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Windows 11の仮想マシンをM1チップのMacBook Proで動かしてみました

2023-03-20 19:24:31 | Windows Embedded Standard

Apple M1チップを搭載したMacではIntel版WindowsのBootCampも構築出来ず、不便な思いをしている方もあると思います。昨年はIntel版Windows 10をUTMという仮想環境上で動かす方法について説明しました。ただ、Intel版はCPUをエミュレートして動かしているので動作が非常に遅く、困っていました。Windows 11だとARM版があるのでスムーズに動くのですが、色々調べて動かそうとしたのですが、あまりにも手数が多く、面倒なので途中で諦めていました。が!UTMの4.0がリリースされてから、まだ手数は多い手ですが、かなり簡単に出来るようにいたので、その方法について説明します。Intel版に比較してWindows自体の動作も非常にスムーズでとても満足です。

まず、手順の大まかな流れとしては、

  1. 最新版のUTMをインストールする
  2. Windows 11 ARM版のISOファイルを作成する
  3. UTMでWindows 11を構築する

という感じです。

UTMは、こちから最新版を入手してMacにインストールしておきます。

次に、Windows 11 ARM版のISOファイルを作成します。こちらのUUP dumpというページを開きます。下記のようなページが表示されるので、”Latest Beta Channel build"の”arm64"の方をクリックします。

該当するアイテムの一覧が表示されるので、最新版のWindows 11 Insider Previewを選択します。

”Language”で”Japanese"を選択して、”Next”をクリックします。

"Home"か"Pro"を選択して"Next"をクリックします。

Download methodsのところで"Download and convert to ISO"にチェックを入れます。Conversion optionsのところで"Include updates"にチェックを入れます。チェックを入れたら"Create download package"をクリックします。クリックするとZIPファイルのダウンロードが始まります。サイズは数KBなのですぐにダウンロードは終わります。私の環境では"22624.1465_arm64_ja-jp_multi_2d432f06_convert.zip"というファイルでした。

ここから実際にISOファイルの生成に入ります。ここが少し面倒なところです。

ダウンロードしたZIPを展開します。そして、Macのターミナルを起動して、ZIPを展開したフォルダに移動します。

ISO作成の環境構築をします。下記のコマンドを実行します。

brew tap sidneys/homebrew
brew install cabextract wimlib cdrtools sidneys/homebrew/chntpw

ここで、後者のコマンドでおそらくエラーが出ると思うので、エラーになったら下記を実行した後で、もう一度、上記の後者のコマンドを実行してください。

curl -LO https://gist.github.com/minacle/e9dedb8c17025a23a453f8f30eced3da/raw/908b944b3fe2e9f348fbe8b8800daebd87b5966c/openssl@1.0.rb
curl -LO https://gist.github.com/minacle/e9dedb8c17025a23a453f8f30eced3da/raw/908b944b3fe2e9f348fbe8b8800daebd87b5966c/chntpw.rb
brew install --formula --build-from-source ./openssl@1.0.rb
brew install --formula --build-from-source ./chntpw.rb
rm ./openssl@1.0.rb ./chntpw.rb

面倒なことに私の環境はターミナルのシェルをzshに変更していたので、上記のコマンド(brew install)実行でもxcrunが見つからないというようなエラーになってしまいました。その場合は、下記を実行してから、再度、上記のbrew install以降を実行してください。

xcode-select --install
sudo xcode-select -s /Library/Developer/CommandLineTools/

ここまでが終わったら、ISO生成のコマンド実行です。

chmod u+x uup_download_macos.sh
./uup_download_macos.sh

うまく行けば、ISOファイルが生成されているはずです。私の環境では、”22621.1_MULTI_ARM64_JA-JP.ISO"というISOファイルが生成されました。

ここからは、UTMでのWindows構築作業です。もう山場は超えているので安心してください。

まずUTMを起動します。"新規仮想マシンを作成”をクリックします。

"仮想化”をクリックします。

”Windows”をクリックします。

下記のように選択をします。起動ISOイメージは上記で作成したISOファイルを選択します。

メモリとCPUコア数を設定します。あまり少ないと動作しないので注意してください。

ストレージ容量を設定します。

ここは必要に応じて設定してください。私は何も設定しませんでした。

作成する仮想マシンの名前を設定します。

準備は整ったので、▶︎マークをクリックして仮想マシンを起動します。

下記の表示が出たら何かキーを押します。

Windows 11のセットアップが起動するまで待ちます。

セットアップが開始されました。

言語などを設定します。

プロダクトキーを入力します。

Windows 11のセットアップを続けると、最終的に下記のようにWindows 11が起動します。ただ、まだドライバ類がインストールされていないので、画面解像度も低く使えない状態です。

ここからドライバ類(Spice Guiest Tools)のインストールをします。Windowsのエクスプローラを起動して、UTMというドライブ名のDドライブを開きます。そこにspice-guest-tools-xxx(xxxはバージョン)というファイルがあるので、それをダブルクリックします。起動したインストーラに従ってインストールします。インストールが完了したら、Windowsを再起動します。私の環境では、なぜかインストール完了時にインストーラ画面が表示できない状態になっていたので、スタートメニューから無理矢理、再起動しました。

無事に解像度も実際の画面通りに設定された状態でWindows 11が起動しました。Intel版に比較して動作も非常にスムーズです。

以上で説明は終わりです。

 

 


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