槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

槍平小屋ニュース 20170707

2017年07月07日 | 日記

槍平小屋ホームページ はこちらです。http://www.yaridairagoya.sakura.ne.jp/


槍平小屋ライブカメラ(滝谷渡渉部)

(保存版)滝谷架橋部の水量増減について


槍平小屋ライブカメラ(大キレット方面)


槍平小屋ライブカメラ(槍ヶ岳・飛騨沢方面)


お仕事に出かける”お父さん”の荷物が気になって仕方がないシリーズの第二弾(笑)。モカちゃん、今回もしっかり小屋のお手伝いをしてくれて、夕方元気に大阪へ戻っていきました。また秋に待ってるよ~!ありがとう~!

 

あらら、”ムスメ”がもう一人いました(笑)。救急箱、重くはないんですが、バランスは最悪な形状です(苦笑)。

 

今日は飛騨沢の標高2550m付近に救急箱を設置後、残雪状況の確認も行いました。長雨でほとんど雪は解けたかな?と期待していたのですが、夏道が全て出て来るには今しばらく時間がかかりそうです。万全の装備でお越し下さい。7日現在の登山道情報はこちら

 

雪解けの進む飛騨沢ではハクサンイチゲや・・・。

 

残雪を背景に咲くシナノキンバイや・・・。

 

どこかエレガントなキバナシャクナゲや・・・。

 

”くまモン”のお友達!?も元気に笹薮を駆け抜けていきます。って、えっ!飛騨沢の、千丈沢乗越への分岐から中崎尾根に入って少し歩いた時、遠くに黒い塊がゴソゴソしているのが見えました。笹薮の下で、何かの根っこを齧っていたようです。鈴を鳴らしながら近づいたワタクシに「あっ!見っかっちゃった!」という表情をして(たぶん)、でも、まだ根っこ齧りにも未練があるようで。さらに近づくと、笹薮の中を転げ落ちるように駆け下っていきました。

北アルプスは全域がツキノワグマの生息域ですし、先に住んでいたのは彼らです。彼らの気配を感じたり、直接出会ったりすることは、特に珍しいことではありません。ここはひとつ、脳ミソの大きな我々の方で不要な衝突が起こらないよう、知恵を絞ることにしましょう。中崎尾根に限らず、入山したら必ず鈴を鳴らして歩いて下さいね。それから、もうひとつお願いが・・・。小屋の中では鳴らないように(特に早朝!)、上手にパッキングしておいて下さい。午前3時前に目が覚めてしまう、ワタクシからのお願いでした(笑)。

 

それでは本日の気象情報。

午前6時24分。

 

午後6時01分。

 

 

 

 

 

 


最新登山道情報(槍ヶ岳・飛騨沢ルート)20170707

2017年07月07日 | 日記

本日7日現在の槍ヶ岳・飛騨沢ルートの状況です。画像は標高2700m付近より飛騨乗越方面を撮影したものです。槍平から飛騨沢の標高2700m付近まではほぼ夏道で、ほとんど雪の影響はありません。

 

 

しかしながら、標高2700m~2850mにかけての急斜面に雪渓が残っており、この区間の夏道は8割以上が雪の下です。今日の残雪確認に向かった小屋スタッフは、この区間でピッケル、アイゼンを使用しました。画像は標高2850m付近の雪渓上端より。

最近は様々なインターネットサイトに山行記録が投稿され、例えば、今の時期にこのルートをピッケル、アイゼンなしで登った、というものもあるかもしれません。ただ、その投稿者が次に登る登山者の安全を保証してくれるわけではありませんし、その投稿を見た方との経験、体力の差、当日の天候など条件は同じにはなりません。

山小屋から発信する登山道情報は、個人山行記録とは違い、このルートを通るであろう全ての方々を念頭においています。夏の槍ヶ岳・飛騨沢ルートに関して言えば、小学生から80代の方まで。この情報を見た登山者の方が、「ちょっと重くなるけど、ピッケル、アイゼンはやっぱり持っていこう」と、装備の再点検をして下さったり、あるいは、ファミリー登山を計画中の方が「子どもは雪道慣れてないし、もう少し雪解けを待って計画しようかな」など、いずれにしてもその方々が登山道情報をきっかけに、より安全に山で行動出来る方向へ進んで頂けたら幸いです。