失った母親をめぐるアクション・ミステリーです。

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航空エンジニアのカイルは、夫のデイヴィッドを突然事故で亡くしたばかり。その哀しみにくれたまま、幼い娘ジュリアと共に、夫の棺を乗せた旅客機でベルリンからニューヨークへと旅立つ。
飛行機が離陸し、疲弊のためか深い眠りにおちたカイル。目覚めると、ジュリアが消えてしまった。

必死の捜索もむなしく、娘は見つからない。機内の乗員の誰一人として目撃者はおらず、機長や乗務員にジュリア探しを嘆願しても発見できずじまいだった…。


本作は、航空機をあつかったミステリーなのですが、根底にあるのは、主人公ひとりを孤立させるサイコサスペンス。誘拐犯扱いされた乗客たちとひと悶着の末、カイルは全員から冷たい目線に晒されてしまうことに。我が子をさらわれて同情的だったフライト・アテンダントたちすら、そっぽを向いてしまいます。さらには、乗務員から、ジュリアが夫ともども既に死亡しているという事実まで告げられる。パニックに陥ったカイルは、独りでも娘を見つけ出そうと徘徊し、航空保安官のカーソンに拘束されてしまいます。

はたして、ジュリアは存在せず、すべては精神疲弊したカイルの妄想が招いた狂言だったのか? それとも、誰かに仕組まれた陰謀だったのか? 真犯人は後半になってあっさり明らかになるのですが、最後の最後まで、どう解決を見るのか、はらはらさせられっぱなしでした。アルフレッド・ヒッチコックの「バルカン超特急」を下敷きにしたとありますから、年季の入ったサスペンスファンには色褪せてみえてしまうかもしれないですが。

それにしても、母の愛は強し。
いくら自身が設計し勝手知ったるジェット機とはいえ、ああも手玉にとってしまうとは。テロリストの疑いをかけられても文句は言えますまいて(苦笑)

自分が出会った存在を信じて疑わず、己が信念のままに行動し主張する逞しい女性を演じたジョディ・フォスターといえば、「コンタクト」が思い出されますね。本作のフォスターは、髪型によってはかなり若く見えてしまいます。
9・11のテロ事件以来、アラブ人への風当たりの強さを揶揄するシーンもあるのは、人種差別問題に敏感なアメリカならでは、といえそうです。

監督は、ドイツ出身のロベルト・シュヴェンケ。
助演は、機長役に「ナショナル・トレジャー」のショーン・ベーン。保安官に「ボーイズ・ドント・クライ」のピーター・サースガード。

(2010年5月21日)


フライトプラン(2005) - goo 映画

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