飛騨高山といえば「飛騨の家具」
飛騨の家具を製造するメーカーは大小たくさんありますが、
各社HPがあるので、ここでは、一般の人にはあまり知られていない「曲木」について紹介します。
「曲木」は文字通り木を曲げること。
曲木椅子ではオーストリア人のミヒャエル・ト―ネットが開発したカフェチェアNo.14があまりにも有名です。(ト―ネット 曲げ木椅子で検索してみて)そして、2年くらい前からでしょうか…無印良品が復刻に挑戦していますね。
日本では、飛騨高山と秋田が有名です。
高山の地でこの技術を産業として定着発展した中には、ひとりの家具職人の努力と熱心な研究がありました。
(有)飛騨曲木民芸家具の中村さんです。
ト―ネットの椅子は“細い丸棒のブナ材”を曲げた量産品です。
それに対し、
中村さんの作る曲げ木椅子は、ある程度の厚みと幅のある天然乾燥のナラ材を、
2次元、そして3次元に曲げてつくる、木目の美しさを生かした工芸品的な椅子です。
特に3次元曲木は中村さんだけができる技術!
昨年9月におこなわれた、飛騨の家具の祭典でも、その椅子の木目の美しさと有機的な曲線美に惚れ、展示してあったそのものを買い求めたそうです。
なぜここで取り上げたかと言いますと・・・
”高度な”曲木技術の継承が急がれるからです。
・1本で通る綺麗な木目の美しさ。
・1本の木を曲げるという、世界の伝統家具との歴史的連続性。(中国~欧州~日本へとつながる歴史)
・3次元曲木という希少技術。
・省資源(エコロジー)という新しい価値観への合致。
・・・
それは、ト―ネット社の理念とは違うところから生まれているもの。
中村さんは、ご高齢ということもあり、今はほんの限られた依頼にだけ応えて椅子を製作しています。
一方で、曲げ木椅子のレクチャーも行っています。(だれに対してでもやるわけではない)
曲げ木に興味のある木工職人の方、みえましたら、工房をちょっとのぞいてみてください。
中村さんは、職人というより、なにかこうちょっと研究者のような雰囲気がありますが、気さくな方です。