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渦の中心

2011-05-31 | 言葉

渦の中心になる―。

           実業家 稲盛和夫(京セラ創始者、現JAL会長)

会社には、たくさんのビジネスの渦がある。

その回りを漫然と漂っているだけであれば、それにのみこまれてしまう。

仕事の本当の喜びと醍醐味を味わうためには、

渦の中心になって、周囲の人たちを巻き込むくらい、

自発的に、積極的に仕事に取り組まなくてはならない。



昨晩、MSN messengerで中国の人と打ち合わせをしていました。

その最後に、相手から出てきた(打ち込んできた)言葉です。

彼女は、中国語、日本語、韓国語が堪能で、かつ

通訳という仕事の本質はコミュニケーターだということを本能的に理解している人です。

ある企業の会長秘書のような役割を担っています。

打ち合わせのテーマは、“あるプロジェクトをいかに動かすか?”

私から出したキーワードは、一言でいえば

        「スケジュールの共有化で、巻き込み、前進していく」

という具体的手法。

これに対し、すこし沈黙(彼女のワープロの手がとまる...)の後、

出てきた言葉が、

  
         「渦の中心になる―。」

(彼女にとっては、会長が渦の中心になるよう助力する、という意味)

予想だにしなかった、中心の捉え方に、本当に驚きました。

しかも引用してきたのが、稲盛さんの言葉。

日本人でもどれだけの人がこの言葉を知っているだろうか...(私も知らなかった)


CMじゃないけど、

広いアンテナが、知層となり理解力となっているのだと思います。

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雨...そしてPCの復活

2011-05-29 | 日々

土砂降りの雨。。

110529_2 (濁流)

ここ数年、宮川の増水のスピードが増しています。

上流の森林の保水力の低下が理由と言われています。

数年前、護岸工事がされたので少し安心ですが、

工事のきっかけになった豪雨の際は、さすがに家族で荷物をまとめました。

こんな身近なところからも、環境の変化(悪化)は感じられます。

災害に備えることの重要性―。


今日の濁流により、昨年工事された河川敷の土は一部えぐり取られました。



・・・・・・・・・・・・・・

PCが修理から戻ってきたため、昨日から再設定に明け暮れ、

さらに、取り出せていなかったハードディスク内のデータを無事取り出せたため、

その分の仕事を進めました。

データの多くは、バックアップを取ってあったり、メールにてデータを送付してあったり、

ネット上の無料サーバーに保管してあったりしたため、

PC修理の2週間はそんなに支障なく済んだのは幸いでした。。。

備えと危機管理の重要性を感じる今日この頃です。

110529 (木漏れ日と緑)


床断熱か基礎断熱か その2

2011-05-28 | 建築

26日のブログでは、

「床断熱を基本としているが、実は基礎断熱も採用したことはある。」

と書きました。

その際、「空調方式もセットで―。」という条件付きとも書きました。

手法は以下です。

①外張り断熱(基礎・壁・屋根) + 気密施工

②スラブヒーター(深夜電力)

③壁内空気循環

④スラブヒーター熱の壁内導入

⑤蓄熱暖房機

⑥床下シャッター付断熱換気口

下の写真が実例です。

110528_2(べた基礎下+基礎断熱)

基礎を断熱します。

スラブヒーターをコンクリートに打ち込むので、土間下断熱をします。

110528_3 (スラブヒーター)

べた基礎に電気のヒーターを打ち込みます。

そんなことすると強度的によくないのでは?と思うかもしれませんが

この程度はなんの問題ありません。

またコンクリ温度が冬と夏で変化しにくいので、実はコンクリにとってもよい。

110528_4 (基礎内側断熱)

さらに基礎の内側にも断熱を行います。(最初の写真のは基礎の外側)

この断熱材は、フェノールフォーム断熱材(商品名ネオマフォーム)といって

薄くても高性能な断熱材です。

さらに、写真中央に基礎に切り欠きがありますが、

ここに断熱材入りの可動換気口を設けています。

夏や梅雨時の床下湿気は排出されます。

冬は閉めておき、スラブヒーターの熱で乾燥します。

110528_6 (外張り断熱)

壁は柱の外側に断熱材を施工します。

壁内断熱では、厳密に言うと柱や間柱部分で「ヒートブリッジ=熱橋」となります。

計算上、今のエコポイントをもらうための「次世代省エネ基準」や「長期優良住宅」でも

壁内断熱はOKですので、この例はものすごく厳密にやった例です。

サッシ周りも気密テープで隙間をつぶします。

壁内が空洞ですから、スラブヒーターからの熱がうまく循環し、また木材の腐りも防げます。

110528_7 (通気工法)

外壁側はもちろん通気工法を採用します。

実は、この上に張るサイディング゛は断熱材裏打ちのもの゛を使用し、

ダブル断熱になります。

110528_5 (屋根断熱)

2重垂木として、しっかり通気層を確保します。

通気層がないと、屋根野地板と断熱材の間で結露してしまいます。

2重垂木でなくても通気を確保することが大切で今はそのためのスペーサー部品もあります。

そのような感じですが、、、

わざわざ壁や屋根まで説明したのは、

   
   高温多湿の日本の木造住宅には通気が必要

ということが言いたいから。

ですから、基礎断熱で、その内部の空気を換気しない(換気設備を入れない)のでは

問題が大きいのではないか…と思います。

なぜ、外壁通気工法が開発されたか?

それは、通気がなくて断熱した住宅が、壁内結露を起こして木材が腐ったという事例が

過去にたくさんあり、その失敗を経て今の通気工法があるのです。

壁や屋根の通気には留意するのに、基礎は室内空間と一体だからOKなどという理屈は、

確かに床下は壁に比べ空間が大きいが、それでもにわかには信じがたい。

現に、基礎断熱には床下換気扇を併用する設計をしているところもあります。

私もそのような対処に加え、

かつ住む方がそのことをよく理解することが必要と思います。

“はやり”ではある基礎断熱ですが、

それは施工がしやすいから…という側面があり、それはどういうことなのか…

ということを一度考えてみる、その結果OKなら採用するという手順は必要とおもいます。

床下のない木造の神社なんてないし、平安時代の寝殿造りは高床式だった。

歴史から推察することも大切だし、

かつ新しいことには新しい対処が必要かどうかを考えることも大事かなと思います。

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梅雨入り

2011-05-28 | ニュース

気象庁から、東海地方の梅雨入りが発表されました。

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束の間の新緑を楽しむ季節が終わり、

しばらく、光の弱い、どんよりとした日が続きます。

110527_3

この時期までに、設計業務はまま終盤を迎え、

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工事費の調整や、確認申請などの手続きに差し掛かることが

多くなります。

110527

それが終わると、いよいよ工事が始まり、

住宅などは、年内竣工を目指します。


床下断熱か基礎断熱か・・・

2011-05-26 | 建築

冬に底冷えする飛騨高山。

住宅エコポイントの効果+高山市では45万円の独自加算があり、

今は「次世代省エネ基準」に沿う断熱性能での設計が基本です。

飛騨地方は、

この基準における地域区分は東北地方と同じく「Ⅱ地域(寒い地域)」

にあたり、この「次世代...」にするには、すごくお金が掛かります。

それで高山市は独自に助成しているのだろうと思います。

(ちなみに下呂は「Ⅳ地域(岐阜と同じ)」なので、高山ほどお金掛からない)

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さて、断熱性能に関しては、

①使う断熱材を決めて、

②基準のQ値というのをクリアするよう厚みを計算する

③開口部(サッシとガラス)を相応のものにする

④現場監督の現場管理に加え、設計者が設計通りの施工か「監理」を行なう

ことで、確保できます。

難しいのは、その断熱方法が

地域特性やライフスタイルに合うかどうか?

すっごい断熱性・気密性の住宅の住み方を実践してもらえるか?

ということ。

特に暖房や換気については注意が必要になるので、説明するようにしています。

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今、もっとも悩むのは

    
        床の断熱を床下断熱にするか、基礎断熱にするか・・・?

底冷えする飛騨高山ではとても重要。

これは、ちょっとネットを検索してみると話題になっていますね。

で、施工数実績としては「床下断熱」が多いのですが、

「基礎断熱」が今 “はやり” な様相です。

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で、私はどうしているかというと...

    
       「床下断熱」を基本仕様としています。

理由は主に3つ

①これまでの施工数実績が多い。

②基礎パッキンなど床下全面換気により湿気を逃がし木の腐食を防ぎやすい。

③床下が室内と一体温度となる基礎断熱に比べ、暖房体積を減らせる。

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基礎断熱のメリットは、それを推進している工務店のHPなどで紹介されています。

容易に断熱性を確保できるというのは、 “工事的には” 確かにメリット。

ただ、、、

公共の資料館や温泉施設など、

鉄筋コンクリート造(RC造)の公共物件の設計監理経験がある自分にとっては、

建設時から一定期間放出されるコンクリートの水分がこわい。

これが、換気のない床下に放出されるのは・・・

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基礎断熱推進者のいう、

「室内と一体の空気環境だから結露しない」というのは

理屈としては正しいし理解できる。

しかし、乾燥した気候のアメリカで実績を積み、

梅雨のない北海道で一応実証実験された基礎断熱工法が、

風がそんなに強くなく、湿度のある山間の飛騨でもOKなのかは、

もう少し様子見しようという立場です。

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そういいつつ...

実は、基礎断熱、やったことがあります。

でもそれは、空調方式まで含めたバックアップ対策をプラスして、です。

また今度紹介したいと思います。

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ちなみに・・・

住宅エコポイントは7月31日着工までの住宅が対象。

高山市の加算は今後どうなるか不明です。