こういうのは相談していいのか分からないけど…と、
お話をいただき、
小さな改修のコーディネートをさせていただく機会をいただきました。
奥にある椅子は、
地元家具メーカー 飛騨産業の代表作EIGER(アイガー)
最近、創業90年を記念して復刻されました。
新しく赴任された支配人は、
(おそらく1970年代のオープン当初からある)傷だらけのこの椅子を捨てて
新しいものにしようかといわれましたが、
この椅子の歴史や意義を説明させていただき、
当面、なんとかこのまま置かれることになりました。
修理の費用は、場合によっては他の量産家具を買うよりお金がかかります。
難しい時代です。
それでも、いいものを修理して使うというのは、一つの素晴らしい価値観と思います。
使うもの、や身の回りにあるもの…
自然環境、都市環境、本物の木、木目プリント、
どんなものが身の回りにあるかは、価値観や審美眼に
ボディブローのように効いてくる―。
先日、インテリアコーディネーターの先輩と話したことです。
幸いに写真の家具は、説明をさせていただいた後、
支配人は飛騨産業を訪れ、相談をされたとのこと。
26脚もあると、1度に全部とはいきませんが、
なんとか修理する方向で進んでいます。
うれしいですね。
飛騨高山 暮らしと家具の祭典も、残るは日曜日のみの1日となりました。
仕事の合間を縫って、メイン会場と
期間中にどうしても行っておきたかった、個人作家展を開催している
市政記念館へ行ってきました。
昨年は、工房見学が開催されていまして
いろんな人が飛騨で活動しているんだな~と知り、
今回は楽しみにしていました。
個人的な好みはありますが、どれも個性豊かな家具や小物。
その幅員が楽しいです。
素材に、“よく加減された人の手を加えられた”小物類は、
理屈抜きに、いいなと思えます。
一方で、ブランドや、それを構築していけることの重要性も感じます。
デザイナーの個性、企業理念、職人の能力、それを1つに束ねる組織力。
最近、いろんなメーカーの、椅子やテーブルを見るに、
重要なのはそのバランス、それを取っていくことだと思います。。
コンセプトが出すぎてもつまらない。
デザイナーの個性が強くても何かおかしい。
どこにでもありそうだけど、でもなんかいい
(なんかいい…という言い方は職業柄使いたくないですが…)
バランスを取るなかで製品に宿る深み、その歩みがブランドなのでしょう。
「99%はご依頼してくださるお客様のものだが、
1%は依頼された自分のもの。」
(建築家:村野藤吾(故人))
こういう感覚は大切にしたいです。
だから自分は、
小物は個人作家さんのものを買うけど、
椅子やテーブルは自分にフィットするデザインそしてブランドを買うと思います。
あるいはつくる。
そうそう、個人作家展はメイン会場より熱気がありました。。。
スツール
最近購入したスツールです。
下部は四角で、上部は丸になっていきます。
ふっくらしたフォルムがいいですね。
内部構造は、こういう家具にありがちな、
合板で箱を作ってウレタンを巻いてあるのではなく、
椅子のようにしっかりフレームを作っているそうです。
実際座ってみると、四隅のラインがかっちりしているのがわかります。
逆クラゲ型の脚が可愛いですね。
色は、何色かありましたが、ウォームグレーを選びました。
スツールだけをみると、地味な色ですが、
部屋の中に置くと、過度に主張しすぎず、なじむ。
かつ、独特のフォルムが存在感を出しています。
部屋にある、あらゆる色彩を考えたとき、一番フィットすると思いました。
実際、いいです。。。
でも、ショールームで見たときより、
結構、ボリューム感があるのは驚きでした。