杉並からの情報発信です

政治、経済、金融、教育、社会問題、国際情勢など、日々変化する様々な問題を取り上げて発信したいと思います。

【YYNewsLive】(再掲ブログ記事)なぜ「飯塚事件」の久間三千年(くまみちとし)死刑囚は死刑確定後わずか2年後にしかも再審請求準備中に死刑執行されたのか?

2018年03月15日 22時39分26秒 | 政治・社会
いつもお世話様です。                          

【YYNews】【YYNewsLive】【杉並からの情報発信です】【YYNewsネット世論調査】を主宰する市民革命派ネットジャーナリスト&社会政治運動家の山崎康彦です。

本日木曜日(2018年03月15日)午後9時から放送しました【YYNewsLiveNo2510】の放送台本です!

【放送録画】 67分18秒

http://twitcasting.tv/chateaux1000/movie/449046450

【放送録画】

☆今日の画像

①全米の高校生が授業ボイコット 乱射事件1か月で銃規制訴え

☆今日の推薦図書(朗読)

■宋鴻兵(ソン・ホビン)著『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ』(ランダムハウス2009年5月20刊)

この本は中国で150万部、韓国で7万部、台湾で3.5万部が売れたベストセラーです。

(序文より)

『本書では18世紀以降に起こった重大金融事件の黒幕にスポットを当て、彼らの戦略瀬的目的や常套手段を分析比較しながら、彼らが将来中国に対して仕掛ける攻撃方法を予測し、中国の取るべき道を探ってみたい。"硝煙のない戦争"はすでに始まっている』

▲第12回 (2018.03.15) 

第2章 国際銀行家とアメリカ大統領の百年戦争

本章の主題 (P52)

(1)今日のメインテーマ

■(再掲ブログ記事)なぜ「飯塚事件」の久間三千年(くまみちとし)死刑囚は死刑確定後わずか2年後にしかも再審請求準備中に死刑執行されたのか?

一昨日火曜日(2018.03.13)の放送の新コーナー【今日の拡散情報】でブログ記事『麻生財閥の暗い闇』を再掲して『麻生財閥の莫大な富は戦前朝鮮から強制連行した朝鮮人10000人以上をただ働きさせ奴隷労働で蓄積した富である』ことを暴露しました。

今日の放送の【今日のメインテーマ】でブログ記事『なぜ「飯塚事件」の久間三千年(くまみちとし)死刑囚は死刑確定後わずか2年後にしかも再審請求準備中に死刑執行されたのか?』を再掲し『麻生太郎の暗い闇』を追及します!

▲「足利事件」とは何か?

1990年5月12日、栃木県足利市にあるパチンコ店の駐車場から女児が行方不明になり翌13日朝、近くの渡良瀬川の河川敷で女児の遺体が発見された殺人・死体遺棄事件である。。事件翌年の1991年事件と無関係だった菅家利和さんが被疑者として逮捕・被告人として起訴された。菅家さんは刑事裁判で有罪(無期懲役刑)が確定し服役していたが、遺留物のDNA型が2009年5月の再鑑定の結果、彼のものと一致しないことが判明し彼は無実の冤罪被害者だったことが明らかとなった。

【画像1】「足利事件」の『でっち上げ冤罪=権力犯罪被害者』菅家利和さん

20180315菅屋利和S

▲「飯塚事件」とは何か?

1992年2月20日、福岡県飯塚市の小学校1年生だった女児2人(当時7歳)が登校中に行方不明になりその後殺害され遺棄されているのが発見された殺人・死体遺棄事件事件である。目撃証言によって被害者と同じ校区に住む無職男性久間三千年さん(当時54歳)が被疑者とされ逮捕・起訴されたが一貫して無実を訴えた。久間三千年さんは当時導入されたばかりの「DNA鑑定」が唯一の決め手となって刑事裁判で有罪(死刑)とされ2006年10月に最高裁で死刑が確定した。

久間三千年さんは、弁護団が再審請求準備をしている最中に死刑執行されたのである。
しかも日本の死刑囚の死刑判決確定から死刑執行までの期間が平均5年4カ月であるのに比べて「異様なほど短期間」わずか2年後に死刑執行されたのである。

【画像2】久間三千年さん他一名の死刑執行を発表する森英介法相(当時)

20180315飯塚事件森英介法相S

すなわち久間三千年さんの死刑執行は、東京高裁が「足利事件」の「DNA型再鑑定」を認めた2008年10月18日のわずか10日後の2008年10月28日だったのである。

【画像3】「飯塚事件」の『でっち上げ冤罪=権力犯罪被害者』久間三千年さん

20180315久間三千年S

【画像4】「飯塚事件」の目撃者の位置

20180315目撃証言

▲「足利事件」と「飯塚事件」の関連性とは何か?

それは、「飯塚事件」で無実を訴えた久間三千年さんを「犯人」にしたて上げ「死刑判決」を出し「死刑執行」させた唯一の証拠である当時の「DNA鑑定」=「MCT118型検査法」(DNAの配列の一部だけを目で見るなどして調べる方法)が「足利事件」の再鑑定の結果「証拠能力に欠け間違った鑑定結果を出した」ことが証明され菅家利和さんの無実が証明され、17年半もの刑務所生活から解放したことである。

すなわち、もしも久間三千年さんが死刑確定後わずか2年で死刑執行されずに「再審請求」が出されていたら福岡高裁は「足利事件」の菅家利和さんが要求していた「DNA型再鑑定」を東京高裁が認めたのと同じく、「DNA型再鑑定」を認めて現在の格段に精度の高い「最新DNA鑑定」の結果「当時のDNA鑑定は証拠能力に欠け間違った鑑定結果を出した」との結論が出て無実が証明されて釈放されていたはずである。

▲「飯塚事件」の暗い闇とは何か?

それは以下の三つだろう!

①久間三千年さんを死刑確定後わずか2年で死刑執行した最高責任者は誰なのか?

それは、事件が起こった九州「飯塚市」に権力基盤の『麻生財閥』を持つ当時の麻生太郎内閣総理大臣と森英介法相と当時の法務省・検察官僚と警察官僚と裁判官たちである。

②なぜ彼らは久間三千年さんの死刑執行を急いだのか?

なぜならば、「足利事件」に続いて「飯塚事件」でも「当時のDNA鑑定が証拠能力に欠け間違った鑑定結果を出した」ことが証明され『でっちあげ冤罪』が暴露され責任追及されるのを恐れた当時の麻生太郎内閣総理大臣と森英介法相と法務省・検察官僚と警察官僚と裁判官たちが無実の久間氏を犯人にしたまま死刑執行して証拠を隠滅して『自らの権力犯罪』を隠蔽したのである。

③なぜ福岡地裁と福岡高裁は久間三千年さんの死刑執行後に妻が『再審請求』してもことごとく棄却するのか?

それは、麻生太郎内閣総理大臣、森英介法相、法務省官僚、警察官僚による『久間三千年さんでっちあげ冤罪・権力犯罪』に裁判所も加担しているためである。彼らもまた『自らの権力犯罪』を隠蔽したいのだ。

【関連記事】

▲飯塚事件、再審開始認めず 死刑執行後の請求 福岡高裁

一條優太

2018年2月6日 朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASL244HL3L24TIPE00V.html

福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された飯塚事件で、福岡高裁は6日、殺人罪などで死刑が確定し、執行された久間三千年(くまみちとし)・元死刑囚(執行時70)の再審請求を退けた福岡地裁決定を支持し、弁護側の即時抗告を棄却した。岡田信裁判長は「犯人であることが重層的に絞り込まれている」と判断した。弁護側は特別抗告する方針。

確定判決によると、久間元死刑囚は92年2月20日、飯塚市内で7歳の女児2人を車に乗せた後に首を絞めて殺害。遺体を約20キロ離れた同県甘木市(現・朝倉市)の山中に遺棄した。

元死刑囚は捜査段階から一貫して無罪を主張したが、2006年に最高裁で死刑が確定、08年に執行された。翌年に元死刑囚の妻が福岡地裁に再審請求したが14年に棄却され、即時抗告していた。

即時抗告審では、女児の遺留品が発見された現場付近の車の目撃証言や、DNA型鑑定、血液型鑑定の信用性などが争われた。

車の目撃証言は、遺留品の発見現場付近を車で通りかかった男性が、反対車線に停車中の車を見たというもの。男性は元死刑囚の車と特徴が似た「紺色、ワンボックスタイプ、後部が(左右2本ずつの)ダブルタイヤ」などと詳述した。

弁護側は、男性の目撃証言が変遷したうえ、男性を聴取した警察官が元死刑囚の車の特徴を事前に調べていたなどとして「誘導があった」と主張していた。

高裁決定は目撃時の状況などを踏まえて、地裁決定と同様に「目撃証言の誘導をうかがわせるとは言えない。目撃証言の信用性は揺るがない」と指摘した。

飯塚事件のDNA型鑑定は、再審で無罪が確定した足利事件と同じ手法で、ほぼ同時期に警察庁科学警察研究所が実施した。弁護側は「真犯人の可能性のある型が見つかった」と訴えたが高裁も認めなかった。科警研が実施した血液型鑑定に関しても「技官の証言は信用でき、不合理だったとはいえない」と判断した。

足利事件では再鑑定で当時の鑑定の誤りが判明したが、飯塚事件では試料が残っておらず再鑑定できなかった。

地裁決定はDNA型鑑定について「確定判決の当時より慎重に検討すべきだ」と指摘する一方で、他の証拠を総合評価して「高度の立証がなされている」と結論付けた。高裁は「地裁決定に不合理な点はなく、正当なものとして是認できる」と判断。元死刑囚について「犯人だと認定するのが相当」とした。(一條優太)

     ◇

〈飯塚事件〉 1992年2月、福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が登校中に行方不明になり、約20キロ離れた同県甘木市(現・朝倉市)の山中で遺体が見つかった。94年に久間三千年・元死刑囚が逮捕され、殺人罪などで起訴された。

元死刑囚は捜査段階から一貫して無罪を主張。福岡地裁は99年、状況証拠を積み重ねて有罪認定し、死刑を言い渡した。2006年に最高裁で刑が確定。2年後に死刑が執行された。

09年に元死刑囚の妻が福岡地裁に再審を請求。14年に棄却され、福岡高裁に即時抗告していた。

■(再掲ブログ記事) なぜ「飯塚事件」の久間三千年(くまみちとし)死刑囚は死刑確定後わずか2年後にしかも再審請求準備中に死刑執行されたのか?

2017.09.13 ブログ『杉並からの情報発信です』

https://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/865ebb6a1dc53efa67bae7fe11276a49

(再掲ブログ記事開始)

久間死刑囚の死刑執行が行われた時期が、東京高裁が「足利事件」の菅家利和さんが要求していた「DNA型再鑑定」を認めた約10日後の2008年10月28日だったことを見れば、その理由はすぐわかるのだ。

すなわち、事件が起こった飯塚市を本拠地とする麻生太郎首相(当時、現副総理)と森英介法相(当時、現自民党衆議院麻生派議員)と当時の法務官僚と警察官僚が、「足利事件」に続いて「飯塚事件」でも『でっちあげ冤罪』が暴露され責任追及されるのを恐れて、『無実の久間氏を犯人にしたまま死刑執行して証拠を隠滅し自らの権力犯罪を隠した』のである。

久間氏の逮捕に踏み切った当時の福岡県警本部長は、綜合警備保障(ALSOK)の現会長村井温(あつし)であり、久間氏を起訴したのは当時の福岡地検の検事正で大相撲野球賭博騒動の際に日本相撲協会の理事長代行を務めた村山弘義だった。

以下のブログ記事は、無実の久間三千年氏が最後まで無実を訴えながら死刑執行された翌年の2009年10月12日にブログで配信した私の記事を加筆訂正して再掲したものです。

「飯塚事件」とは、なにか?

それは、国家権力を独占する権力者たち(首相、法務大臣、法務官僚、検事、警察官僚、裁判官)が冤罪の証拠隠滅を図るために共謀して、無実の人間(久間三千年氏)を犯人にでっちあげて死刑判決を出させて殺して典型的な『国家権力犯罪』であったということだ。
このことでわかるように、今我々に必要なことは以下の三つのことを国民全員が良く理解して行動することだろう!

①我々が生活している日本という国は、国家権力を独占する権力者による『国家権力犯罪』が100%免罪・免責される『恐ろしい無法国家』であること。

②彼ら国家権力を独占する権力者たちは、身代わりに無実の一般庶民を『凶悪犯罪者』にでっちあげて処刑する『恐ろしい暴力国家』であること。

③我々がなすべきことは、彼ら国家権力者たちが隠している事実・真実を暴露し広く知らせること、そして権力者たちによる『国家権力犯罪』を決して許さない闘いに決起すること。

▲「飯塚事件」とは?(Wikipediaより抜粋)

1992年2月20日、福岡県飯塚市の小学校1年生だった女児2人(当時7歳)が登校中に行方不明になった。その後、同県甘木市(現在の朝倉市)の雑木林で殺害され遺棄されているのが発見された。死因は窒息死だった。自白は得られなかったが導入されたばかりのDNA鑑定によって有罪判決が確定し、死刑が執行された初めての事例である。事件の概要から飯塚女児二人誘拐殺害事件とも呼ばれた。

■ 【再掲ブログ記事】(加筆訂正版)「足利事件」と「飯塚事件」を結ぶ黒い線

2009年10月12日 【杉並からの情報発信です】

https://goo.gl/yP1KEq

(転載開始)

「足利事件」を調べていたら似たような事件で「飯塚事件」を知りました。

「飯塚事件」が起こった福岡県飯塚市は麻生太郎市の「麻生財閥」の根拠地です。

二つの事件を結ぶ黒い線が見えてきました。

東京高裁が「足利事件」の菅家利和さんが要求していた「DNA型再鑑定」を認めたのが2008年10月でした。

第二の「足利事件」と呼ばれた「飯塚事件」(注1)の久間三千年元死刑囚(当時70歳)が麻生政権下の森英介法相の死刑執行命令書で福岡拘置所で死刑を執行されたのが2008年10月28日でした。

この二つの出来事に関連性があるのでしょうか?

一貫して無実を主張し「再審請求」と「DNA再鑑定」を要求していた「飯塚事件」の久間三千年元死刑囚をわざわざこの時期に死刑執行する特別の理由があったのでしょうか?
私は二つの出来事には強い関連があると思います。

久間被告の死刑執行が行われたのは、東京高裁が「足利事件」の菅家利和さんが要求していた「DNA型再鑑定」を認めたのと同じ時期の2008年10月です。

死刑判決確定後わずか2年でしかも再審請求準備中であった久間被告を死刑執行したのは偶然ではないと推測します。

東京高裁は2008年10月に「足利事件」の「DNA型再鑑定」を認め2009年2月に弁護側推薦の鑑定人と検察側推薦の鑑定人双方がDNA型再鑑定を開始しました。2009年5月には双方から全く同じ鑑定結論すなわち「菅家さんのDNA型と女児の下着に付着した体液の型が一致しない」という結果がでたのです。

「足利事件」で使用された1990年代初期の旧式DNA鑑定法である「MCT118型検査法」(DNAの配列の一部だけを目で見るなどして調べる方法)は、弁護人が主張してきたように「証拠能力に欠け間違った鑑定結果を出した」ことが証明されたのです。

これで菅家さんの無実が証明されました。

東京高検はこの鑑定結果をうけて刑の執行停止手続きをとり、千葉刑務所に服役中の菅家さんを今年の6月4日17年半ぶりに釈放したのです。

森英介法相と法務官僚は東京高裁が「足利事件」の「DNA再鑑定」を認める判決を出すことを事前に知っていたと思います。

福岡高裁が旧式DNA型鑑定法「MCT118型検査法」を使った「飯塚事件」のDNA型鑑定結果に疑問を持ち再鑑定することを認めることは時間の問題であり、森英介法相と法務官僚はかなり焦ったのではないかと推測されます。

なぜならば「飯塚事件」の「DNA型再鑑定」が開始されれば、「足利事件」と全く同じ結果、すなわち「二女児の死体遺棄現場から採取した微量の体液と久間死刑囚の毛髪とは同一人物のものではありえない」という結論が出ることは分かっていたのです。

司法3権力は、「足利事件」で無実の人間を無期懲役囚にするという犯罪を犯しましたが、「飯塚事件」では無実の人間を死刑囚にするという大犯罪を犯した事実を国民にしられる寸前のところまで追い込まれていたのです。

森英介法相と法務官僚は証拠隠滅のために久間三千年元死刑囚の処刑を早めたのではないでしょか?

もしそうであったならば国家的な犯罪そのものと言えるのではないでしょうか?

もしも2008年10月に久間三千年さんが死刑を執行されていなければ、「DNA再鑑定」が認めら最新のDNA型鑑定で彼の無実は証明されたはずです。

久間三千年さんは菅家さんと同じように今頃解放されて祝杯をあげていたはずなのです

(転載終り)

【関連記事】

▲再審却下の飯塚事件に冤罪の新証拠が

飯塚事件、なぜ再審を行わない?DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!

2017.09.10 Litera

http://lite-ra.com/2017/09/post-3445.html

死刑が確定から30年以上収監された末に2014年に再審が決定した袴田事件、逮捕から17年にして冤罪が明らかになった足利事件……。これまで数多くの冤罪事件が起こってきたが、冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に福岡県で起こった「飯塚事件」である。

そして、この飯塚事件にスポットをあて、冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ。

話題となっているのには理由がある。番組では、裁判所が死刑と判断した数々の証拠を検証し、それらに大きな疑問があることをことごとく指摘。警察による見込み捜査によって犯人に仕立て上げられ、ついには死刑を執行された疑いが濃厚であることを告発したのだ。

まずは事件のあらましを紹介しよう。この事件はいまから25年前の1992年2月20日に起こった。福岡県飯塚市の小1女児2人が登校中に行方不明になり、翌日遺体で発見される。捜査は難航したが、2年7カ月後に逮捕されたのが近所に住む久間三千年氏だ。

久間氏は一貫して無実を主張。一方、確固たる直接的な証拠がないなかで、99年に福岡地裁は死刑判決を下す。だが、それは数々の状況証拠を積み重ねただけのものだった。

たとえば、久間氏にアリバイがないことや、久間氏の車内座席から微量の血痕と尿痕が検出され、血液型が被害者の1人と一致したこと。被害者に付着した繊維片が久間氏の車座席シートと類似していること。また、被害者のランドセルなどが発見された場所での目撃された車の特徴が、久間氏が所有するワゴン車の特徴と一致したこと。そして、被害者の遺体から見つかった血液によって血液型とDNA型が判明したが、それが久間氏と一致したこと。これが有罪判決の何よりの決め手とされた。

そうして2006年10月に最高裁で死刑は確定。わずか2年後の2008年10月28日に久間氏の死刑は執行される。

問題は、この死刑執行のタイミングだ。じつは2008年1月に今回のドキュメントのチーフディレクターでもある清水潔氏が中心となり、日本テレビが足利事件の犯人として無期懲役が確定していた菅谷利和氏の冤罪報道キャンペーンを開始し、同年12月19日に東京高裁は足利事件のDNA型再鑑定をおこなうことを決定した。だが、10月17日の段階から再鑑定の方針はマスコミで報じられ、大きな話題となっており、菅谷氏と同様、当時の精度の低いDNA鑑定の検査法「MCT118」法によって犯人のDNA型と一致したことが有罪の理由とされ、死刑が確定していた久間氏にも注目が集まろうとしていた。にもかかわらず、足利事件のDNA型再鑑定の方針が報じられて約10日後というタイミングで、久間氏の刑は執行されたのだ。

DNA鑑定の誤りは、意図手的な証拠捏造だった可能性も

これについては当時から「足利事件で大きな批判を浴びているのに、死刑案件の飯塚事件まで冤罪が明らかになれば司法当局のメンツがもたない。そのため臭いものに蓋をしたのではないか」「死刑執行で冤罪を隠蔽した」といった批判や疑惑が指摘されていた。

実際、久間氏の死刑執行から約8カ月後の2009年6月に菅谷氏が釈放されると、DNA型鑑定に注目が集まった。しかも、菅谷氏と久間氏のDNA型鑑定は、検査法が同じだっただけではない。「じつは飯塚事件と足利事件のDNA鑑定は、科学警察研究所の同じ技官が、同じ方法でおこなっていた」というのである。

技官も方法も同じ、さらには検査時期もほぼ同じ。つまり、足利事件と同様、飯塚事件のDNA鑑定も誤りがある可能性が高いということだ。

また、裁判で証拠として提出されたDNA型鑑定のネガフィルムが意図的に切り取られており、カットされた部分には久間氏でも被害者でもないまったく別のDNAが存在していたことが明らかになっている。その上、弁護団側がおこなった再鑑定でも、犯人と久間氏のDNA型は一致しなかった。

絶対的証拠だったはずのDNA型鑑定が間違っていた可能性だけでなく、意図的な捏造疑惑が浮上している飯塚事件。そして死刑執行後の2009年、久間氏の妻が異例の再審請求をおこなうが、2014年に福岡地裁はそれを棄却。その理由は驚くべきものだった。

「(DNA鑑定は)『鑑定結果を直ちに有罪認定の根拠とすることはできない』として、事実上、証拠から排除したのである」「それでも裁判所はDNA鑑定を排除しても、それ以外の状況証拠で判決は正しかったと結論づけた」

決定打とされたDNA型鑑定は証拠から外すが、再審は行わない──。都合の悪いことは“なかったことにする”。これを欺瞞と言わずしてなんと言おう。しかも、すでに犯人とされた者が国家によって死刑が執行されている重大案件なのだ。番組では、久間氏の妻が「最初はDNA鑑定が一致したとして逮捕されたのだから、そのDNA鑑定が一致していないということであれば、これは犯人でないということなんですよね。だから、そこがすごくおかしいと思いました」と強く怒りを訴えているが、その通りだろう。

だが、DNA鑑定の結果が排除されても、まだ疑うべき重要証拠はある。血液型だ。当初、遺体から発見された血液は被害者と犯人の混合血液で、警察はこれをB型と断定。久間氏の血液型もB型だ。しかし、弁護団の鑑定ではAB型だという結果が出たのだ。

また、「久間氏の車内座席から検出された血痕の血液型が被害者の1人と一致した」という証拠についても、弁護団は「血痕の血液型は久間氏の家族とも一致する」と主張。「被害者に付着した繊維片が久間氏の車座席シートと類似している」ことも、「シート繊維の鑑定は全種類の車でおこなったわけではなく久間氏の車しか対象にしていない結果」でしかない。

目撃証言にも、警察による誘導の疑いが 

そして、目撃証言にも重大な疑惑がある。被害者の遺留品が見つかった場所で目撃されたワゴン車と人物の特徴が一致したことで久間氏が捜査線上に浮上したが、一瞬、車ですれ違っただけのその目撃談は、日を追うごとに詳しくなっていったのだ。

目撃者の証言が得られたのは事件から11日後のことだったが、最初は「紺色のワゴン車」としか話していなかった。それが事件から13日後には「紺色ボンゴ車で後輪はダブルタイヤ」と言い、18日後には「ガラスにフィルムが貼ってあった」と追加された。それは、まるで久間氏の車の特徴に寄せていっているかのような証言だ。さらに番組では、注目すべき点は目撃者が「車はトヨタや日産ではない」「車体にはラインが入っていない」と語っていることだとする。

久間氏の車には、銀色の細いラインが入っている。しかし、番組の調査によると、もともと久間氏が所有していたワゴン車は銀色のラインだけではなく黄色とオレンジ色のラインが入っているもの。久間氏はこの派手なラインを剥がし、銀色のラインが残った状態で乗っていたのだ。目撃者はこの銀色のラインが残った状態の車を目撃したことになるが、そのため番組は、「黄色とオレンジのラインの存在を知らなければ、銀色のラインを無視して『ラインはなかった』という証言はできないのではないのか」と疑問を呈する。

しかも、こうした疑問を裏付ける当時の捜査資料を入手。こんな疑惑も明らかにしている。

「事件の日から18日後、警察は目撃者A氏の目撃調書を作成した。これによって久間氏に捜査の的を絞ったはずだった。ところが、A氏の目撃調書をつくる2日前に捜査員自ら久間氏の車を確認していたという。その日の捜査資料には、すでに『車にラインはなかった』などの特徴が書かれていたのだ」

ようするに捜査員は、あらかじめ「黄色とオレンジのラインが剥がされていた」ということを知っていた、ということだ。さらにこの捜査員こそが、車の目撃者から聞き取りをおこない、調書を書いていたというのである。これは目撃証言を誘導した結果ではないのか。
ことごとく覆される重要証拠と、見込み捜査の疑い。しかし、肝心の久間氏の死刑はすでに執行されてしまっている。この重すぎる現実を突きつけるこの番組は、あらためて死刑は取り返しのつかない刑だと言われる所以を実感させられるものだった。そんななかで、足利事件をはじめ、桶川ストーカー殺人事件、南京事件など、徹底した調査報道でスクープを連発してきた清水ディレクターがこの問題を追求していることは大きな救いだろう。
無罪を訴え、最後まで刑務官に怒りを隠さなかったという久間氏。その無念と、背後でおこなわれていた警察の卑劣な見込み捜査や証拠のでっち上げ、改ざん、司法の闇に対する追求と真相解明を、今後も期待したい。

(伊勢崎馨)

(再掲ブログ記事終り)

(終わり)

(2)今日のトッピックス

①財務省2人目の死者 安倍首相、佐川局長の答弁書作成係長

2018年3月15日 田中龍作ジャーナル

http://tanakaryusaku.jp/

警察庁捜査一課の阿波拓洋・検視室長(手前)はまた死者が出たとあって、いつにも増して厳しい表情だった。 =15日、衆院第16控室 撮影:筆者=

森友学園への国有地払下げに関する決裁書の改ざん問題で、財務省に2人目の死者がいることが分かった。

きょうあった野党合同ヒアリングで柚木道義議員(希望)、杉尾秀哉議員(民進)が追及し、明らかになった。

亡くなっているとされるのは、理財局国有財産業務課・債権管理係長のA氏。A係長は安倍首相や佐川局長の国会答弁を作成する仕事にあたっていた。

事実関係を問われた財務省理財局の富山一成・局次長は「職員個人の問題なのでお答えできない」とかわした。

語るに落ちたのは、井口裕之・国有財産企画課長だった。「マスコミフルオープンの場でそうしたことはお答えできない」と。財務省側は否定しないのである。

係長は1月29日に死亡したとされる。警察は自殺として処理したようだ。

今回の公文書改ざん事件では、上司から決裁書の書き換えを命じられていた近畿財務局の職員が7日、自殺している。

第一線にいた頃、何万件もの不自然死に立ち会ってきた阿波検視室長の目にも、今回の事件は異様に写っているようだ。=15日、衆院第16控室 撮影:筆者=

②【動画】財務省女性職員 自殺未遂?森友で三人目の被害者柚木銀質問動画

2018.03.15 ライブチケット.com

http://ライブチケット.com/blog/moritomo/

③【続報】3月の自殺者は2人目だった!~別の行方不明者は財務省女性職員か(森友学園疑惑)

2018年03月15日 ライブチケット.com

http://ライブチケット.com/blog/moritomo/

改ざんがあきらかになった公文書

データ・マックスでは今日の既報で「財務省職員で2人目の自殺者が出た情報がある」としていた。

新しい情報で、今年1月か2月に、財務省国有財産係長の「青木隆(あおき・たかし)」氏が自殺していたことがわかった。森友学園問題での自殺者は、今月7日に近畿財務局の赤木俊夫上席国有財産管理官が初めてとみられていたが、2人目の自殺者だったことになる。

また、今日現在も財務省の女性職員が「行方不明」になっており、報道関係者が情報収集にあたっている。

④李元大統領を取り調べ=収賄容疑などで韓国検察-全面否認、近く逮捕状請求か

2018年3月15日 AFP日本語版

http://www.afpbb.com/articles/-/3167350

【3月15日 時事通信社】韓国のソウル中央地検は14日、2008~13年の在任当時に巨額の賄賂を受け取った疑惑を持たれている李明博元大統領(76)に出頭を求め、取り調べた。韓国メディアによると、聴取は午前9時50分(日本時間同)ごろ開始、食事や休憩を挟み、午後11時55分ごろまで行われた。李氏は容疑を全面的に否認。地検は近く「証拠隠滅の懸念」などを理由に逮捕状を請求する可能性があるという。

大統領経験者の取り調べは昨年3月の朴槿恵前大統領(収賄罪などで公判中)以来、約1年ぶり。全斗煥、盧泰愚、盧武鉉の3氏を含め5人目。

昨年5月に発足した革新系の文在寅政権は「積弊(積もった弊害)の清算」を掲げ、過去の保守政権下での不正疑惑の洗い直しを推進。検察もこれを受けて李氏の立件を視野に捜査しており、李氏は「政治報復だ」と強く反発している。

出頭した李氏は聴取に先立ち「国民の皆さんに心配をかけ、大変申し訳ない」と語った。また、「元大統領として話したいことも多いが、言葉を慎むべきだと自ら決意している。だが、願わくは歴史において、今回のことで最後にしてほしい」と訴え、「政治報復」という認識をにじませた。

李政権当時、情報機関の国家情報院(国情院)が情報収集に使う「特殊活動費」から多額の裏金を大統領府に上納していたとされる事件で、地検は李氏の元側近を収賄などの罪で起訴。「李氏が事実上の主犯」とみており、具体的な指示内容や裏金の使途などを追及したもようだ。(c)時事通信社

⑤全米の高校生が授業ボイコット 乱射事件1か月で銃規制訴え

2018年3月15日  AFP日本語版

http://www.afpbb.com/articles/-/3167394

米首都ワシントンの連邦議会前で、銃規制を求め抗議する生徒ら(2018年3月14日撮影)

【3月15日 AFP】(写真追加)米フロリダ州パークランド(Parkland)の高校銃乱射事件から1か月となる14日、全米各地で高校生が授業をボイコットし、銃規制強化を求める抗議デモを行った。米国で行われた銃暴力に対する抗議行動としては近年最大の規模となった。

首都ワシントンのホワイトハウス(White House)前では、周辺地域の学校から数百人の生徒が集まり、「Never again(もう二度と起こすな)」「Enough is enough(もうたくさんだ)」とのシュプレヒコールを上げ、「銃弾ではなく本を」「銃を守るな、人を守れ」などと記したプラカードを掲げた。

参加者数は後に数千人に増加。生徒らは連邦議会議事堂へと行進し、そこでバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員ら民主党議員と合流して、銃ロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」を非難する声を上げた。

ロサンゼルスの高校では、生徒らがフットボール場に横たわり、銃規制推進運動のキャッチフレーズである「Enough(もうたくさん)」の人文字を描いた。またニューヨークでは、50校以上で授業のボイコットが行われ、参加した生徒の多くは銃規制を象徴する色であるオレンジの服を着用した。

授業のボイコットは、事件の犠牲者数と同じ17分間だけの予定だったが、全米各地で合わせて数万人規模の生徒が授業に全く出席せずに抗議行動に参加した。(c)AFP/Cyril JULIEN, Chris Lefkow

⑥昭恵氏「いいね!」も喚問で=立憲・辻元氏

2018/03/14 時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018031400688&g=pol

安倍晋三首相夫人の昭恵氏のフェイスブックに「野党のバカげた質問」などの投稿があり、同氏のアカウントから「いいね!」ボタンが押されていたことについて、立憲民主党の辻元清美国対委員長は14日、「もう感覚が理解できない。なぜ『いいね!』を押したかも証人喚問に来ていただいて、お聞きしたい」と批判した。国会内で記者団の質問に答えた。

共産党の穀田恵二国対委員長も記者会見で「(国会に)来ていただいて、本当に、くだらない質問かどうか、本人が(質問を)受けたらいい」と述べ、証人喚問を求めた。

(3)今日の重要情報

①安倍の「忖度強制→改ざん」17年前の手口

財務省にも同じ手法を? 安倍首相が17年前、NHKに「忖度による改ざん」をやらせたときの狡猾な手口

2018.03.14 Litera

http://lite-ra.com/2018/03/post-3870.html

ようやく佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問を与党がしぶしぶ認めた。辞任させたことをいいことに、つい先日まで「いまは民間人」として国会招致を拒否していたが、今回の佐川氏証人喚問の容認は、高まる世論の反発に自民党が耐えきれなくなった証拠だ。

しかし、佐川氏が国会に出てきても、安倍首相や麻生太郎財務相は「佐川氏が自分の答弁と整合性をとるために文書を書き換えた」というシナリオを徹底して貫き、財務省に「改ざんを指示したのは佐川前理財局長」「政治家からの指示はまったくなかった」「勝手に忖度した」と主張させ、責任をすべて財務省にとらせるつもりなのだろう。

実際、安倍首相は、本日、野党が欠席するなかおこなわれた参院予算委員会の集中審議で、こう言い放った。

「書き換え前の文書を見ていただければ、私も妻も一切かかわっていないということは、むしろ明白になっている」

むしろ明白になった──って、どこをどう見ればそんなことになるのだろう。既報の通り

【http://lite-ra.com/2018/03/post-3869.html】、書き換え前の文書は、「むしろ」昭恵夫人が森友学園と近畿財務局の取引に深く関与していたことを裏付けるものだ。ところが、安倍首相は「私や妻がかかわっていたら総理も国会議員も辞める」という答弁してしまっており、だからこそ、昭恵夫人の名前を削除せざるをえなかったのだ。

しかも、この改ざんの指示も安倍官邸がおこなっている可能性が高い。財務省をはじめとする官僚経験者らも、もっと上の政治家の指示もなく公文書を大幅に改ざんすることは考えられないと言っているし、実際、加計学園問題では、萩生田光一官房副長官(当時)や和泉洋人首相補佐官ら、安倍首相の名代とも言える官邸幹部が文部科学省に圧力をかけていたことがわかった。

さらに、安倍首相自身にも、公的な組織に直接、圧力をかけて改ざんをさせた“前科”があるのだ。その手口をみれば、安倍晋三という男がいかに真実をねじ曲げる改ざんという行為に躊躇がないか、そして政治権力を使いながらも自分に責任がおよばないよう、いかに狡猾に圧力をかけているのかがよくわかるだろう。

NHK放送総局長に「勘ぐれ、お前」と忖度強制、放送を改ざんさせた安倍

それはいまから17年前、当時、内閣官房副長官だった安倍氏が、放送前のNHKのドキュメンタリー番組に政治的圧力をかけて介入、放送内容を改ざんさせた問題。俗にいう「NHK番組改変問題」である。

問題の番組は、2001年1月30日に放送された「ETV2001」の全4回シリーズ『戦争をどう裁くか』の第2回『問われる戦時性暴力』。この番組では、日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷を取り上げており、慰安婦にされた被害女性や加害兵士の証言をはじめ、研究者や専門家らのコメントが紹介される予定だった。

しかし、同番組をめぐっては、放送3日前の27日の時点から右翼が放送の中止を求めてNHKに抗議をおこない、すでに日本会議のメンバーが国会議員に番組の情報を伝えるなどの動きを見せていた。だが、後述する同番組の統括プロデューサーだった永田浩三氏によれば、〈たとえ政治家がいろいろ言ってきたとしても、それに屈するという気配は、少なくとも二七日の時点ではありませんでした〉(永田氏著書『NHKと政治権力』岩波書店より)と振り返っている。

大きく事態が動いたのは、放送前日の29日夕方だった。この日、国会議員のもとに出向いていたNHK放送総局長と国会議員対策の総責任者である総合企画室担当局長が戻るなり、番組の劇的な改変をスタッフに言い渡すのである。結果、現場のスタッフは上司に逆らえず、番組は改ざんを余儀なくされ、原形を留めないほどに内容は歪められてしまったのだ。

そして、このとき番組に圧力をかけた国会議員というのが、当時の官房副長官だった安倍晋三・自民党幹事長代理と中川昭一経産相であったことを、番組放送から約4年後の2005年1月12日、朝日新聞がスクープとして朝刊一面で大きく報じたのだ。

さらに、朝日のスクープの翌日には、問題の番組の担当デスクで、当時、NHKの現役チーフプロデューサーだった長井暁氏が異例の記者会見を開き、涙を浮かべながら「4年間、悩んできたが、事実を述べる義務があると決断した」と語り、放送総局長らが安倍・中川議員に呼び出されたと認識していること、「政治介入が恒常化している」ことを告発した。

しかも、朝日は安倍らが圧力をかけたことを裏付ける証言をNHK放送総局長から得ていた。圧力をかけられた放送総局長自身が安倍・中川両氏との面会時のようすを仔細に語っており、その録音テープも残されていた。

このテープは後にジャーナリストの魚住昭氏が「月刊現代」(講談社)で明らかにしているのだが、そこには、放送総局長が安倍について語ったこんなセリフが出てくる。

「(安倍)先生はなかなか頭がいい。抽象的な言い方で人を攻めてきて、いやな奴だなあと思った要素があった。ストレートに言わない要素が一方であった。「勘ぐれ、お前」みたいな言い方をした部分もある」

「勘ぐれ、お前」──。安倍がNHK放送総局長に語ったというこの言葉は、まさに「忖度」を促す言葉ではないか。

倍に放送内容を改ざんされたNHKスタッフは「他人事とは思えない」と

 この安倍の忖度圧力は裁判でも事実認定されている。NHK番組改変問題は、同番組の取材を受けた市民団体が NHKを相手取って訴訟を起こしているのだが、その控訴審判決文ではこんな事実認定が書かれているのだ。

「制作に携わる者の方針を離れて、国会議員などの発言を必要以上に重く受け止め、その意図を忖度し、当たり障りのないよう番組を改変した」

いずれにしても、安倍首相が、この頃から政治権力を盾に「忖度」を促す言葉で圧力をかけ、いろんなものを捻じ曲げていたことは間違いない。そして、こうした手法が、後の加計学園問題における「総理のご意向」という言葉を生み出し、森友決裁文書改ざんでは、当時の佐川理財局長に犯罪をはたらかせたということなのだろう。

NHK放送総局長に迫ったときと同じように「勘ぐれ」と一言言えば、人事権を握られている佐川局長はその言葉の意味を瞬時に理解したはずだ。あるいは加計学園問題であきらかになったように、官邸の人間を動かして改ざんを指示した可能性もある。

だからこそ、佐川氏には真実を語ってもらわなくてはならない。近畿財務局の自殺した職員は、本省の指示で文書を書き換えさせられたことを書き記したメモを遺していたとされ、親族には「自分の常識が壊され、心と体がおかしくなった。汚い仕事をやらされた」と語っていたという。上司の命令に従わざるを得なかったこの職員のことを想うと、一体、何が彼を死まで追い詰めたのかをあきらかにしなければならない。そうでなければ、一官僚の判断でとてもできるものではない公文書改ざんという国家を揺るがす大犯罪を引き起こし、ひとりの尊い命を奪った原因をつくり出した人間は、今後もその罪の大きさも自覚しないまま、のうのうと国を歪めつづけるからだ。

ちなみに、NHK番組改変問題では、告発に踏み切った長井氏につづき、裁判では前述した番組の統括プロデューサーだった永田浩三氏も事実を語るなど、番組を改変せざるを得ない状況に追い込まれた現場スタッフが声をあげたが、彼らはその後の人事で現場を外され、NHK放送文化研究所とNHKアーカイブスへの異動を命じられている(前掲書『NHKと政治権力』より)。

何の得もしない、汚い仕事を押し付けられた現場の人間だけに責任を負わせ、幕引きをはかる。──犠牲者が出ている以上、そんな決着のつけ方は絶対に許されない。永田氏は、今回の改ざん事件を受けて、Facebookにこんな文書を寄せている。

〈とても他人事とは思えない。だれが好き好んで、現場が自主的に改ざんに手を染めたりするものか〉

(編集部)

*************************
【杉並からの情報発信です】【YYNews】【YYNewsLive】
情報発信者 山崎康彦
メール:yampr7@mx3.alpha-web.ne.jp
*************************







最新の画像もっと見る