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向陽中、桐蔭中のどちらを受験するか

2019年05月20日 | 中高一貫校対策

下の表は平成31年度中高一貫校の受験者数と倍率です。

桐蔭中は欠席者が48名と向陽中の約2.5倍もあります。

これはおそらく、他校(和大付属中や他の私立中学)への

進学へと流れたのが原因と思われます。

学校名

定員

A

出願者数

B

欠席者数

1月26日

欠席者数

1月27日

受検者数

C

倍率

C/A

             
県立向陽中学校 80名 318名 19名 20名 298名 3.73倍
県立桐蔭中学校 80名 288名 48名 48名 240名 3.0倍

倍率をみても、向陽中への傾斜が顕著ですね。

 

どうして向陽中のほうが人気があるのでしょう?

きっと、それは向陽中が全国に先駆けてできた

歴史があるからだと思います。

 

向陽中の立ち上げ時を知っている方は少ないと思います。

私は、今から20年前ほどですが、和歌山県私塾組合の

理事をしておりまして、和歌山県教育委員会との

話し合いを定期的に開いておりました。

 

中高一貫校に関するヒアリングという形で、まだ

これから立ち上げる向陽中学校にたいする希望や

意見などを忌憚なく話し合ったことを鮮明に覚えています。

公教育に新風が吹き始めた瞬間に立ち会えて、

とてもワクワクしたことを覚えています。

 

県教育委員会も全国的に早い段階で中高一貫校を

開くわけですから、いわゆるパイオニアとしての

責任とまた多くの方からの期待を背負って中高一貫校を

準備したと思います。

 

和歌山が中高一貫校の先鞭を切れたのは、当時の教育長が

先進的な教育を率先して導入していた尾関洋治氏が

教育会を引っ張っていったからだと思います。

やはり、教育会でもリーダーが大事だと思います。

 

向陽中が魅力的に見える理由としては、

環境学科という理系学科で指導にブレがないこと。

また受験で合格した80名がクラス編成はあれども

最後まで継続できるところが良いと思います。

この制度によって、中1から高3までの6年間を

効率的に教育できる態勢が取ることができます。

 

その証拠に、私の塾で勉強していたK君は、

向陽中の生徒ですが、

高校生になってから、

授業の一環で、京大、阪大、筑波大の

研究室に勉強に行っていましたし、

AIの技術ではなく、

エクセルで編集していたのですが、

短歌や俳句を作る大会に

学校から参加したりしていたことが、

今年の春に、広大のAO入試に

合格したきっかけを作ったと思います。

 

このように、

学業だけでなく、幅広い体験を授業として

参加することで、世界が広がるというのは

とても魅力だと思います。

 

一方、桐蔭中は普通科のくくりで、

高1の学年になると、高校から入ってきた

一般生とクラスが一緒になって、

高1で一度教育カリキュラムがリセットされてしまいます。

 

中学で受けてきた先進的な教育が、リセットされて、

高校で入ってきた一般生徒と一緒に一からやり直さなければ

ならないわけです。これはとても無駄なことです。

 

いわば、桐蔭中の生徒の皆さんにとっての

高1からの授業カリキュラムは、普通科のみなさんと

同じカリキュラムを受けるだけになってしまいます。

いかえれば、高校入試を猶予された

バイパスコースとしての位置づけのカリキュラムです。

これはもったいないといえば、もったいないです。

 

私が教育長ならば、桐蔭中学の生徒には、

やはり中高一貫校にしかできないことを

カリキュラムとして作り、高校入試を突破してきた生徒とは

別コースで指導し、高3になったら、大学受験指導においては

横断的に受験科目でクラス分けをするカリキュラムを作ると思います。

そのほうが、桐蔭中学に入った生徒はもっと

伸びると思いますが、いかがなものでしょうか。

 

中学受験において、

理系の大学に進みたいのならば

向陽中はいいでしょう。

しかし、文系、理系のどちらを選択していいか

まだはっきりしていない人は

桐蔭中学の受験をお勧めします。

 

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