槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

槍平小屋ニュース 20170719

2017年07月19日 | 日記

最新登山道情報(槍ヶ岳・飛騨沢ルート)20170719

最新登山道情報(南岳新道)20170719


槍平小屋ホームページ はこちらです。http://www.yaridairagoya.sakura.ne.jp/


槍平小屋ライブカメラ(滝谷渡渉部)

(保存版)滝谷架橋部の水量増減について

槍平小屋ライブカメラ(大キレット方面)

槍平小屋ライブカメラ(槍ヶ岳・飛騨沢方面)


祝!梅雨明け!飛騨乗越から、今日の槍ヶ岳。いつ見ても、カッコイイですよね~。皆さんがこの風景を目にするのも、きっと、間もなく、の、はずです!

 

今日は槍ヶ岳方面・飛騨沢と、南岳新道のルート偵察へ。槍ヶ岳方面、標高2250m付近の最終水場。先日までの雨で看板が流されていたのですが、今日新しく設置しました。この最終水場、お客様から「新穂高から槍平まででバテちゃって、ちょっと体力的に自信なくて、槍まで行けるかなぁ・・・」と相談された際に、「最終水場まで歩いてみて、行けそうだったら登るのもありですし、やっぱりキツイな、と思ったら戻って来て下さい」と提案させて頂く目安のポイント。皆様も覚えておいて下さいね。

 

お食事中の皆様、失礼いたします。槍ヶ岳方面登山道、標高2400m付近。登山道のド真ん中に”くまモン”の落し物が!先日もお伝えしましたが、北アルプスは全域がツキノワグマの生息域です。鈴を鳴らしたり、ラジオを流したりしながら、不要な衝突が起きないように気を配って下さい。登山者は”彼らの場所”にお邪魔しているとも言えるわけですしね。

 

ややオッカナイ大自然の風景から、思わず目を細めてしまうような可愛らしい風景も。こちらは南岳直下の雪渓上で見かけたライチョウのヒナ。お母さんライチョウと、おとなし目?のヒナ2羽はハイマツの影にいましたが、ヤンチャ坊主たち3羽が雪渓上で遊んでいました。

 

こちらは厳しい急登が続く南岳新道、標高2500m付近。滝谷の絶景はあいにくガスの中でしたが、咲き始めたニッコウキスゲと、尾根を渡ってゆく涼しい風が一瞬だけ、疲れを忘れさせてくれます。街では得られない風景、経験を、十分な装備と、冷静な天候判断のもとに、これからの夏山シーズンで楽しんで下さい。皆様の笑顔あふれる登山道に、今シーズンもなりますように。お待ちしています!

 

それでは本日の気象情報。

午前6時。

 

午後6時。

 

 

 

 

 


最新登山道情報(南岳新道)20170719

2017年07月19日 | 日記

こちらもあわせてご覧ください。登山道注意情報(南岳新道)20170721


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槍平小屋ライブカメラ(滝谷渡渉部)

(保存版)滝谷架橋部の水量増減について


槍平小屋ライブカメラ(大キレット方面)


槍平小屋ライブカメラ(槍ヶ岳・飛騨沢方面)


本日、19日現在の南岳新道のルート状況をお知らせします。画像は標高2100m付近の南沢です(南沢右岸・槍平側より)。現在はまだ残雪が多く、表面はスプーンカット状になってきています。画像右手の南岳新道への取付き点まで、本日現在の雪量であれば比較的安心して雪上を歩いていけます。しかしながら、今後、この南沢についてはスノーブリッジ、クレバスが発達を始めます。その場合は、安全なルートをご自身で判断して頂き、”雪の厚い場所を通過する”のか、”雪渓の端まで一度トラバースしてガレ場を取付き点まで登り返すのか”など、ある程度の経験、体力が必要となります。特に、雪上でルートファインディングするとなると、想像以上に雪渓上を上り下りする可能性があります。標高2100m付近の、この雪渓上については夏道が十分に露出するまではピッケル、アイゼンの携行をお願いします。

 

南沢左岸(南岳側より)。中央に見える土砂は先日までの大雨で南岳西尾根から流れ出たものです。本日現在、槍平側から南岳側へは、雪渓上に流れ出たこの堆積土砂を乗り越えて進みます。

 

槍平側から、対岸の南岳新道取付き点に向かう際には、画像中央やや右手にみえる、赤いコーンを目印にして下さい。槍平側から、南岳側への取付き点までの標高差は40m程度。雪渓上を間違って上へ登らないように注意して下さい。

 

次に、南沢上部(標高2700m付近)のルート状況です。木道終了地点から南沢カールへの下り、トラバースルートの状況です。

 

木道から鉄ハシゴを降りてすぐ、鎖場にまだ残雪があります。トラバース箇所まで行けば南岳小屋のスタッフさんが雪を切ってくれているので通行に問題はないのですが、そこへたどり着く直前の場所は注意が必要です。水平距離にして10m程度ですが、画像にある雪渓を左手側に踏み外すと、100m近く滑落の恐れもあります。安易に雪上には乗らず、注意して通行して下さい。

このトラバース箇所を過ぎてから上部には、夏道を隠す雪渓が若干残っていますが、キックステップで進める程度です。また、ガレ場には旗竿が立っているので、ルートを外す心配はほぼありません。本日19日現在は、このトラバース箇所までをいかに安全に通過するか、というのがポイントになると思います。

 

最後に、今日のルート偵察中に出会った登山者の方。カメラ機材もかなり背負っていらっしゃいましたが、ザックにはしっかりとピッケルが。「装備が重くなるから、ピッケルとか、アイゼンとか、持って行きたくないんだよね」という方は、そもそも、この南岳新道の急登に耐える体力がご自分にあるのかどうか、冷静に考え直して下さい。装備の軽量化も大事ですが、考え方まで軽くなってしまうのは、とても危険だと感じています。

 

 

 

 

 

 


最新登山道情報(槍ヶ岳・飛騨沢ルート)20170719

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槍平小屋ライブカメラ(槍ヶ岳・飛騨沢方面)


 

本日19日現在の槍ヶ岳・飛騨沢ルートの状況をお知らせします。画像は標高2550m付近。千丈沢乗越への分岐点から飛騨乗越方面を見たところです。

 

飛騨沢の雪解けは進んでおり、本日現在で通行に注意が必要な箇所は標高2850m付近の急斜面に残る雪渓です。夏道を隠している区間は、水平距離にして15m程度。荷物量が極端に多くない方で、ソールのしっかりした靴でキックステップが出来る方であればアイゼンの必要はありません。テント二泊以上など荷物量が極端に多い方、雪上の歩行に慣れていない方は軽アイゼンをお持ち頂けば、より安全に通過出来ます。

槍ヶ岳・飛騨沢ルートについては、おそらく、あと一週間すれば完全に雪の影響はなくなるものと思われます。しかしながら、長野県側へ下山する方、稜線から南岳新道方面へ向かう方については最新の残雪情報を入手して、必要な装備を携行して下さい。