ピーター・オトゥールのフィルモグラフィーを見て、ワタシはあまり彼の映画を観ていないことに気づいた。
『ロード・ジム』以後ピーター・オトゥールは2012年までに30数本の映画に出演している。
そのうちワタシは10本ほどしか観ていない。
1980年代に入ってからは『カリギュラ』(監督ティント・ブラス他 1980年)と『ラストエンペラー』(監督ベルナルド・ベルトリッチ 1987年)のわずか2本である。
晩年の作品はほとんど観ていない。
たぶんこれはピーター・オトゥールが『ロード・ジム』のあと、『何かいいことないか子猫チャン』(監督クライヴ・ドナー 脚本ウディ・アレン 1966年)や『おしゃれ泥棒』(監督ウィリアム・ワイラー 1966年)といったロマンティックコメディに続けて出演し、飽きたということもある。
『何かいいことないか子猫チャン』
『おしゃれ泥棒』
ただ、1966年の『天地創造』(監督ジョン・ヒューストン)でのソドムとゴモラのエピソードで演じた神の使いはとてもよかったのだか、主演というわけではなかった。
『天地創造』
翌1967年公開の『将軍たちの夜』(監督アナトール・リトヴァク)は極端にデフォルメされた精神の異常性が不安定で、観るのが辛い映画がだった記憶がある。
ピーター・オトゥールはどこか精神的におかしい人物、たとえばロレンスを演じるとピッタリなのだが、この『将軍たちの夜』はヤリすぎなような気がした。
『将軍たちの夜』
まあ、ワタシはまだ16歳である。
今観るとどんな感想をもつかはわからない。
『カリギュラ』はハードポルノの範疇に入る作品だが、ピーター・オトゥールを始め主要キャストは、別撮りされたポルノ的映像のことは知らなかったらしいから、一概にピーター・オトゥールが進んでポルノ映画に出演したというわけでもなさそうだ。
ワタシはポルノは嫌いではないがこの映画は退屈だった。
『カリギュラ』のプレスシート。
次は『バレン』に戻る。
〈続く〉