槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

滝谷架橋部の水量増減について

2016年07月30日 | 日記

(ご注意)日時は2016年7月のブログ更新当時のものになります。

雨の予報が続く中、お客様からの天候、及び沢の増水状況についてのお問い合わせが増えています。繰り返し申し上げておりますが、沢の水量は降雨状況によって刻一刻と変化しており、時には15分前まで渡渉可能であった場所が、15分後には渡渉不能となることもあります。電話口で安易にお答えすることは出来ません。

本日7月30日は滝谷架橋部において顕著な水量の増減が見られましたので、具体例としてお知らせします。

※最新の画像はこちらからご確認頂けます。槍平小屋ライブカメラ(滝谷架橋部)

 

昨夜より降り続いた雨で、激しい増水が見られる滝谷(午前4時58分撮影)。

 

3時間後、雨脚の弱まりとともに水量が減少し始めました(午前7時58分撮影)。

 

6時間後、水量は更に減り、平常時に近い水量になっています(午前10時58分撮影)。我々小屋関係者が「雨が止めば水は引きます。絶対に無理な渡渉をしないで下さい」と申し上げるのは、以上のようなことからです。

 

一方で、大雨が降れば急激な増水が起こります。以下は本日午後の滝谷架橋部の増水状況となります。

お昼前には雨も上がって薄日も差し、水量も落ち着いてなんの心配もない滝谷架橋部の水量です(午後1時28分撮影)。

 

その後、再び雨が降り始め、午後2時02分、槍平小屋の簡易気象計は63mm/hの猛烈な雨を記録しました。上記撮影画像からわずか1時間後に再び激しい増水が始まっています(午後2時28分撮影)。

 

以上のことからご理解頂けると思いますが、沢の状態は簡単に電話口でご説明出来る種類のものではありません。皆様に申し上げられるのは、「危険を感じるような水流の中に踏み込んで、無理に渡渉しようとすることは絶対にやめて下さい」、「雨が止めば必ず水は引きます。ただ待つだけで手に入る安全があります」ということです。

海の日連休前に更新いたしましたこちらのブログ記事も再度ご確認下さい。

天候・登山道状況のお問い合わせについて(07月15日 06:30)

急激な増水の危険は滝谷だけでなく、白出沢、チビ谷、南沢の各沢についても同様です。悪天候時には、まず、入山の可否を冷静に、客観的に判断して下さい。また、行動中に悪天候に見舞われた際には、このブログ記事を思い出して、ご自分の生命をしっかり守って下さい。

 

 

 


最新の画像もっと見る