句集の制作はたんたんと単純作業をこなす。
歳のせいだろう、集中力が持続しない。
まあ、急ぐこともない。
下の写真の道具は折箆(おりべら)という。
長さ13㎝ほどで、水牛の角でできている。
数年前、和製本の教室(先生ひとりに生徒ひとりの対面方式)に
数回通ったときに必要に迫られて買ったものである。
大昔、貸本マンガの極小出版社でアルバイトをしていたときも折箆を使っていた。
こういう小さなものではなく、木製の30㎝近くある大きなものだった。
使い込まれてすり減り、いい具合に手によく馴染んだ。
その後、同人誌を作るさいに同じものを買ったはずだが記憶が薄れている。
手元のこの小さな折箆は使い勝手はいいが、やはり趣味的な道具である。
生活がかかっている現場ではあまり重宝されないだろう。
そのころ折箆と一緒に製本用の万力のようなプレス器も買ったはずである。
神保町から九段の途中に製本関連の機材や、消耗品を売る店があった。
製本用の接着剤(プラナックスだったか?)などもこの店で買ったはずだ。
店は今もあるのだろうか。
手作業でプリントや製本をやっていると、そんな昔のことばかり思い出す。