田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

090403文系女子大学における環境教育――フェリス女学院大学

2009年04月03日 00時25分23秒 | 青年よ、世のために起て
少し小型化すれば家庭でも使えそうなものばかりである。目を引くのは風力発電と太陽光発電である。フェリス女学院は1870年に来日したメアリー・E・ギターが日本女性の地位向上を図るために1875年に設立したミッションスクールである。1888年、揚水のために赤い羽根の風車を建設した。日本では水車は珍しくないが風車は珍しいので「赤い風車のフェリス」として永年親しまれている。エコスクールは設立当初から実践されていた。本間先生の専門は環境生態学という学問だそうである。よく分からないが何となく分かるような気もするのは昨今の地球環境問題があちこちで人の話題に上るからである。教授は1970年頃、メッキ工場の排水中にカドミウムを検出し、イタイイタイ病がメッキ工場の排水からも起こりうることを世間に知らしめた。
フェリス女学院の風力発電は赤い羽根の風車をつかい3基置かれている。教授は風車を設置する前に学内の風況調査を行った。そして選んだのは比較的風速が弱くても発電する機種だった。聞くところに夜と最大発電量が2500ワット(風速16メートル/秒)である。羽は明治の伝統を受け継ぎ赤く縫ってあり「赤い羽根のフェリス」としてシンボルてきな存在となっている。われわれが考えるエコの工夫というのは、まず省エネの工夫である。すなわち太陽エネルギー利用の温水、雨水の循環利用、生ゴミのコンポスト化、緑化壁、地下水の温度利用等であるが、フェリスでは学生が結構後に自分の家庭でも実践出来るような工夫を、教育を通じて実施している。本間氏は言う。「女子学生は環境問題に疎いと思われるが、そうではない。胎児の環境は母体のなかである。母体を汚染されては子供が産めないことを女性は理屈を抜きに知ることが出来る。かくて、それを理性的に教授し、環境行動学という講座で知識に変換する。女学校が強力な環境教区うぃ実施出来る環境であることを教えてくれているのである。
地球環境問題は、なんだか遠く政治、それも国際政治の問題であるかのように思うときがあるが、それも一方において事実であるにしても、地球市民として一人一人が地道に取り組むことで、知性が磨かれ行動が拡がるのである。市民運動が一層の高まりを得ている現在、横浜市の一角にささやかではあるが鋭く人類の課題に対するソリューションを示唆している教育機関が存在している。見学を勧めたい。




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