陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

アニメ「輪るピングドラム」 第八話

2011-09-03 | テレビドラマ・アニメ
ああ、やっぱり未然に終わっちゃいましたか~と思った冒頭。
「輪るピングドラム」第八話のレヴューをお送りします。
サブタイトルは「君の恋が嘘でも僕は」

着々と進む多蕗とゆりの新婚生活。
夢ついえるまでもはやカウントダウン状態の荻野目苹果、なのにやはり諦め切れない。このしぶとさを他に生かせば人生充実するだろうにと思うのですが。もう手の届かない相手なのだから気持ちを切り替えればと晶馬くんが諭しても、聞く耳もたず。初恋の相手って、まあそんなもんですよね(?)しかも、相手に拒否されたのならまだしも、苹果の想いすら知らないってのに。

強引に実力行使に打って出ようとする苹果がさすがに見ちゃいられない。
いつのまにか、陽毱のためのピングドラム入手という使命も忘れて、苹果の救済のために体を張ってしまう晶馬くんが哀れ。そのお節介が嵩じて、ラスト、大変な目に…。

そういえば、第一話で晶馬は苹果に見とれているんでしたよね。
ひと目惚れしていたのかな。まさか清楚な女子高生だと思っていたのが、こんなハイパーストーカー娘だとは知らんかったでしょうに。隙を狙えばいつだって日記は盗めるのにそうしないのは、やはり、彼女のことが気になっているからではと。

姉の身代わりになることで両親をつなぎとめようとする苹果も、家庭を捨てた両親の言葉を忠実に守って妹の支えになろうとする高倉兄弟も、大人の犠牲──さらにいえばヒューマンドラマでしばしば描かれる類型的な家族幻想──になっているといえるのかもしれませんよね。

日記の半分をむりやり奪ったバイクの男は、あの目的のためなら手段選ばずの兄貴だったのか、それとも夏目真砂子(の関係者)なのか?

今回も家庭のねじれが妙ちきりんなメルヘン人形劇とか、紙芝居マカロニウェスタンとかありましたけど、あれって「のだめ」の影響なんですかね。

そして、別人の恰好をしないと好きな人に振り向いてもらえないという苹果の寂しさというか、少々歪んだひたむきな愛情というのは、小説『少女革命ウテナ 翠の想い』の若葉を思い起こさせます。


アニメ「輪るピングドラム」 レヴュー一覧



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