今朝の信州は、気温が23度朝は昨夜の雷雨、そして今朝
の虹の雨と朝晩は、過ごしやすいのですが昼間は30度を
超えて暑い、昨日は埼玉の中学生の話題、今日はお寺さん。
崩壊から再生へ 檀家制度廃止し「反逆者」と呼ばれた
僧侶の10年・・ 少し古い記事です毎日新聞 2022/03/13
橋本英樹住職=埼玉県熊谷市万吉の見性院のお話です
宗教界では、その名が広く知られている「美名」ではなく
裏切り者の「悪名」として。2012年に「檀家(だんか)
制度」を廃止し、仏教界を騒然とさせた埼玉県熊谷市万吉
の古刹(こさつ)、曹洞宗の見性院(けんしょういん)の
住職、橋本英樹さん(56)のことだ。江戸時代から綿々と
続く寺院経営の基盤に大なたを振るった。改革から10年。
自身の予見の通り「寺院崩壊の時代」と言われるなかで、
寺はどう変わり、どこへ向かおうとしているのか??
文化庁の2020年の集計では、仏教系の宗教法人は7万6887に
上り、寺院の数と同等と考えられています。40年には4割近
くが消滅するという推計もあります。今という時代を寺院が
打ち壊された明治初期の廃仏毀釈(きしゃく)を超える日本
仏教界の危機と捉えていると聞きました。
◆すでに2割ほどは住職のいない無住寺でしょう。加速する
人口減少に、地縁・血縁などといったつながりが失われて、
「義理と人情」で成り立ってきた寺院と檀家の関係は崩壊
寸前です。追い打ちをかけたのが、東日本大震災。日本人の
死生観に影響を及ぼし、家族葬の時代に入り、コロナ禍では
僧不在の火葬場でご遺体を焼くだけの「直葬」も当たり前に
なってきました。檀家制度にあぐらをかいた寺の経営は成り
立たなくなってきたのです。
檀家制度の問題点とは。
◆お寺の経営は檀家に依存し、檀家にとっても先祖代々の
お寺に縛られるわけです。見方を変えれば、檀家側に信教の
自由はなく、寺にとっても、よその寺を脅かすとして、布教
の自由はなかった。家制度が解体し、都市への一極集中が
続く中、早晩行き詰まるのは自明の理でした。
そんななか、12年に檀家制度を廃止し、葬儀・法要に定価制
を導入、タブーとされた収支も公開に踏み切り、全国ニュー
スになりました。
◆江戸時代から続く制度に反旗を翻したわけですから、仏教
界からは「反逆者」呼ばわりされ、宗門からも「背反行為」
と批判されたことは当然のことです。
そして10年後の最近の収支は。
◆改革前の檀家の数は400家近くでした。宗派、国籍を問わ
ず、葬儀、法要を行っており、そういう方々を信徒と呼んで
いますが、今は1500家を数えます。改革前の収入は年間三千
万円弱。通夜・葬儀の価格は戒名付きで20万円からで、以前
の檀家時代の半額設定なのに、収入は5倍の約1億5000万円
です。檀家制度の廃止、定価制の導入が垣根を低くし、間口
を広げました。
仏教界の問題点をどう考えますか。
◆寺院は本山を頂点に序列が厳格に決まっています。お釈迦
様はカーストを否定して「平等」を唱えたのですが、日本の
寺院は小カーストになっている。一方で、僧侶は俗化し、
畏敬(いけい)される存在と見られなくなってしまった。
ゴルフや、殺生の釣りをして、どういう説法ができるか。
私の寺では厳禁です。
仏教界からの批判は今もありますか。
◆皆無。余裕がないんです。わが本山の永平寺も先ごろ、
宗派宗教を超えて護持の協力を求める文書を出したほどです。
寺院崩壊、淘汰(とうた)の時代です。
次の目標は?
◆法律の勉強です。コロナ後は寺院再生が課題になります。
宗派を超えた統廃合の時代が来るでしょう。イメージして
いるのは、企業再生支援機構の寺院版です。取り組むにして
も法曹資格が必要なんです。長いスパンでは、社会事業にも
乗り出したい。家族の再生がテーマです。
記者の一言
「自ら謀叛人(むほんにん)となるを恐れてはならぬ。新し
いものは常に謀叛である」。インタビューの最中、そんな
言葉が思い出された。大逆事件で政府批判の論陣を張った
徳冨蘆花の悲憤である。10年前は反逆とされた檀家制度の
廃止だが、現実の動きは急だ。コロナ禍にあって、以前なら
批判必至のオンライン法要も登場している。そうしたなか、
何が問われているのか。橋本さんは「法力だ」と言った。
死生観を語る力だという。これも蘆花の言葉だが、
「要するに人格の問題」なのであろう。
いつか取り上げたいと思っていた、寺院や檀家の問題です
私も、宗教法人の顧客を何軒か担当したり、今も檀家とし
ていろんな役割をしている立場でのこの記事は、ショック
を感じたことです。皆さんもお考えください。そして意見
をお聞かせください。
写真は 信州の我が町のサクランボ・・
の虹の雨と朝晩は、過ごしやすいのですが昼間は30度を
超えて暑い、昨日は埼玉の中学生の話題、今日はお寺さん。
崩壊から再生へ 檀家制度廃止し「反逆者」と呼ばれた
僧侶の10年・・ 少し古い記事です毎日新聞 2022/03/13
橋本英樹住職=埼玉県熊谷市万吉の見性院のお話です
宗教界では、その名が広く知られている「美名」ではなく
裏切り者の「悪名」として。2012年に「檀家(だんか)
制度」を廃止し、仏教界を騒然とさせた埼玉県熊谷市万吉
の古刹(こさつ)、曹洞宗の見性院(けんしょういん)の
住職、橋本英樹さん(56)のことだ。江戸時代から綿々と
続く寺院経営の基盤に大なたを振るった。改革から10年。
自身の予見の通り「寺院崩壊の時代」と言われるなかで、
寺はどう変わり、どこへ向かおうとしているのか??
文化庁の2020年の集計では、仏教系の宗教法人は7万6887に
上り、寺院の数と同等と考えられています。40年には4割近
くが消滅するという推計もあります。今という時代を寺院が
打ち壊された明治初期の廃仏毀釈(きしゃく)を超える日本
仏教界の危機と捉えていると聞きました。
◆すでに2割ほどは住職のいない無住寺でしょう。加速する
人口減少に、地縁・血縁などといったつながりが失われて、
「義理と人情」で成り立ってきた寺院と檀家の関係は崩壊
寸前です。追い打ちをかけたのが、東日本大震災。日本人の
死生観に影響を及ぼし、家族葬の時代に入り、コロナ禍では
僧不在の火葬場でご遺体を焼くだけの「直葬」も当たり前に
なってきました。檀家制度にあぐらをかいた寺の経営は成り
立たなくなってきたのです。
檀家制度の問題点とは。
◆お寺の経営は檀家に依存し、檀家にとっても先祖代々の
お寺に縛られるわけです。見方を変えれば、檀家側に信教の
自由はなく、寺にとっても、よその寺を脅かすとして、布教
の自由はなかった。家制度が解体し、都市への一極集中が
続く中、早晩行き詰まるのは自明の理でした。
そんななか、12年に檀家制度を廃止し、葬儀・法要に定価制
を導入、タブーとされた収支も公開に踏み切り、全国ニュー
スになりました。
◆江戸時代から続く制度に反旗を翻したわけですから、仏教
界からは「反逆者」呼ばわりされ、宗門からも「背反行為」
と批判されたことは当然のことです。
そして10年後の最近の収支は。
◆改革前の檀家の数は400家近くでした。宗派、国籍を問わ
ず、葬儀、法要を行っており、そういう方々を信徒と呼んで
いますが、今は1500家を数えます。改革前の収入は年間三千
万円弱。通夜・葬儀の価格は戒名付きで20万円からで、以前
の檀家時代の半額設定なのに、収入は5倍の約1億5000万円
です。檀家制度の廃止、定価制の導入が垣根を低くし、間口
を広げました。
仏教界の問題点をどう考えますか。
◆寺院は本山を頂点に序列が厳格に決まっています。お釈迦
様はカーストを否定して「平等」を唱えたのですが、日本の
寺院は小カーストになっている。一方で、僧侶は俗化し、
畏敬(いけい)される存在と見られなくなってしまった。
ゴルフや、殺生の釣りをして、どういう説法ができるか。
私の寺では厳禁です。
仏教界からの批判は今もありますか。
◆皆無。余裕がないんです。わが本山の永平寺も先ごろ、
宗派宗教を超えて護持の協力を求める文書を出したほどです。
寺院崩壊、淘汰(とうた)の時代です。
次の目標は?
◆法律の勉強です。コロナ後は寺院再生が課題になります。
宗派を超えた統廃合の時代が来るでしょう。イメージして
いるのは、企業再生支援機構の寺院版です。取り組むにして
も法曹資格が必要なんです。長いスパンでは、社会事業にも
乗り出したい。家族の再生がテーマです。
記者の一言
「自ら謀叛人(むほんにん)となるを恐れてはならぬ。新し
いものは常に謀叛である」。インタビューの最中、そんな
言葉が思い出された。大逆事件で政府批判の論陣を張った
徳冨蘆花の悲憤である。10年前は反逆とされた檀家制度の
廃止だが、現実の動きは急だ。コロナ禍にあって、以前なら
批判必至のオンライン法要も登場している。そうしたなか、
何が問われているのか。橋本さんは「法力だ」と言った。
死生観を語る力だという。これも蘆花の言葉だが、
「要するに人格の問題」なのであろう。
いつか取り上げたいと思っていた、寺院や檀家の問題です
私も、宗教法人の顧客を何軒か担当したり、今も檀家とし
ていろんな役割をしている立場でのこの記事は、ショック
を感じたことです。皆さんもお考えください。そして意見
をお聞かせください。
写真は 信州の我が町のサクランボ・・