洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 海外の経験#64 英国 BP(旧ブリティッシュ石油)米国での洋上風力発電プロジェクトは根本的に破綻

2023-11-04 19:09:45 | 日記

 

2023年11月02日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 海外の経験#64 英国 BP 米国での洋上風力発電PJは根本的に破綻]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

英国BP(旧ブリティッシュ石油)の再生可能エネルギー部門長は、2023年11月1日、米国ニューヨーク沖での洋上風力発電開発プロジェクトは基本的に破綻していると表明した。

新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫されていることが指摘されている。

BPは2023年第3四半期、洋上風力発電プロジェクトで5億4,000万ドル(810億円)の減損を行った。

連携しプロジェクトを計画した北欧最大のエネルギー企業、ノルウエーの“エクイノール”(Equinor)は3億ドルの減損を行った。

BPは、2020年、“エクイノール”の株式の50%を11億ドルで取得していた。

今回の合計の減損は8億4,000万ドルに達する。

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