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元祖スタミナラーメン

2006-01-20 | ラーメン活動
『日本で初めてラーメンを食べたのは水戸黄門』というのがトリビアなのかガセビアなのか分かりませんが…
ここ茨城では、やれ喜多方ラーメンだの佐野ラーメンだのというような有名なラーメンはありません。
しか~し、茨城のご当地ラーメンというのはあるのです。
それは、『スタミナラーメン』


実はこのスタミナラーメン、ご当地ラーメンなどと言われるず~っと前に僕は食っていたのです。

高校時代…
M『勝田によぉ、すげ~辛いラーメン屋があんだよ!今度行くべ』
と勝田の友人M
さっそく、土曜日の午後(昔は半ドン授業だった)そのラーメン屋『寅さん』に行くことにした。
M『スタミナラーメンっていうやつだから…怖そうなオヤジさんが作ってる…』
僕『へぇ、オヤジさん怖ぇ~の?』
M『でっかいアメリカのバイク(ハーレー)に乗ってんだよ』
僕『…おぉ、そりゃ怖ぇ~』
高校に入ったばかりの僕らにとって、オヤジのくせにハーレー転がしてるラーメン屋は怖い存在であった(笑)
M『で、すげ~辛いラーメンなんだけど、途中で水飲むの禁止だからな!』
僕『ほ、ほんとかよぉぉぉ…そりゃ怖ぇ…』
M『だから、それだけは気を付けろよ!!』
僕『お、おうっ』(途中水を飲んだら、オヤジに怒られる…ひぇぇぇ)
と恐る恐る店内に入ると、怖ぇオヤジが独りでラーメンを作っていた。
僕は友人の勧めるままに、『スタミナ冷やし2玉』を注文し、緊張していた。
オヤジ『へぃ、おまちっ…スタミナ冷やしの2玉ねぇ』
あれ?以外と優しいじゃん…などと思いながら食べ始める。
(か、か、辛れぇぇぇ~…水飲みてぇぇぇ~)
しかし、オヤジに怒られるのが怖くて、ガマンして黙々食べる。
中盤から後半に差し掛かると、頭の中から額から首から汗だく…
(か、か、か、辛れぇぇぇ~…み、水飲みてぇぇぇ~)
友人Mも、すでに顔を赤くして汗だくだ。
一気に食って食い終わって、コップ1杯の水も一気に飲み干した。
そして、ホッとして心の底から
『いっやぁぁ~、美味かったですぅぅぅ』
と言うと、怖ぇオヤジは、
オヤジ『そっか、そんなに美味かったか、うんうん…』
と煙草を薫らせながら、ニコニコしていた。

店を出て友人Mに
僕『なぁ、あれで途中で水飲むと、オヤジから怒られるのけ?』
M『そんな訳ね~だろっ
僕『だっておめぇ、水飲むの禁止だって言ったっぺ?』
M『ばか、途中で水飲むと…口の中で感じる辛さが倍増すっから気を付けろよって事だっぺ』


…唖然…


僕の抱いた怖ぇぇオヤジへの緊張感は全く無意味だったのだ(笑)
それからも、何度となく高校生活の土曜日の半ドンは、
勝田の『寅さん』でスタミナラーメンを食べることが、ささやかな楽しみであったのだ。


あれから25年…
その怖ぇぇオヤジは、このスタミナラーメンに魅せられた弟子たちに、この味を伝授していくつかの店を独立させた。
勝田の『寅さん』は、いつしか店をたたんだ。
水戸の御当地ラーメンとまで言われるようになったスタミナラーメンは、弟子たちの店で受け継がれている。


現在では、あの怖ぇぇぇオヤジは、水戸で『玄海』というラーメン屋を営んでいる。
弟子たちに伝授したレバーの入ったスタミナラーメンは作らずに、ホルモンを入れたホルモンラーメンをいうメニューで勝負しているのだ…


夕べは、久しぶりにその『玄海』に行ってきた。
オヤジは、25年前と変わらずに煙草を薫らせて、ニコニコしながら厨房に立っていた。
僕は、ホルモンラーメン冷やし2玉を注文した。
そして、そのラーメンの辛さに、後半汗だくになりながら、ただ黙々と食ってきた。

最後まで決して水を飲まずに…








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