散歩と俳句。ときどき料理と映画。

違和感による世界の再構築

最近よく作るのが、茄子と厚揚げ、茹で豚肉(なくても可)のレンチン蒸し。
まず乱切りにした茄子2本を600Wで2分レンチン。
こうやると、あとの作業で茄子に味が染み込みやすくなる。
レンジから取り出した容器に、
サイコロ状に切った厚揚げと茹で豚を入れ、
100ccの水と白だし大さじ3を入れる。
レシピはそうだが、ワタシはここで醤油を数滴垂らし、
チューブの生姜も投入。
軽くラップをかけて600Wで3分。
これでできあがり。とてもおいしい。

料理のレシピを書きたいわけではない。
電子レンジで600Wで5分なら、500Wで6分でOKである。

ところがこのふたつの方法の結果に
わずかな誤差あるのではないかという疑念が浮かぶ。
いや小さな誤差だから気にすることはない。

だがワタシの敬愛するSF小説家フィリップ・K・ディックは、
このわずかな違和感から世界を作り直して、
とんでもない状況に読者を投げ込むのである。
映画化された『ブレードランナー』や『トータルリコール』などの
わかりやすい世界ではない。

ディックの神秘主義的小説『ヴァリス』や『聖なる侵入』まで
同伴できるかどうかそれが問われる。
ワタシは30代から40代にかけて延々と付き合い、
ある意味幸せに疲れ果てた。

このあたりの神秘主義に傾斜したディックの作品は、
まずサンリオのSF文庫から出た。
訳はすべて大瀧啓裕である。
彼自身が強く神秘主義に惹かれている。

早川書房から出た文庫の新訳は山形浩生。
ディックだけではなくウィリアム・バローズの新訳もある。

読み比べてみたいが、もうそんな体力も気力もない。
またディックのいちばん魅力的な初期の短編を、
また読み直したいとも思う。
これなら1日一編読むのは負担にならず楽しいかもしれない。

2年ほど前に柳田國男の『遠野物語』を
ひと晩一編ずつ読んだが、これは楽しかった。

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