
解説書によれば「さまよえるオランダ人」は、汚れのない愛は人を救うが、これは現世ではないと彼岸(死後)に探すことができるという主題だそうだ。彼岸花の咲く川岸を見てきた自分には広島原爆で従姉妹たちを失った大過去や最近三人の肉親を見送った悲しみと重なるものしかないが。外で、ツクツクボウシが鳴きだした。もう晩節で心細く鳴いているかと思うが、さにあらず。小さな身体のおなかを思いきり振って、木も揺れそうな存在感だ。もう数日すれば消えていくにもかかわらず、この元気は何だろう。人は活かされている間は全身で鳴く蝉のようにありたいという気持ちももらうこともできる。
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