槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

最新登山道情報(左俣林道~中崎尾根~奥丸山) 2021/05/31

2021年05月31日 | 日記

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わさび平小屋を過ぎ、しばらく歩くと左俣谷にかかる橋が出てきます。

 

ロープをまたいで進みます。

 

廃道になった林道を少し歩くとこの標識が出てきます。

 

林道跡からピンクの標識(画像中央)がある登山道へ入ります。

 

下丸沢(標高1580m付近)を渡ります。このルートは、槍平小屋から新穂高方面登山道が大雨による増水で通行できない場合にエスケープルートとして(今回と逆ルートで)使われることがありますが、左俣林道に出る直前に、この下丸沢を渡渉する必要があります。沢の幅は12、3mあります。エスケープ時は悪天候時、あるいは悪天候直後のはずで、この沢の水量も多くなっていることが予想されます。渡渉には十分注意して下さい。

 

標高1600m付近。

 

中崎尾根に向けて、急登が続きます。

 

標高2040m付近。画像では伝わりづらいですが、滑りやすい岩の斜面があります。下山時には特に注意して下さい。

 

中崎尾根上にある、分岐標識(標高2120m付近)。標識には中崎山経由~新穂高の文字がありますが、このルートは通行困難な状態です。

 

分岐から5分ほど進むと、根こそぎ倒れた木が原因?の崩壊箇所があります。注意して通行して下さい。

 

中崎尾根分岐から奥丸山に向かう上で、一番注意が必要なのがこのキレット部です。地理院地図で見ると、2355mピークから下って登り返す部分になります。

 

キレットの最低部は平らなのですが、両側ともかなりの傾斜があり、滑落した場合には数十メートルの滑落となる危険があります。慎重に通過して下さい。

 

2021年5月31日時点では、奥丸山山頂にまだ積雪が見られます。

 

中崎尾根上のルートは前述したキレット部の通過と、笹薮でルートを見失うこと(尾根が広くなっている部分など)に注意が必要です。踏み跡以外にも、標識テープの確認を忘れないようにして下さい。

 

奥丸山へは槍平小屋からのアプローチが便利ですので、小屋スタッフの定着入山後(6月中旬以降)には槍平~奥丸山ルートの情報も発信していきます。北アルプスの大展望台、奥丸山デビューを今年こそいかがでしょうか!

奥丸山からのパノラマ動画(2021年05月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


槍平小屋ニュース 2021/05/25

2021年05月25日 | 日記

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前回入山時にはまだ雪に埋まっていたのですが、今年も槍平神社に無事、お参りが出来ました。今シーズの登山安全、そして今年こそは!の疫病退散!をお願いしてきました。槍平神社はキャンプ場から奥丸山登山道方面へ3、4分歩いた場所にある、小さな祠です。更新担当、この25年は山で大きな怪我をしたことはありませんので、ご利益あるんじゃないでしょうか!

 

♪ 山は何年間存在し続けられるのだろうか 海へと洗い流される前に・・・

毎シーズン、特に中崎尾根側の土砂流出を目にするたびに、このフレーズがリアルに思い浮かびます。ボブ・ディランも80歳になりました。もう10年以上前になりますが、彼のライブで入場待ちの列に並んでいたら、すぐ前にロングコートをバッチリ決めたピーター・バラカンさんがいたのを思い出します。早くまた、好きなアーティストのライブにも自由に行ける環境が戻って欲しいですね。更新担当のライブ体験は、2019年の”菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール”で止まったままです。

 

雪解けは嬉しいのですが・・・。この時期には見慣れた、冬山登山者が放置したゴミとトイレ跡。これまでに数えきれない数の(いや、数えたくない…苦笑)トイレ跡を処理してきたので、今はもうメチャクチャに腹が立つ!ということはありません。トイレ跡だけなら「もしかしたら、急にもよおしたのかもしれないし。風雪がひどくて、小屋陰にしゃがんじゃったのかな?」など、やむを得ない理由があったのではないか、と考えることも今は出来ます。ただ、この画像は自身のトイレ跡に食材ゴミ、電池、タバコの吸い殻、なぜかアクセサリーのカラビナまで一緒に捨ててありました。あの、私は全然怒っていないです。むしろ、心配しています。ある確かな情報筋!から聞いたのですが、「山の神様がマナーのヒドイ登山者については、厳冬期の槍ヶ岳単独登頂成功だろうがなんだろうが、登頂取り消しにする!」と話しているらしいのです(信じるか、信じないかは・・・)。冬山のエキスパートであっても、街に降りたとたん、”山で自分のトイレ跡にゴミ捨てる人”としか認識されないとしたら、ちょっと悲しいです。自身の登山経験の価値を、自分自身で下げてしまうことがないように。

 

さすがにウ〇コの話では終われません!滝谷、チビ谷周辺登山道の倒木処理の道すがら、ピークをやや過ぎたニリンソウの群落の脇にサンカヨウを見つけました。昨夜の雨にしっとり濡れて、半透明の花びらが本当にキレイです。このセクシーな姿に出会うと、「もうすぐ夏だなぁ~」という気分になります。春、秋、冬については気配を感じると「足音が聞こえてくる」という表現がされますが、”夏の足音”って、あまり聞かないですね。きっと、夏はビーチサンダルを履いて歩いてるからですね(笑)。登山靴の皆様が、新緑眩しい夏の槍平に元気な”夏の足音”を響かせにいらっしゃるのを心よりお待ちしております。今シーズンの営業開始は7月12日(月)からとなり、小屋泊については完全予約制となります。詳しくは小屋ホームページをご確認下さい。

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槍平小屋ニュース 2021/05/12

2021年05月12日 | 日記

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今年のGWは各地で山の事故が起きてしまいました。槍平から飛騨沢を登った3名の方も亡くなられています。とても悲しく、残念な出来事でした。心よりご冥福をお祈りします。

今回のように山の事故が起きた時、様々な意見が常に飛び交います。遭難事故防止に向けた建設的な意見もあれば、ある種の興奮とともにSNS上でご遺族やお仲間への配慮もない言葉が並べられることも。そんな中で、とても心配していることがあります。今回の事故当日、別ルートを含め、やはり入山していたグループは複数ありました。あるグループは「自分たちは無理をせずに引き返したから問題なし」と、自身の行動の正当性を主張するかもしれません。もちろん、その行動は正しいです。けれどもあの日、「数日前からかなり積雪が増えてる。入山は危険だ」と、入山そのものを中止した人達はその何倍もいらっしゃったはずです。自身の選択、決断が常に最善であるかどうかは、簡単に判断することは出来ません。遭難する登山者と、遭難しない登山者の両者には、目に見えるはっきりした区別はなく、誰もがどちらにもなり得ます。ネット上のやりとりを観察していると、「自分は大丈夫」と考えている方が多いように感じます。今一度、「誰もがどちらにもなり得る」ということを忘れずに登山と向き合って頂ければ、と感じています。

 

話が長くなってしまいました。記録的な早い梅雨入りのニュースも南から届きはじめました。槍平の除雪入山もお天気が安定しているうちに、と。まだまだ小屋裏手には二階まで雪があります。

 

融雪ホース、頑張って!頼んだよ!

今シーズンも営業期間には登山道情報だけでなく、標高およそ2000mの槍平の魅力を現地から皆様にお届けして参りますので、どうぞよろしくお願いします。

 

 

 


(保存版)新穂高入山口周辺駐車場案内動画  2021/05/01更新

2021年05月01日 | 日記

新穂高駐車場マップで位置関係を最初に確認して下さい。

 

新穂高登山者無料駐車場(P5)案内・・・槍ヶ岳・飛騨沢ルート入山口に一番近い無料駐車場です。

 

鍋平方面登山者無料駐車場(P8)案内・・・P5が満車の場合、少し離れた場所の無料駐車場です。

 

P8から新穂高登山指導センター連絡道案内・・・鍋平登山者無料駐車場(P8)から新穂高入山口方面への連絡道の紹介です。

 

※平湯~あかんだな駐車場案内・・・新穂高入山で上高地下山などの場合に便利な有料駐車場です(平湯バスターミナル利用)。

 

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