槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

最新登山道情報(南岳新道)20170719

2017年07月19日 | 日記

こちらもあわせてご覧ください。登山道注意情報(南岳新道)20170721


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槍平小屋ライブカメラ(滝谷渡渉部)

(保存版)滝谷架橋部の水量増減について


槍平小屋ライブカメラ(大キレット方面)


槍平小屋ライブカメラ(槍ヶ岳・飛騨沢方面)


本日、19日現在の南岳新道のルート状況をお知らせします。画像は標高2100m付近の南沢です(南沢右岸・槍平側より)。現在はまだ残雪が多く、表面はスプーンカット状になってきています。画像右手の南岳新道への取付き点まで、本日現在の雪量であれば比較的安心して雪上を歩いていけます。しかしながら、今後、この南沢についてはスノーブリッジ、クレバスが発達を始めます。その場合は、安全なルートをご自身で判断して頂き、”雪の厚い場所を通過する”のか、”雪渓の端まで一度トラバースしてガレ場を取付き点まで登り返すのか”など、ある程度の経験、体力が必要となります。特に、雪上でルートファインディングするとなると、想像以上に雪渓上を上り下りする可能性があります。標高2100m付近の、この雪渓上については夏道が十分に露出するまではピッケル、アイゼンの携行をお願いします。

 

南沢左岸(南岳側より)。中央に見える土砂は先日までの大雨で南岳西尾根から流れ出たものです。本日現在、槍平側から南岳側へは、雪渓上に流れ出たこの堆積土砂を乗り越えて進みます。

 

槍平側から、対岸の南岳新道取付き点に向かう際には、画像中央やや右手にみえる、赤いコーンを目印にして下さい。槍平側から、南岳側への取付き点までの標高差は40m程度。雪渓上を間違って上へ登らないように注意して下さい。

 

次に、南沢上部(標高2700m付近)のルート状況です。木道終了地点から南沢カールへの下り、トラバースルートの状況です。

 

木道から鉄ハシゴを降りてすぐ、鎖場にまだ残雪があります。トラバース箇所まで行けば南岳小屋のスタッフさんが雪を切ってくれているので通行に問題はないのですが、そこへたどり着く直前の場所は注意が必要です。水平距離にして10m程度ですが、画像にある雪渓を左手側に踏み外すと、100m近く滑落の恐れもあります。安易に雪上には乗らず、注意して通行して下さい。

このトラバース箇所を過ぎてから上部には、夏道を隠す雪渓が若干残っていますが、キックステップで進める程度です。また、ガレ場には旗竿が立っているので、ルートを外す心配はほぼありません。本日19日現在は、このトラバース箇所までをいかに安全に通過するか、というのがポイントになると思います。

 

最後に、今日のルート偵察中に出会った登山者の方。カメラ機材もかなり背負っていらっしゃいましたが、ザックにはしっかりとピッケルが。「装備が重くなるから、ピッケルとか、アイゼンとか、持って行きたくないんだよね」という方は、そもそも、この南岳新道の急登に耐える体力がご自分にあるのかどうか、冷静に考え直して下さい。装備の軽量化も大事ですが、考え方まで軽くなってしまうのは、とても危険だと感じています。

 

 

 

 

 

 


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