槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

(重要)槍ヶ岳・飛騨沢ルート落石情報 20200531更新

2020年05月31日 | 日記

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2020年5月19日に起きた地震の影響による登山道への落石被害が確認されましたのでお伝えします。新穂高~槍平小屋間では右俣谷林道を含め、複数箇所で落石が起きています。上記画像は滝谷避難小屋直下の落石状況になります。従来より落石の多い場所ですが、1998年8月(地震)、2019年5月(雪解け時)の規模を上回る大規模な落石です。

2019年5月の落石情報もあわせてご覧下さい)

 

手を触れている岩が1998年8月の落石。

 

落石は、大きいものでは乗用車サイズです。また、落石の起点となっている山肌は脆く、今後も大雨や地震の影響で新しい落石が起きる危険があります。

 

滝谷~南沢間の落石。左端のピッケルと大きさを比べて下さい。

 

右俣谷林道の落石状況(白出沢直前)。

 

右俣谷林道では落石だけでなく、車道に深い亀裂も走っており危険な状況です。

 

落下の衝撃で石と石がぶつかりあうと、落石は小さな破片となります。登山道上部で落石が起きた場合には、落石本体が転がって来る間に散弾銃の弾のように石の切片が頭上から降ってくることになります。登山道そのものが平坦な樹林帯であっても、ヘルメットの着用は必須です。

2020年5月31日現在、新型コロナウイルスの影響で県外からの登山者には登山自粛が求められており、また、ほとんどの山小屋も7月中旬までは営業を休止しています。万が一、事故が起きた場合も登山者がほとんどいないため、誰かに発見され、救助要請をしてもらえる可能性も非常に低くなっています。加えて、これから梅雨の季節を迎え、登山道上の落石リスクは高まり、大雨による沢の増水など登山をするコンディションはしばらく安定しません。まだ落ち着きを見せない群発地震も無視できないリスク要因です。来月19日以降、県境を超えての往来自粛も緩和されていく見込みですが、槍ヶ岳・飛騨沢ルートに関しては新型コロナウイルスとは関係なく、梅雨明け前の入山は控えて頂ければと考えます。登山自粛が続き、一日も早く山へ向かいたい方々は大勢いらっしゃると想像しますが、どうぞ慎重に登山計画の見直しをお願いいたします。


※ ヤマップさん(YAMAP)の”山小屋支援プロジェクト”に参加させて頂きました。

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槍平小屋ニュース 20200518

2020年05月17日 | 日記

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本日現在も8都道府県にお住まいの皆様におかれましては、未だ緊急事態宣言下の不自由な生活の中にいらっしゃると思います。そして、医療従事者の皆様、我々が日常生活を営む上で欠かせない業務を日々遂行して頂いている複数の業種の皆様に心より感謝いたします。

岐阜県在住の私更新担当も緊急事態宣言以降、県境をまたぐ移動は行わず、不要不急の外出は控えていました(基本的に現在も)。そんな日々ではありますが、健康を維持するための運動は感染予防に留意して行っています。自宅から徒歩10分ほどの場所に神社があり、その裏山から続く遊歩道を早朝1時間ほど歩いたり走ったりするのが日課となりました(マスク着用の上)。先月末のこと、いつも通るコース脇の茂みの中にいたカモシカと目が合ったのですが、数日前に今度は遊歩道上でバッタリ再会しました。「あら!この前おうたっちゃないと?元気にしとったね!」と、10メートルほど手前から話しかけつつ近づいたのですが、逃げることもなく、私達は普通に、2メートルほどのソーシャル、というか、ナチュラル?ディスタンスを開けてすれ違いました。博多弁でいきなり話しかけられて、戸惑って固まっただけかもしれませんが・・・。

新型コロナウイルスは2020年の今年だけではなく、今後の世界を大きく変えてしまうことは間違いないと思います。当然、山小屋もその変化から逃れることは出来ません。「お客様に安心してお越し頂けるようになるだろうか?そのためにはどのような体制で、何をどれだけ準備すればよいのだろうか・・・。」答えがすぐには出せず、不安も、もどかしさも感じているのが正直な気持ちです。このブログを読んで下さる皆様の中にも、日々の生活やお仕事の上で、深刻な問題を抱えざるを得なくなった方もいらっしゃると想像いたします。何もかもが一気に解決することを期待するのは現実的ではないとしても、「よし、久々に山に登るか!」という気持ちの余裕を持って頂けたとき、気楽に登って来て頂ける環境が整うことを願い、小屋としても最大限努力せねばと強く感じています。今までのように、どこへでも自由に登山が出来る状態となるには、もう少し時間が必要です。けれど、登山者の気配が消えた山の中で、もしかしたら今、動物たちは生まれて初めての開放感を味わっているのかもしれません。「それは良かった!」と素直に喜べない現実が人間側にはそのままあるのですが、今は彼らにいったん主役の座を譲り、次にまたその空間に、そっとお邪魔させてもらえる日を、可能な限りココロを波立たせることなく(難しいですが)、いま出来ることをすべて行いながら待ちたいと思います。皆様におかれましても、まずはご自身、そして周りの大切な方々の健康を守り、山への熱い思いを大切に、どうぞ元気にお過ごし下さい。

 


(お知らせ)緊急事態宣言解除後の登山自粛要請について 20200518更新

2020年05月17日 | 日記

 ヤマップさん(YAMAP)の”山小屋支援プロジェクト”に参加させて頂きました。

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5月14日付で岐阜県を含め、全国39県の緊急事態宣言が解除されました。宣言の解除を受け、岐阜県、および山岳4団体から本日付で登山自粛要請が更新されましたのでお知らせします。

新型コロナウイルス感染拡大防止を踏まえた登山について(岐阜県)

先月20日に山岳4団体から出された登山自粛要請も5月18日付で第二報として更新されています。

山岳4団体からのお知らせ(2020年5月18日更新)

上記2機関の発表を大まかにとらえると、”緊急事態宣言継続中の地域での登山、都道府県をまたいだ登山、および、多人数での登山”については引き続き自粛が求められているようです。一方、それに当たらない形態での登山であれば解禁されているのか、と考えた場合、特に岐阜県が今日発表している内容を見る限り、「とはいえ、出来るだけ自粛して下さい」というニュアンスが含まれていることにも気づきます。現状では「緊急事態宣言が解除されている県の、県内在住者が、県内の山岳に、感染予防に留意して、少人数で県境をまたがない形での登山については一定の制限緩和がみられた」と受け止めることは出来るかもしれません。今後の感染拡大状況(第二波、第三波)でまた変更の可能性は残りますが、一ヶ月前よりは確実に前進している、と、期待も込めて感じています。

槍平小屋では当面の間、小屋建物の保守・点検、また、他山域で発生している小屋荒らし被害防止のため、小屋スタッフが不定期に入山して作業に当たる形となります。キャンプ場トイレ、水場につきましては、小屋スタッフの常駐が始まるまでは十分な管理・清掃が出来ませんので当面は使用中止とさせて頂きます。冬季小屋につきましても、引き続き使用自粛をお願いいたします。

平常時のシーズンであれば、登山道・残雪情報や、現地スタッフの活動状況などをブログ更新しております。新緑まぶしい初夏の槍平は、雪渓を割って流れる沢の向こうに雄大な穂高連峰が望める美しい季節です。どこにカメラを向けても画になるシーズン。皆様に槍平小屋の存在を、こんな時だからこそアピールしたい思いはあふれるほどにあります。しかしながら今季に限っては、今しばらく、更新を控えさせて頂きます。緊急事態宣言がまだ解除されない地域もあり、自由な登山が出来ない方々も多くいらっしゃいます。そして、自粛要請を守れない登山者にとっては、そういった情報のすべてが、自粛を破って入山してしまう誘発要因になり得てしまいます。一日も早く、皆様に2020年シーズンの槍平の風景がお届けできますように。

先月の小屋ブログで、今季の営業形態について6月1日を目処に皆様にお知らせする旨を更新させて頂いておりますが、状況によっては正式な発表が遅れてしまうことも考えられます。どうぞご了承下さい。詳細が決定され次第、速やかにお知らせをいたします。


※ 山岳4団体からのお知らせ(2020年5月18日更新)

※ 新型コロナウイルス感染拡大防止を踏まえた登山について(岐阜県)

※ 槍平冬季小屋使用自粛のお願い・キャンプ場トイレ使用中止のお知らせ

  閉鎖されているキャンプ場トイレの様子・・・(槍平小屋facebookより)

※ バス路線運休・登山者用駐車場閉鎖について(奥飛騨温泉観光協会より)